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自分で白髪を染める「ホームカラー」は きれいに染まる?傷まない?色選びが難しくない? 大丈夫!ホームカラーはどんどん「手軽に&楽しく」進化中!「50代白髪調査隊がゆく! 白髪の悩みQ&A」

白髪お悩み歴15年。50代後半になってもいまだ白髪対策迷走中のセトッチが、白髪の悩みを解消すべく、各社の髪研究員に教えていただく連載。以前、自宅で、自分で白髪染めにトライしたものの、イマイチな染め方になってしまった経験を持つセトッチが、自分で白髪染めをする際のお悩みをぶつけてみました!

この回の質問に答えてくださった方

島津綾子
島津綾子さん
花王ヘアケア研究所 主任研究員

入社後7年、洗剤用酵素の研究を担当。その後、ヘアケア研究所にて、黒髪メラニンのもとを使った白髪染めの商品開発(リライズブランド)に10年携わる白髪ケアのエキスパート。 〔撮影:山田英博〕

田中二郎
田中二郎さん
アリミノ 研究開発部 総合研究所 基礎研究室兼業務管理室室長

2003年入社以来、美容室専売品のパーマ、ヘアカラー、ヘアケア、スタイリングの製品開発に従事し、ヘアケアブランド「コアミー」の開発も担当。現在は頭皮や毛髪の基礎研究のマネジメントを行っている。

 

泡タイプはホームカラー初心者&ぶきっちょさんの強い味方!

 

セトッチ:同年代の友人と集まると、白髪の話題になることが多いです。

みんな、「白髪染めをしても、2週間もすると生え際や頭頂部のチラチラが気になる~」というのが、悩みのようです。

でも、平日は仕事で遅いとか休日も家族の用事が続くとかで、サロンに行く日を確保するのも結構大変。

そうなると、やはり空いた時間にさっとできる「自宅での白髪染め」、いわゆる「ホームカラー」は心強い味方です。

 

ただ、「自分で上手に染められるか不安で、ちょっとハードルが高い」という人も多いです。私もそうでした。

実は私も以前、子どもがまだ小さかった頃、子どもを預けてサロンに行くのが難しくて、子どもがお昼寝している隙に、ホームカラーに挑戦したことがあったんです。

でも、実は私、超不器用かつ面倒くさがりで、ブローやヘアアレンジさえ大の苦手というレベル。

 

それでも、サロンで美容師さんがやっているように、髪をブロッキングして、毛束ごとに塗って、髪の内側まで塗るというのに挑戦したのですが、やはり難しくて…。

髪をかき上げると内側は全然染まっていなかったり、肝心の顔まわりの生え際は、根元ぎりぎりにカラー剤をつけることができなくて白いまま残っていたり。

鏡で見えていた前だけはきれいに染めたつもりでいたら、家族から「後ろ姿は白髪だらけだよー」と指摘されたことも…。

 

ということで、結局何回か挑戦しただけで、それ以降、自分で染めるのはもう諦めていました。

 

花王 島津:確かに、クリームタイプのホームカラーは慣れるまでは少し難しいかもしれませんね。

そこで、そういった初心者さんの「自分で上手にヘアカラーできない」というお悩みを解決すべく誕生したのが、泡タイプのヘアカラー。

もみ込むだけでOKなので簡単です。それでいて、根元や髪の内側まで、しっかり染まるよう設計されています。

 

セトッチ:わかります!

実は、30代のとき、自分で染めた苦い経験から「白髪染めはもう自分ではやらない!」と決めていたのですが、50代に入って、白髪染めをしたくなる間隔が短くなってきたときに、コロナ禍に突入。

サロンへ行くのをちょっと控えたくて、再びホームカラーに挑戦しようかなと思いました。

それで、いつも自宅で染めているという友人に聞いてみたところ、「泡タイプなら超簡単だよ!」とすすめられ、試してみたらこれが本当に簡単で…驚きました!

