十和子道 第3回
「必要なのは、足し算ではなく引き算のサプリです」
朝起きたら、ベッドの中で背伸びとあくびをひとつずつ。
キッチンで水素水を生成している間に、洗面所で歯磨きとスキンケア。
リビングのカーテンを開けて、
空を見る。
冷蔵庫の中を見て、朝ごはんのメニューを決める。
娘を起こす。(夫は私より早く起きていたりするので、大丈夫)
ニンジンとリンゴとレモンとショウガを洗って、ジューサーにかける準備をする。
「今日は色柄の日だわ」と、色ものの衣類を洗濯機に入れて、スイッチを押す。
掃除機をびゅんびゅん勢いよくかける。
パンと卵を焼いて「納豆も食べる?」と娘に言うと「え、なんで納豆…」と、つれない返事をされる。
だけど負けずにテーブルに納豆を出してみる。
ごはんをいただく。
フライパンを洗って、お皿を洗って…。
ちょっとだけ、ほっとしてサプリメントを飲む。
あわただしい朝の時間をひととき止めて、自分のカラダに向かい合わせてくれるのが、このサプリメントを摂る時間です。
40代中頃、ひんぱんに動悸がするようになり「これはもしや、更年期?」と、病院へ行きました。
検査したところ、ホルモン値に問題はなく、鉄欠乏性貧血という診断結果。
「なんだ貧血のせいだったのね。それなら慣れてるから大丈夫」と、お薬はいただきませんでした。
実は貧血歴はかれこれ軽く30年以上。
高校生のころから健康診断を受けるたびに「貧血」と指摘されていたので、すっかり慣れっこになっていて、「貧血なんてたいしたことじゃない」と、開き直っていた感もあり…。
もともと薬嫌いだということもあって、「食事とサプリで治そう!」と、一念発起。
鶏レバーやプルーンなどを意識的に摂り、ヘム鉄や非ヘム鉄のサプリを飲む…そんな貧血改善生活を1年続けてみました。
が、残念なことに再検査後も数値はあまり変わりませんでした…。
「動悸の原因は貧血による酸素不足。酸素や血液を全身に送るため、心臓が過稼動している状態。いずれ心臓にも負担がかかってきます」と、お医者様にも言われ、もう気合だけではなんとかならない、不調を見て見ぬ振りはできない年齢なのだと悟りました。
近い将来、更年期症状のひとつといわれる不定愁訴も出てくるでしょうし、原因がはっきりわかっている動悸、貧血(私の場合もはや確定愁訴ですよね)を治療しないのは、無駄な抵抗と観念して薬を飲むようになりました。
とはいえ、「日々の食事で補えるものは、なるべく食事から摂るようにする」ことが基本。
薬もサプリメントも必要最小限にしておきたい。
仕事柄、サプリメントを含む、新しい成分の情報は比較的早めに入手できます。
2年に一回開かれる「化粧品産業技術展」にも必ず足を運びますし、今ではすっかりおなじみになったユーグレナ(みどり虫)やARA(必須脂肪酸のひとつでもあるアラキドン酸)も、数年前からご紹介いただいていました。
そんな膨大な情報量とエビデンスの検証から、これから50代を迎える今の私に必要なのは、「抗酸化」と「デトックス」と判明(というか決定)。
そのふたつの効能に特化したサプリメントは毎日摂っています。
ほかに毎日摂っているものは「乳酸菌」です。
花粉症なんていう名前がない頃からの年季の入った花粉症で、春になると、くしゃみ鼻水でぐしゅぐしゅ。
成人してからも「木の芽どきだから、しょうがない」なんて悠長にかまえていたのですが、長女を妊娠したときに、急激に症状が悪化して目も当てられない状況に。
とはいえ、妊婦なので薬は飲めず、そのときにいろいろな民間療法を試してみて、結果、私のカラダに合うのが「乳酸菌」でした。
私のサプリ選びのポイントは
「自分のカラダに必要な成分をじっくり吟味すること」
「量と形状、そして味もチェックすること」。
どんなにいい成分でも、1日3回、1回8錠、しかも1錠の大きさが親指の頭大(アメリカのサプリだと笑っちゃうくらい大きなタブレットがあるんです)だったりすると、継続は困難。
1回や2回なら、気合で乗り切れるかもしれないくらい不味い味の粉末やドリンクも、毎日となると憂鬱の原因になってしまいます。
カラダに必要なものは継続して摂らなければ意味がないと思うので、サプリメント選びは冷静かつ合理的に、を肝に銘じています。
十把ひとからげに、「加齢」だの「老化」だのと言いますが、カラダって、当たり前のことですが、ひとりひとり別の個性を持つものです。
「評判の成分だから」「話題のサプリだから」と、安易に飛びついてしまうと、本当に自分のカラダが必要としているものがわからなくなってしまいますよね。
もしひとつだけ、サプリを選ぶとすれば、私はデトックス効果のあるものをオススメします。
私たちの世代に必要なのは、「引き算のサプリ」(デトックス)。
何かを加えていく「足し算のサプリ」より、いらないもの、溜まったものを手放していく「引き算のサプリ」(デトックス)が50歳前後からの「健康とキレイ」の鍵を握っていると考えているんです。
そして摂り始めたその日から、
ちゃんとカラダに届いてる?
調子はどう?
何か変わった?
と、自問し、
かさかさ、熱っぽい、張る、しっとり、ひりひり、すっきり…そんな「ささいな変化」というカラダの声に真剣に耳をそばだてること。
私は手足や肌の変化を目で見るだけではなく、触れて、感じるようにしています。
そして、服用の際は懐疑的な気持ちを捨てて、わくわく素直に、ときにありがたく思いながら飲む。
「これが効くんだ」と信じて飲むと効果が倍増しますよ。
〈おまけ「君島家の薬箱事情」〉
君島家の薬箱の中で、いちばん出番が多い薬はなんですか?と、うかがったところ、
「キャベジンかな? ふふふ」と、何やら楽しそう教えてくれた十和子さん。
十和子さんがお嫁にいったとき、君島家にはそれはそれは巨大なキャベジンの瓶が。
「キャベジンは君島家の常備薬で、ちょっと胃がおかしい、食べ過ぎたかも、なんか痛くなる気がする…くらいでも、みなさんポイポイと豪快に飲んでいらして。もうサプリメントの代わりと言ってもいいくらい」
月日は流れ、第一子を妊娠した十和子さん。
出産予定日が迫ったある日のこと。
突然の腹痛に“これはお昼に食べたうなぎにあたったんだわ”と、君島家の常備薬キャベジンを服用。
でも30分たっても効かない…。
キャベジン追加。
…やっぱり効かない。
「さすがに変だと思って病院に行ったら陣痛でした(笑)。“どうりでキャベジンが効かないと思いました”って先生に言ったら“陣痛ですから!胃薬じゃ無理です!”って怒られた思い出が…ふふふ」
君島家の茶色い薬箱の中には、そんな「ふふふ」な思い出もいっしょに入っています。
撮影/冨樫実和 取材・文/稲田美保 ヘア/黒田啓蔵
*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点
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