カラー剤は進化しているとはいえ、やはり傷みはつきものです。しかもエイジングが進んだ髪はキューティクルが破損しやすいという事実も! 正しいケアでダメージと色あせを回避しましょう。
お話を伺ったのは
島津綾子さん
Ayako Shimazu
花王ヘアケア研究所の研究員。「黒髪メラニンのもと」で白髪を染める、花王リライズの商品開発を手がける、白髪ケアのエキスパート。
色あせを防ぐことはダメージ防止につながります
染めてもすぐに色が抜ける…。このとき毛髪では、髪の内側に入れた色素がキューティクルの隙間から流出する、という事態が起こっています。つまり髪が傷んでいると、褪色しやすいといえます。
そのダメージは単にヘアカラーをしているからとは言いきれません。生えてくる髪そのものが若い頃とは違うから、と花王の島津綾子さんは言います。
「大人の髪は若い髪よりカルシウムと結合する髪のタンパク質量が少ないことがわかっています。そのため構造的に弱く、キューティクルが損傷しやすいと考えられるのです」
褪色の原因はおもに洗髪。シャンプーと水でキューティクルが開き、中に閉じ込めた染料が抜けていきます。防ぐには、ヘアカラー剤でアルカリ性に傾いた髪を、弱酸性に戻すケアが大切。
「特にカラー当日のシャンプーはやめて。髪の中に入った染料が反応しきっておらず、抜けやすいのです」
翌日以降も、洗うほどに少しずつ流出するのは避けられないこと。せめて軽減する方法はないのでしょうか。
「ダメージケアは褪色予防と考え、キューティクルを締めるケアを心がけて。抜けたら、色を足すケアをすることもひとつの手です」
大人髪はここまでもろい!
大人髪と若い髪で毛髪が引っ張られたときに生じるダメージの違いを比較。若い髪はキューティクルがめくれ上がる程度だが、大人髪ではキューティクルが破損し、粉々に崩壊するような箇所が見られます
撮影/玉置順子(t.cube) 横山翔平(t.cube) 山田英博 モデル/中島春子 スタイリスト/日置 彩 取材・原文/伊熊奈美