こんにちは、敏感肌のふみっちーです。
ホルモンバランスが乱れがちになる、OurAge世代。肌もゆらぎやすくなり、若い頃とは違った悩みが出てくる年齢でもあります。第一回「もう悩まない!“オトナ敏感肌”とのつきあい方」でもお伝えしたとおり、まさしくふみっちーもアトピー性皮膚炎に悩まされております。
医療の現場でも、オトナ世代の敏感肌って増えてるのかしら?どんなケアがいいのかな?
そこで今回は、皮膚科専門医であり東邦大学医療センター大橋病院副院長、および皮膚科教授である向井秀樹先生に、「オトナ敏感肌のとのつきあい方」についてうかがいました。
■敏感肌になる原因はやっぱり乾燥なのですか?
「皮膚のもっとも外側には、角層と呼ばれる層があります。角層の水分量や皮脂量が低下すると、角層の細胞間にある油分(セラミドなどの脂質)が減少し、皮膚の表面はカサカサした乾燥状態になります。
肌が乾燥すると、角層の重要な働きであるバリア機能が低下します。その結果、さまざまな刺激やアレルゲンが容易に入り込んで炎症が生じ、皮膚にトラブルが発生しやすくなるのです」(向井先生)
■“敏感肌”と“ゆらぎ肌”ってどう違うのかしら?
「“敏感肌”とは、カサカサした乾燥状態が見られ、皮膚が本来持っているバリア機能が低下している肌状態を指します。髪の毛や衣類、化粧品や洗顔料、洗いすぎやこすりすぎといった外的な刺激に敏感に反応して、肌が赤くなったりかゆくなったりするのです。
一方、“ゆらぎ肌”は敏感肌の一種で、季節の変わり目に出やすい変化です。皮膚がカサカサする、ピリピリする、ハリがなくなるといったように、一時的に自分のベストとは異なる肌状態になってしまうことを言います」
■症状が出やすいのはどんな時季?
「肌がゆらぎやすくなるのは、冬から春にかけての低温低湿の季節。ただでさえ乾燥しやすいこの時期に、洗いすぎやこすりすぎ、暑いお風呂での長湯、衣類の摩擦などが加わると、下腿やかかと、太もも、腰回りなどの皮膚の柔らかい部分や、露出していたりこすれる部分、血液循環の悪い部分などを中心に、皮膚はさらに荒れやすくなってしまいます。
では、夏ならば安心かというとそうではありません。冷房で室内は乾燥していますし、日光や細菌、汗や汚れによって皮膚のバリア機能が破たんすれば、やはり冬と同様にトラブルが起こります。
そのほかに、ハウスダストやダニ、スギ花粉などの環境要因や、仕事や家庭の悩みを始めとした精神的なストレスも大きく影響します」
■更年期ってやはり敏感肌になりやすいのでしょうか?
「更年期も肌がゆらぐ要因のひとつです。女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少すると、皮膚真皮内にあるコラーゲンの量が減り、質も悪くなったりします。若い頃には感じなかった皮膚の乾燥や、つっぱり感を感じやすくなってしまうのです。
また更年期には、メイクを落とす際のクレンジング剤にも気を付ける必要があります。肌のバリア機能が落ち、以前より乾燥度もアップしているので、できるだけ刺激の少ないクレンジング剤を選ぶようにしましょう」
■おとなの敏感肌のケアで心がけたいことって何ですか?
「まず大切なのは、肌に傷をつけるような洗い方をしないこと。顔を洗う際はごしごしこすらず、低刺激性の洗顔料で泡洗顔をするのが基本です。やさしく汚れを落とし、ぬるま湯で十分にすすぎましょう。洗顔後は化粧水や乳液で、しっかり保湿してください。特に乾燥が気になる部分は、その上からクリームを塗れば万全です。
ケアに関してはボディも同様です。ナイロンタオル等でごしごしこすらない、暑い湯に入らない、乾燥しやすい場所は毎日洗わない。温泉も、皮膚の乾燥を招く食塩泉や硫黄泉は避けましょう。そして入浴後は30分以内にボディローションやクリームを塗り、保湿することが大切です」
「日常の過ごし方や、スキンケアの仕方に注意して、キレイな肌で年齢を重ねてください」と、向井先生。ユーモアあふれる素敵な先生でした。とにかく、いろいろなストレスにさらされて、どうしても敏感に傾いてしまいがちなオトナの肌。ですがオトナですもの、賢く、優しく、つき合っていきたいですね。
撮影/小山志麻 イラスト/かくたりかこ 取材・文/上田恵子