行き先別で選ぶ"自分らしさ"と"心地よさ"
黒田知永子さん、大人の旅じたく
年齢を重ね、時間的にも余裕ができたOurAge世代にとって、旅は大きな関心事のひとつ。だからこそ、旅先のさまざまな場面で気負わずにこなれたおしゃれが楽しめたら…。
解放感たっぷりのリゾート旅と何度訪れても新しい発見がある古都の旅を例に、コーディネートと持ち物をシミュレーション。
服も小物も今のお気に入りを
少数精鋭でそろえて
仕事でもプライベートでも、国内外の旅を数多くしてきた黒田知永子さん。一方、海外ロケに加え、ハワイに通い詰めていた時期の長かったスタイリストの森 慶子さん。旅慣れた二人に旅じたくのこだわりやコツを聞きました。
森 知永子さん、最近はどんな旅を楽 しんでいますか?
黒田 年1回の仲間との旅行をはじめ、娘との気兼ねのない旅や、同級生やママ友といった人たちと時間を作っては気ままに楽しんでいます。森さんは?
森 5年前に犬を飼いはじめてから、旅に行く機会が激減してしまいました。だから少し感覚が鈍っているかもしれないですね。知永子さんといえばセンスのよさはもとより、何事においても手際がいい印象。旅じたくのコツをぜひ教えてほしいと思っていたんです。
黒田 いやいや、前もってきちんと準備するのは苦手。毎回、夜中までゴソゴソと荷造りしているタイプ(笑)。
森 意外! でも実は私も(笑)。泊数に合わせてすべてのコーディネートを書き出して前々から準備する知人がいるけど、現地での服装計画はどうやって決めていますか?
黒田 行き先にもよるけれど、服選びの基本は“今の気分を大事にすること”。例えば京都や金沢のような街歩きがメインの旅なら、しっかり歩ける靴さえあれば、服は今のお気に入りを持って行くし、暖かいリゾート地なら、涼しくて楽ちんなワンピースは必ず。今は便利な時代。少々の忘れ物だったら現地調達でも平気だから、荷造りはわりと大雑把かもしれません。
旅には締めつけ感のないワンピースとレギンス、
歩きやすい靴と いう最強の組み合わせなら、移動時も街歩きも快適です
森 旅には今のお気に入りを、という考え方に賛成! 何か特別なものを持って行っても、結局着ないから荷物が増えるだけ。旅の服装というとしわにならない素材を、と考えがちですが、私はかさばらないことが最優先。旅先での着回しは考えますか?
黒田 荷物を極力少なくしたいから、1本のパンツに2枚は合うトップスを入れるかな。あとは靴とバッグ。昼間、スニーカーを合わせたワンピースを夜の食事にも着て行かれるように、かわいいサンダルや小さなバッグは必ず持って行きます。小物を替えるだけでさまになるし、気持ちも切り替わるから。小さなバッグといえば、最近の街歩きにはボディバッグがお気に入り。お財布も小さくして、ポーチの中身もコンパクトとリップクリームと目薬だけ。ハンカチやハンドクリームもしっかり入るし、防犯面でもかなり心強い。
森 大きなバッグだといつも探し物をしている気分だから、貴重品はボディバッグやポシェットが便利ですね。コスメはどうしていますか?
黒田 1泊ならサンプルを持って行ってすませてしまうことも。2泊以上なら、クレンジングや化粧水は今使っているものの中から、残りがいちばん少ないものを瓶ごと持って行くかな。
森 私はホテルの部屋のにおいが気になることがあるので、アロマオイルやアロマスプレーを必ず持って行きます。お気に入りの香りがあるだけで、いろいろなことが一気に変わりますから。
黒田 旅先でのおしゃれも持ち物も、自分が心地よいと感じられるものにこだわることが、いちばん大切ですね。
黒田知永子さん Chieko Kuroda
1961年生まれ。学生時代に「JJ」でモデルデビュー。
その後、「VERY」「STORY」「éclat」で次々と表紙キャラクターを務め、
女性誌、テレビ、CMと幅広く活躍中
次回は、リゾート旅での黒田知永子さんこだわりのファッションをご紹介します。
撮影/浅井佳代子 モデル/黒田知永子 スタイリスト/森 慶子 ヘア&メイク/福沢京子 取材・原文/向井真樹
バックドロップ・フローリング/スタジオ ルーフ