昔の失敗続きだったときの苦労が噓のようでした。

 

花王  島津:それはよかったです。

ちょっと手前みそになってしまいますが、泡タイプというのはホームカラー業界のイノベーションではないかと思っています。

2007年、弊社より、世界初の泡カラー「プリティア」が発売になりました。

2008年には白髪用「ブローネ」も発売になり、2009年以降は各社から泡カラーが発売され、その後、ホームカラーがどんどん盛んになっていきました。

〔上の写真:不器用なセトッチでも簡単に染められた、花王「ブローネ泡カラー」。超浸透泡で染め残しの心配なし!〕

 

セトッチ:いや、ほんとにあれはイノベーションです!

ビニール手袋をはめた手で、どんどん塗っていって、あとはクシュクシュッと全体をもみ込むようにすればOKなので、コームなども使わなくてもいいし、自分では見ることができない後頭部に塗るのもラクチンでした。

 

花王 島津:ホームカラーは、いかに、どんな人でも簡単に、家で、間違いなくきれいに染められるかということを目指して開発されたんですよ。

 

 

自宅で自分で染めると、美容師さんに嫌がられる?

 

セトッチ:ただ、ホームカラーに挑戦しようかなと思ったとき、ちょっと躊躇してしまう理由のひとつとして、次に美容室に行ったとき、美容師さんと気まずい雰囲気になったりしないかな…という心配がありました。

私は10年くらいずっと同じ美容師さんにお願いしていたので、「自分で染めてしまうのは失礼なのかも」というような、ちょっとした罪悪感のようなもの感じてしまっていました。

でもそれは気にしすぎでしょうか?

サロン専売商品の研究開発者として、日頃、多くの美容師さんとおつき合いのある田中さん、それについてはどうでしょうか?

 

アリミノ 田中:気まずい雰囲気になるということはないと思いますが…確かに。

ご自宅でご自分で染めると、次回、美容師さんが染めにくくなるというのはあるかもしれません。

美容師さんは、その方の髪色やご希望に合わせて、最良のカラーを選び、必ずカルテに使用した色の番号や、どのくらいの時間をおいてどんな染まり具合だったかなどをきっちりデータとして残しています。

そして、次にそのお客さまが来店された際には、そのカルテを見ながら、さらによい染め上がりになるように工夫して施術してくれます。

 

ですから、その間にご自宅でお客さまが選んだヘアカラー剤で染められてしまうと、次に来店した際に、そのカラー剤が髪に残っていて、どんな色を入れたらよいのかわからなくなってしまうんです。

「こんな色みになるはず」と思って使用したカラー剤が、髪に残っているカラー剤の影響で、違う色みになってしまうといったことが起きるのが、心配なのだと思います。

 

セトッチ:なるほど…。さすがプロですね。

美容師さんはそこまで、私たちの髪のことを考えてくれているんですね!

では、自宅で染めた場合、「このカラー剤で染めました」ということがわかるよう、商品の箱か何か持参するとよいでしょうか?

 

アリミノ 田中:もしかすると、参考になるかもしれませんね。

 

セトッチ:実は、美容師さんに「ホームカラーは傷むからやめたほうがいいよ」と言われたこともあるのですが…。

 

アリミノ 田中:ホームカラー剤が髪を傷めるということではないと思います。

ただ、ホームカラーとサロンでの白髪染めの違い、つまりサロンで染めるメリットは何かというと、それは美容師さんの技術。何もしなくても美容師さんがきれいに仕上げてくれます。

 

それと、ヘアカラー前、ヘアカラー中、ヘアカラー後といった感じで、徹底的にトリートメントをしてくれるということ。ダメージを極力減らすようケアしながら染めてくれるのです。

自宅だとそこまでのケアをご自分でするのは難しいので、「ホームカラーは傷むからやめたほうがいいよ」とおっしゃったのではないでしょうか。

 

セトッチ:確かに美容室では、雑誌を読んでいる間に「ヘアカラーもトリートメントも完了!」となるのはラクチンです。

それにヘアカラーの後は、トリートメントをいっぱいしていただいたせいか、逆に髪のコンディションがよくなっている気がします。

 

花王 島津:そうですね、カラーをする際のトリートメントはとても大事です。

最近では、ホームカラーにも多くのトリートメント成分が配合されていたり、アフタートリートメントがついていたり、ダメージをできるだけ軽減する商品になっています。

 

