ニットが豊富な今季は買い替えや買い足しのチャンス！
朝の空気がキーンと冷たく感じられたら、ふんわり暖かなニットに袖を通したくなります。 大人に似合うニットがたくさんお目見えする今季は、心ときめく一枚に出会うチャンス。
ニットラバーの黒田知永子さんが着こなす旬のニットから、ぜひお気に入りを見つけてください。
雪の結晶と幾何学柄を組み合わせた伝統的なノルディックニットも、モノトーンだとぐっと着こなしやすくなります。ニット￥80,000・タートルニット￥36,000／ドゥロワー 青山店（ドゥロワー） パンツ￥23,000／ユナヒカ スニーカー￥31,000／プレインピープル青山（プレインピープル） ピアス／黒田さん私物
大好きなニットは旬を買い足し
手持ちを更新します
「秋冬のおしゃれが好きです。若い頃と違って今ではジャケットを着ることがほとんどなく、車での移動が多い私にとって、これからの季節はニットが主役」と話す黒田さん。自他ともに認めるニットマニアです。自宅のクローゼットには、黒、紺、グレーに代表されるベーシックカラーのニットがいろいろ。そこに毎年、その時々の気分にフィットする新顔を加えて、さまざまな着こなしを楽しんでいるそう。
そんな黒田さんのニット選びは、“シンプルなニットはマイナーチェンジして、旬ニットはデザインやディテールに今どき感のあるものを買い足していく”という考え方。
「プレーンなニットは、肩の感じが違うなとか、身幅の大きさが今年はこっちのほうがかわいいなと思ったら、迷わず買い足します。人から見たら“また同じようなものを買って”と笑われそうだけど、その小さな違いが意外と大きなポイントだったりして。そして気に入っているものは大事に保存。なんとなく袖を通す機会がなくて何年かがたってしまったとしても、またふっと着てみようと思うときが“置いておいてよかった！”と心から思う瞬間ですね」
“流行は把握しながらも振り回されず、お気に入りは大切に”という考えから、黒田さんのおしゃれスタイルが見えてきます。
黒田さんが買った今のお気に入りは、ツイード生地が組み合わされたローゲージのミックスニット。
「今年だったら、ちょっとクラシックなニュアンスの入ったニットも気になります。フェアアイルやアーガイルなどの編み込みも、昔はカラフルでした。でもその懐かしさがちょっと野暮ったくなる心配も」と言う黒田さんに、「そこがかわいさでもあるけれど、モノトーンを選べば大人にも取り入れやすいと思います」と、今回のスタイリングを担当した佐伯さんがアドバイス。
チルデンニットやノルディック柄など、バリエーションがうれしいトラッドテイストのニットは今季のトレンドのひとつ。加えて黒田さんも更新したいというベーシックニットは、身幅や袖、着丈など、どこかがたっぷりとしたサイズになって新鮮なバランスで着こなせるように。また、久しぶりにはおりものも数多く登場するなど、今年は大人に似合うニットの当たり年です。
「例えばゆったりと大きめのニットは、どこかちょっと細く見えるところを作るのがコツ。足首の見えるスカートや細身のパンツを合わせるだけでも、バランスよく着こなせます」と佐伯さん。
旬を取り入れるための買い替えと買い足し、そして着こなしのちょっとしたさじ加減で、黒田さんのような抜け感あるニットスタイルに近づきたい。
黒田知永子さん Chieko Kuroda
1961年生まれ。学生時代に「JJ」でモデルデビュー。
その後、「VERY」「STORY」「éclat」 で次々と表紙キャラクターを務め、
女性誌だ けでなく、テレビやCM出演など幅広く活躍中。
旧知の仲のスタイリスト、地曳いく子氏との共著
『おしゃれ自由宣言』（ダイヤモンド社）を11月７日に上梓
次回は、一枚でサマになる、ゆったり感が魅力のニットをご紹介します。
撮影／浅井佳代子 ヘア＆メイク／福沢京子 モデル／黒田知永子 スタイリスト／佐伯敦子 原文／向井真樹
