こんにちは。君島十和子です。
私は来年50歳になります。
私にとって若いころから50歳という年齢はなぜだか特別な年齢でありターニングポイントだと思っていました。
50歳になったとき自分はどんな生活をしているんだろう。
どんな家に暮らし、どんな服を好み、家族とどんな会話をしているんだろう。
何を悩み、何が一番の楽しみで、何に夢中になっているんだろう。
そして……素敵な大人の女性になれているんだろうか?
いつしか50歳をどう迎えるか、が私のひとつの目標となっていました。
もちろん充実した毎日を送り、内側からキラキラと輝いている50歳になれたらうれしい。
「十和子さんはいつまでも変わらないですね」
そう言ってくださる方もいらっしゃいますが、人間ですからそんなことはありません(笑)。
若い頃は当たり前のように履いていた8cmのハイヒール、外出のときにいつも持っていた重たい皮のバッグも最近毎日はキビシイ。
疲れなくて長時間歩けてしかもオシャレな靴や、軽くて機能性が高くそれでいてエレガントなデザインの布バッグを探しはじめた自分に 間違いなく時の流れ、時間の経過を感じています。
家族の状況も変わりました。
上の娘は昨年から親許を離れ関西で暮らしています。
1人いなくなっただけで突然我が家が広く感じられたときの驚き。
そのうち下の娘もいつか巣立つ日が来るはずです。
夫婦ふたりだけの暮らしになったときのシミュレーションを漠然とではありますが考え始めるようになりました。
この写真のイスは結婚したときに購入し、以来20年以上使っている愛着のあるイスです。
おそらく娘が小さいときにつけたシミが座面にあります。
義父から譲り受けたダイニングテーブルも新婚以来20年使い続けているものです。
このテーブルは食事をしたり事務仕事をしたり、ちょこちょこお化粧もする私の定位置です。
娘たちもこのテーブルで宿題を片付けてきました。
ふとよく見れば、ガラスの天板はキズだらけ。
これを見ると子どもたちが幼かった頃のことはもちろん家事、育児、仕事と目の前にあることに無我夢中で駆け抜けてきた20年という年月を感じます。
ではこれから先の10年、20年は何があるんだろう?
ワクワク。ドキドキ。
そしてときどき悪あがき。
そんな気持ちが交錯しながら、もうすぐ50代を迎えようとしている今の私。
その様子を同世代のみなさんに見ていただけたらと思い、この連載企画「十和子道」が生まれました。
お読みくださる皆様がどうお感じになるのか今は正直ちょっと緊張していますが、この連載をたのしみにしていただけるようになればうれしいです。
君島十和子
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★「十和子道」 担当編集者より読者の皆様へ★
「十和子道」は来年いよいよ50歳になる君島十和子さん、その十和子さんの日ごろのライフスタイル、いえ、もはや『生きざま』といえるものを読者の皆様にご紹介しつつ、美しく年齢を重ねて行くためのヒントを一緒に探れたら、という思いでコンセプトを立てました。
十和子さんと私のおつきあいは10数年になります。
上の娘さんが幼稚園の年少さん、下の娘さんがまだおしめをしていたとき。
当時は子育てに専念し、メディアでの露出がほぼ皆無だった十和子さんに「君島さんとの結婚を決意した決め手は?」という美容とは全く関係のないテーマで取材したのが最初です。
待ち合わせていた都内のホテルの玄関で初めて対面したとき、その美しさに驚きました。
女優時代よりきれいだと思いました。
でもきけば家政婦さんなどは雇わず、家事一切を自身でやっているというのです。
しかも2人の幼い娘さんを育てながら。
「今はとてもとてもエステへ行ったり、百貨店のコスメ売り場をこまめにまわるような時間はないんです」とおっしゃいました。
家事と育児に追われながら、女優時代よりキレイになっているなんて。
そんなことあるの?
十和子さんを疑った私は「今夜の夕食は何ですか?」ときいてみました。
「ハンバーグとお刺身。お刺身はもう買ってあります……あとは…」
そう言って両手でハンバーグのタネをぽんぽんと投げている仕草をしながら見せた笑顔。
意地悪な自分を恥ずかしく思った瞬間です。
それ以来、何度も何度もいろいろなテーマで取材を重ね、わかったのです。
その美しさの理由が。
今は中学生となった下のお嬢さんを育てながら仕事をこなし、昨年からは80歳を越えたお姑さんのお世話もはじまったという十和子さん。
美容のテクニックやエステへの投資だけでは、49歳という年齢でこれだけの美しさは維持できません。
では一体なにが理由なのでしょうか?
「十和子道」ではそれを読者の皆様にお伝えしていければと思っています。
本の最初の打ち合わせのとき、十和子さんには
「セルフメーク、私服で登場してください。そしてなるべく自宅で撮影させてください」
とお願いしました。
これは忙しい十和子さんにはかなり負担なことです。
でもプロのメイクとスタイリストをつけ、特別な照明を煌々とつけたスタジオで撮影していては十和子さんの美の理由とその生きざまは読者の皆様に伝えきれないと思ったのです。
(ちなみに上の写真は自宅での取材中のひとコマ。
お隣にいらっしゃるのは夫の誉幸さんです。
誉幸さんがそばにいるとなおさら十和子さんの表情が素になります)
これから50歳を迎える方はもちろん、すでに50歳を迎えた方にも楽しみにしていただける内容になるようこころがけて取材しています。
「十和子道」をどうぞよろしくお願いいたします。
撮影/冨樫実和
*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点
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電子版には特典としてプライベートを含む計276点の写真とコメントを特別編集した「エブリディ十和子」がついています!