気をつけていただきたいのは、必ずヘアカラー剤に添付の説明書通りに使用していただきたいということなんです。

「時間をおけばおくほどよく染まるのではないか」と思われて、長時間放置してしまう方もいらっしゃるようなのですが、これはNGです。

 

セトッチ:確かに。サロンであれば、ちゃんと美容師さんが適切な時間で、何度も髪色をチェックしにきてくれて、これでOKとなったら、すぐに洗い流してくれますよね。

私もついつい長めに放置していました。20分と書いてあるのに、30~40分おいてみたこともあります。

友人の中にはテレビに熱中していて1時間も放置してしまった!という人もいました。

 

花王 島津:それはよくないですねぇ。カラー剤に使用されている染料は、キューティクルの間から髪の内部に浸透して、重合という化学反応により、染料同士が結びついて染まるメカニズムになっているのですが、時間を長くおきすぎることによって、脱色が進んで思い通りの髪色にならないことや、ダメージが進んでしまうことがあります。

 

そうなると、逆に染まりが悪くなりますし、髪のダメージも進んでしまいます。

 

セトッチ:きちんと説明書通りにやる、って大事なんですね。

ついつい、自己流でやってしまうのはダメージのもと! 肝に銘じておきます。

 

花王 島津:安全に染めるという意味でも、説明書の注意事項をしっかり守っていただくことが大切です。

例えば、ヘアカラーにかぶれる体質かどうかを調べる皮膚アレルギー試験、「パッチテスト」は必ず行うよう記載してあるのですが、きちんとやられていますか?

 

 

セトッチ:あ、それ…。最初はやりましたが、それ以降はしていないです。

美容室で染めても問題になったことがないですし、パッチテストで何か反応が出たこともないので、私はアレルギー体質ではないんだなと思って。

 

花王 島津:いえいえ、だめです。それまでまったくアレルギーが出なかった人も、ある日、突然反応が出るということがあります。

また、体調が悪くてそのときだけ反応が出ることもあります。染毛の2日前には、毎回必ずパッチテストを行ってくださいね。

〔上の写真:パッチテスト用ボードの一例。白髪染めを購入すると手袋などと一緒に入っています。これは花王「ブローネ泡カラー」のもの〕

スマホで楽しくカラー診断。似合う髪色を見つけよう!

 

セトッチ:それから、ホームカラーでもうひとつ難しいのは、やはり色選びです。

商品のパッケージに髪色の写真があったり、店頭のポップにも写真が掲示されていたり、色見本のような毛束が置いてある商品もありますが、実際に自分の髪でどんな色に染まるのか、イメージがわかなくて…。

 

花王 島津:セトッチさん! 時代は進んでいますよ。最近はスマホやパソコンで、カラー診断ができるんです。

スマホやPCのカメラでお顔を写していただき、その商品を使用した場合、どんな髪色になるかをシミュレーションできるんです。

こちらのURL(https://virtual-cosme.net/jp/blaune/shindan/)から、ぜひ試してみてくださいね。

 

セトッチ:これは、面白そう! 診断サイトの監修なんですね。

ぜひ、試したいです。

自分の顔の輪郭、唇や目の色などの簡単な情報をセレクトして、STARTを押す…。

 

たいていホームカラーは無難なブラウン系を選んでいるのですが、せっかくだから、ピンク系なんて自分では絶対に手にとらない色を試してみようかな。

 

あれっ? 意外とナチュラル! なんだかいい感じ!

 

 

 

 

若い頃にしていた明るめのカラーはどうかな…。

あ、これは好きな色みですねぇ。

 

 

 

 

もう少し、落ち着いた色み、上品な紫系も最近ちょっと憧れているんです。

あ、ほんのりラベンダーの色がつくのもいいですね。

 

 

白髪を自分で染めるなんて面倒だなぁって思いながら、仕方なくやっていたのですが、好きな色を選んで手軽に染められると思うと、なんだか白髪染めが楽しくなってきました!

 

花王 島津:「ブローネ 泡カラー」だけでも全22色。カラーバリエーションも豊富にそろっています。

ぜひ、ホームカラーを楽しんでくださいね!

 

 

取材・文/瀬戸由美子

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