ハイライトというメイクアイテム、40代、50代にはあまりなじみがないかもしれません。
存在は知っているけれど、使い方がわからない、昔は持っていたけれどうまく使えなかった、という人も。
しかし、広瀬あつこさんが大人の女性をメイクするとき、必ず使うのがハイライト。
なぜなら、顔立ちにメリハリを出し、生き生き感を自然に演出できるからなんだそう。
今回は、MyAge、OurAgeをはじめ、数々のメディアのメイク特集で活躍する、人気ヘア＆メイクアップアーティストの広瀬あつこさんが、ハイライトの選び方と入れ方をレッスン。
広瀬さんのメイクは、エイジング悩みを抱える女性をきれいに見せてくれるので、多くの大人女性から指名を受けています。
常識にとらわれず、その人らしい美しさを引き出し、無理なく若い印象に見せてくれると評判です！
ちょい足しで顔のメリハリ感がぐんとアップ！「中央ハイライト」とは？
ヘア＆メイクアップアーティスト 広瀬あつこ さん
今回ご紹介するのは、広瀬さんが自分のメイクをするときにも必ず使うハイライトと、入れ方のテクニック。
肌なじみのいいクリームタイプのハイライトをほんのちょっと足すことで、のっぺりした顔にメリハリが出て、スッとあかぬけた印象になります。
鼻根、鼻の頭、唇中央の輪郭に光を足す「中央ハイライト」で、鼻筋が通り、鼻の下のまのび感が解消されます
左は「中央ハイライト」なし。
その他のメイクは、リップ以外はすべて済んでいる状態です。
右の写真は、鼻根、鼻の頭、上唇の山と下唇の中央の輪郭部分にクリームハイライトを足した状態。
これらの「中央ハイライト」を入れることで、鼻筋が通り、鼻の下が短く見え、唇がふっくら見えます。
「メイクの仕上げに『中央ハイライト』で光をちょい足しすることで、中高（なかだか）な顔立ちに。エイジングやマスク生活により、たるみやむくみで鼻がボテッとしてしまった人が多いと思いますが、鼻筋が通り、薄くなった唇がめくれたようにぷっくりして、鼻の下のまのび感が目立たなくなります。顔の中央に光がともるので顔立ちも生き生き。肌全体のハリ、ツヤ感が増した印象になります」（広瀬さん）
「ハイライトにもいろいろありますが、40代、50代には、狙ったところにピタッと密着するクリームタイプのものがおすすめ。シャンパンベージュなら肌なじみがよく、いかにもハイライトを入れました、という感じになりません。しかも指で簡単につけられるから便利です」（広瀬さん）
（１） 鼻根と鼻の頭にハイライトを入れます
小指にハイライトを取り、広げすぎないように
クリームハイライトを小指の先に取り、目と目の間に位置する鼻筋の一番低いところ「鼻根」、および鼻の頭にのせます（ピンクの丸を付けた２か所）。
ピンスポットライトのように狙いを定め、小さい範囲で光を足すことで鼻筋がスッと通ります。
鼻根のハイライトは、メイクのプロが実践！魔法の若返りテク 〈第６回〉 で同じクリームハイライトを使って入れた、目頭のハイライト（水色の丸）と横並びになるようにするのがポイント。
３つの小さなハイライトが並ぶことで、その間（水色の斜線部分）に影ができ、鼻筋がくっきりと浮かび上がるという仕掛けです。
（２） 上唇の山、下唇の中央にハイライトを
唇をふっくら見せ、「人中」を短縮する効果が
クリームハイライトを小指の先に取り、上唇の山の輪郭を「Ｍ字」状になぞります。
さらに、２か所の山のてっぺんからスッと上に向かって光を延長させるようにのばして。
こうすることで人中（じんちゅう）（鼻の下の縦の溝）の影が際立ち、鼻の下が短く見えます。
下唇の中央の輪郭部分にもハイライトを。
上下唇の輪郭に光を足すことで、40代、50代になると薄くなってしまう唇が、ボリューミーな印象になります。
●ここで使用したコスメ
「さりげなく輝きをちょい足しできる、シャンパンベージュのハイライト。今回ご紹介する『中央ハイライト』は、狙った位置に、正確かつ小さい範囲で効かせるのがコツ。ピタッと密着するクリームタイプがおすすめです」（広瀬さん）
このコスメは、メイクのプロが実践！魔法の若返りテク 〈第６回〉 のアイメイクでも使用。
いろいろなところにつけることができて、マルチに活躍するアイテムです。
フジコ ミニ ベール グロウ ￥1,210／かならぼ
鼻筋が通り、唇がふっくら見えると、若々しさとともに美人度がアップ。
ほんのちょっとのことですが、メイク効果はてきめん。ぜひお試しください。
──全８回にわたってヘア＆メイクアップアーティスト、広瀬あつこさんが実践するメイク術をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか？
最後に広瀬さんから、40代、50代のOurAge世代に向けてのメッセージです。
「メイクには『こうでなければいけない』というルールはありません。20代、30代に覚えたメイク法は、年齢を重ねるごとに合わなくなり、ともすると流行遅れになっていたりします。これまでのメイクをいったんわきに置き、第１回～第８回でお伝えしてきたような「はずしのテクニック」に挑戦していただくと、若々しい顔、生き生きとした顔を再発見できるはず。ちょっと忘れかけていた、メイクの効果と楽しさを実感していただけると思います」（広瀬さん）
「メイクは若者のためだけのものではなく、むしろ大人の女性を『年齢を重ねるほどに輝かせるためのもの』だと私は思っています。大人の女性が輝くメイクは、決して難しいものはありません。だれでも簡単にできます！ ぜひ常識の殻を破って、気軽に新しいメイクに挑戦してくださいね。記事をご覧いただき、本当にありがとうございました」（広瀬さん）
撮影／藤澤由加 ヘア＆メイク・モデル／広瀬あつこ 取材・文／小田ユイコ
【教えていただいた方】
大物女優や人気モデル、著名美容家から指名が殺到するほどの人気。さまざまな女性向けメディアの美容企画で、誰でも簡単に真似できて美人になれるメイクテクニックを紹介していて好評。著書に『スマイルメイク』（世界文化社）。
