私は一年中お風呂につかる派です。夏でもシャワーで済ますなんてとんでもない! そのため入浴剤も大好き♡ いつも気分で選んでいる入浴剤ですが、種類によってどのように効果が違うのでしょう? 日本薬科大学の特任教授で、「お風呂教授」としても活動中の石川泰弘さんにお話をうかがいました。
「心地よい温度で湯につかると自律神経が整い、血の巡りをよくしてくれます。最近は天候が変わりやすく体調を崩す人も多いですが、心身が不安定になる五月病や、これからの夏バテや熱中症対策にもお風呂で体を熱に慣らしておくと予防になるのです。入浴剤は温浴効果を高めてくれるもので、お風呂での温活に効果的。その種類を大別すると以下の4つがあります。温まることによる血行促進や浴後の保温効果、そしてお肌の乾燥を抑えるなど狙った効果に違いがあります。目的によって使い分け、バスタイムをより良いものにしてください」。
*炭酸ガス系…お疲れ感や筋肉の凝りを緩和
*温泉成分系…冷え対策
*スキンケア系…保湿
*生薬系…温活や保湿など(生薬の種類による)
今回は4つの中から、炭酸ガス系と温泉成分系の入浴剤を紹介します。
炭酸ガス系の入浴剤は疲労回復を狙いたい人に!
「固形や粒状のもので、お湯に入れるとシュワシュワと泡が出るタイプ。お湯に溶け込んだ炭酸ガスが肌から入って血管に作用することで温浴効果が高まり、持続的な血行促進により筋肉がやわらぎます。皮脂など体の汚れはお湯につかるだけでもある程度は落ちますが、炭酸ガスの混ざったお湯では落ちやすくなるという実証データもあるのです。泡自体は、気持ちよさ以上の効果はそれほどありません」。
私はシュワシュワの泡が体に当たって疲労回復できる気分だったのですが!
お湯に完全に溶かしてから入浴するのが正解だそう。商品の裏、見てなかったです~!
炭酸ガス系の入浴剤でトップシェアの「花王 バブ」。お湯に溶け込んだ炭酸ガスが温浴効果を高めて、疲労や腰痛、肩こり、冷え性に効きます。“あったかベール成分(硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム)配合で、湯上り後もポカポカが長続き。種類が多いので、好みや気分に合わせてチョイスできます。アロマビーズ製法を採用し、フレッシュな香りが長続きするのもうれしい!
●バブ 至福の森めぐり浴(4種の香り×各3個セット)医薬部外品 ¥418※編集部調べ/花王
ドイツの療養泉として知られる自然炭酸泉クアオルトや、大分県の長湯温泉の天然炭酸泉と同等のお湯が自宅で楽しめる入浴剤。重曹とクエン酸を独自の製法で錠剤化し、重炭酸イオンを効率的に生み出します。ビタミンC配合で水道水の残留塩素を中和し、無香料・無着色のノンケミカル処方。自然洗浄力があるので、肌だけではなくバスタブもキレイに♡
*薬用 HOT TAB WELLNESS (45錠)医薬部外品 ¥3,960/HOT TAB
温泉成分系の入浴剤は効率よく温活したい人に!
「地表に湧き出る温泉には多彩なイオン成分が含まれています。このうち、入浴剤に利用されるのはバスタブへの影響がないもの。硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ガス、硫酸マグネシウムなどが一般的です。これらを有効成分として配合した入浴剤は温浴効果が高く、血の巡りをよくして持続させる働きをしてくれます。塩は塩化ナトリウムが主成分なので、バスソルトも温泉成分系の一種です」。
石川泰弘さんが監修した総合力の高い入浴剤。炭酸水素ナトリウムや硫酸ナトリウム、コハク酸などの温泉成分を含み、さらに加水分解コラーゲンとホホバ種子油を配合することで温浴効果と保湿が同時にかないます。炭酸ガスによる発泡タイプで、アミノ酸の1種であるアルギニンも配合しているので、スポーツなどで体を動かす人のリカバリーにもおすすめ。
●リカバスタブレット(40g×30個)¥6,270 ※初回限定トライアル(40g×10個)¥1,000
/ハイクラス
古代海水を精製した岩塩と天然ハーブの精油から作られた、おなじみクナイプのバスソルト。天然ミネラル豊富なお風呂で、香りを楽しみながら温活ができます。種類が豊富なので、気分や好みに合わせて香りを選べるのがうれしいところ。画像は安眠に導くホップ&バレリアンの香り、心身をリラックスさせるラベンダーの香りとサンダルウッドの香り、イライラを落ち着かせるロータス&ジャスミンの香り。いずれもジャーサイズと1回分の個包装があります。
(左から)
*クナイプ グーテナハト バスソルト ホップ&バレリアンの香り 850g ¥2,640
*クナイプ バスソルト ラベンダーの香り 850g ¥2,640
*クナイプ バスソルト ハッピーフォーミー ロータス&ジャスミンの香り 50g ¥165
*クナイプ バスソルト サンダルウッドの香り 50g ¥165
/クナイプジャパン
「お風呂教授」に聞きました! 入浴剤の始まりはいつから?
「健康のために植物をお風呂に入れる習慣があったという室町時代の記録がありますが、商品として初の入浴剤は明治30年に津村順天堂が発売した『くすり湯浴剤中将湯』。これは銭湯で販売していました。同社は昭和5年に夏用の入浴剤として温泉成分と生薬を配合した『バスクリン』を発売。一般家庭で入浴剤が使われるようになったのは、戦後の高度成長期に家庭にお風呂を持つようになった昭和30年代です。現在のように入浴剤の市場が拡大したのは、1983年に花王が疲労回復をコンセプトに『バブ』を発売したのがきっかけでした」。
私は子供の頃、『バスクリン』のオレンジの粉がお湯に入れると緑色になるのが楽しくて、溶かして遊んだ記憶があります。この頃から入浴剤好きだったのかな? スキンケア系と生薬系の入浴剤については、次回に紹介します。
花王 バブ公式ウェブサイト
https://www.kao.co.jp/bub/
HOT TAB公式ウェブサイト
https://hottab.co.jp/
リカバス公式ウェブサイト
https://recabath.highclass-inc.com/
クナイプ公式ウェブサイト
https://www.kneipp.jp/
石川泰弘さんプロデュース「日本薬科大学 漢方アロマコース」
https://www.nichiyaku.ac.jp/kampo-aroma-course/2023year/course/
インスタグラム@kurikobeautyでコスメ情報などを随時発信中。