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視覚に頼れない暗闇空間「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」で“見た”ものは!

中込久理

中込久理

なかごめ・くり/化粧品会社のPR担当から美容エディターに転職して20年。女性誌やウェブでビューティのページを企画・執筆するほか、化粧品会社のウェブマガジン等でも活躍。好奇心旺盛で、大人かわいいものが大好きな、永遠の乙女キャラ。趣味は宝塚歌劇とJリーグ観戦。公式ブログ

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日本では1999年からスタートした暗闇体験ツアー「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」。30年以上前にドイツの哲学博士によって考案され、現在までに世界50カ国以上で開催されています。先日これを初体験してきました。

 

中込さん ダイアログ・イン・ザ・ダーク

私が訪れたのは三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア内に常設している施設です。「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を知らずに誘われるまま行った私は、この日も暗闇を巡るツアーだということもわかっていませんでした。この扉の向こうで、自分を見つめる体験をすることになるとは…!

 

 

中込さん 白杖

暗闇ツアーは8人までのグループで行われます。この日は友人と3人、初めてお会いする方3人の計6人で参加しました。白杖を渡され、暗闇内は視覚障害を持つガイドさんがアテンドしてくれます。まず、控室に入るとガイドさんからツアーの説明が。ここでも、説明があるたびに「ハイ」と返事をする自分がいます。いつものように、うなずくだけではガイドさんに伝わりません。そして、暗闇内でお互いを呼び合うニックネームを紹介し合います。

 

暗闇内には携帯電話やカメラなど音や光の出るものの持ち込みは禁止。アクセサリーを外して(失くしたら探せないのです)、素足で入ります。ドキドキの90分間ツアーへ出発!
※画像はツアー時間外に撮影させていただきました。

 

 

中込さん イメージ画

暗闇内は撮影禁止なので、進んでいく様子はこんな感じ。白杖と手が触れるもの、足の裏で感じるもの、音や声がすべてです。実際は友人にしがみついて歩いていました(泣)。最初は1人で参加した方とも手をつないでいたのですが、悪いかな…と思って離すと、「離さないでください、怖い」と言われ、結果6人がくっつき合って進んでいったと思います。

 

内部はさまざまな仕掛けがあって、足元は芝や砂利、木などもありました。遠くで水の音が聞こえます。ここでは自分が知った情報を声で教え合うのがルール。「右に木があります」、「もう少しで床が砂利になるよ」というように。人に触れたら「〇〇(ニックネーム)です」と声を出します。

 

出足は1歩進むのもオロオロしていましたが、少し慣れてくると速く進めるように。そして、不思議なことに自分が人に頼っていながら、“助けてあげなきゃ”という気持ちが生まれてきました。「私につかまって!」みたいな。人とくっついているぬくもりがこんなにも安心するものなのか。戦時下のウクライナでは電気の通らなくなった防空壕で皆くっついているのかな…そんなことを考えました。

 

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は期間ごとにさまざまなプログラムを組んでいて、この日は暗闇内で、足湯につかりながらお茶をいただく内容も。ここでいったん白杖が回収されましたが、暗闇で手ぶらの不安なことといったら! 足湯の温かさや精油の香りにホッとしながら、お茶碗の素材や形、お茶の味が暗闇ではいつも以上に敏感に感じました。お茶碗や足湯桶を渡してくれるガイドさんの行動は、“見えてるの!?”っていうくらい的確。本当~~に頼りになります。

 

 

中込さん ムアツのスプレー

触覚、聴覚、味覚のほか、とりわけ研ぎ澄まされる感覚が嗅覚でした。私が参加したのは、昭和西川とタイアップした「午睡」というプログラム。「暗闇で寝たい」というファンからの要望で実現したもので、ツアーの後半にムアツプラスのマットレスでお昼寝が。

 

このマットレスには突起が並んでいますが、目で見て“突起がある”とわかって横たわるよりもはるかに浮かんでいるような背中の感覚が気持ちいい♡ そして、お昼寝タイムの終了時にガイドさんがまいてくれたアロマのいい香り…。ムアツのスプレーだと説明があり、“ああ、お目覚め用の新しい香りが発売されたのね”と思ったら、なんと私これ持っていました。このスプレーは日中のパフォーマンスを上げて夜の安眠に導くもので、眠りを誘うと言われているラベンダーは入っていません。暗闇では香りも違うものに感じるなんて! 日頃は目から入ってくる情報のなんと多いことか。青い容器で安眠ならラベンダーとか、黄色でリフレッシュなら柑橘系とか、固定概念にもずいぶん支配されているなと思いました。

 

 

中込さん 三井ガーデンホテル

ツアーを終えて明るい世界に戻ると、スッキリ感と見えることの有難さ、そして暗闇で感じた全身の緊張感、人とのつながりや思いやり。視覚以外の感覚で“見た”ものが多く、いろいろな感情が交錯してしばし呆然としました。

 

三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミアの「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」で開催されている「内なる美、ととのう暗闇」シリーズ。「午睡」は6月いっぱいで終了ですが、また別のプログラムを展開していくそう。東京・竹芝にも「対話の森」という常設施設があります。未知の体験をしたい方や、日常生活に疲れた時にここはオススメ。私もまた別のプログラムに参加してみたいと思っています。

 

 

 

プログラムのスケジュール確認や予約などは公式ホームページからできます。
●ダイアログ・イン・ザ・ダーク
https://did.dialogue.or.jp/

 

 

●三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア

https://www.gardenhotels.co.jp/jingugaientokyo-premier/

東京都新宿区霞ヶ丘町11−3

 

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