老化やマスク着用の影響で、たるんでしまった頰の丸みと位置を元通りに。
まのびした「中顔面(ちゅうがんめん)」を短縮して、
生き生き感のあるハッピーな顔立ちに!
MyAge、OurAgeをはじめ、数々のメディアのメイク特集で活躍する、ヘア&メイクアップアーティストの広瀬あつこさん。
広瀬さん自身が日々実践しているエイジングケアメイク術をご紹介する連載です。
広瀬あつこさんは、大人女性からも多くの指名を受ける人気のヘア&メイクアップアーティスト。
大人を生き生きと美しく変身させる天才です。
常識にとらわれない少し大胆なメイクテクニックで、エイジングが進んだパーツを修正し、無理なく若い印象に見せてくれます!
この連載では、「ちょっとだけズルい」目からウロコのメイクテクニックが炸裂。
顔立ちのエイジングでメイクに悩む大人女性の皆さんに「そんな手があったのか!」と大好評です。
今回のテーマは「頰の丸みと位置」の復活メイク。
以前は高い位置でふっくら丸みを帯びていた頰が、いつのまにかダル〜ンとたるみ、のっぺり平らに。
顔が縦に長くなっただけでなく、なぜか疲れて寂しそうな印象に。
ダル~ンとまのびした頰に
若々しい丸みが復活! 真顔でも高い位置に
この連載の第5回でもご説明したとおり、40代、50代になると「中顔面 (ちゅうがんめん)」ゾーンがまのびします。
その原因は、肌が弾力を失い、頰の脂肪の重みを支えられなくなって、ダル~ンとたるむから。
中顔面とは、目から唇の上までの帯状のゾーン。
「『中顔面』が長くなると、年齢より上に見られ、逆に『中顔面』が短いとフレッシュな印象に。
マスク生活で一気に老けたと感じたのは、頰の丸みがくずれて、たるみゾーンに変化し、顔立ちにメリハリがなくなったからなんです」と広瀬あつこさん。
「キツネスマイル」で頰に丸みと高さを形状記憶。
「母指球(ぼしきゅう)チーク」で生き生きとしたハッピーフェイスに
左の写真は、真顔の広瀬さん。
頰が縦に長く見え、寂しげなお疲れ顔に見えます。
右の写真は、メイク前のウォーミングアップ「キツネスマイル」をしたあと、にじみ出るようなチークの秘策、「母指球チーク」で頰に丸みと高さを出した広瀬さん。
中顔面がキュッと縮まって若見え。
真顔でも、まるで微笑んでいるようなハッピー感があります。
■プロセス1
たるみゾーンを
すくうように手をあてる
手をパーに開き、親指をほうれい線にあてます。
親指をほうれい線にあてたまま、人差し指を目尻にあて、中指は目の下の涙袋の下に置いてキープ。
親指と中指、薬指で円をつくり、両手を「キツネ」の形にします。
親指と中指、薬指で頰をホールドしながら、“キツネさん”の形ができていればOK。
その状態で、にっこりスマイル!
下まぶたを持ち上げ、頰に高さを出すことを意識して。
このまま10秒ほど置きます。
手を離すと、下まぶたと頰が持ち上がり、形状記憶されて、スマイル顔をキープできます!
「女優さんやモデルさんに至近距離で接するヘアメイクという仕事柄、今でもマスク着用は必須。
マスクで頰は常に押され、中顔面のまのびと戦う日々。
そんな中、頰の丸みと高さのリセットのために始めたのが『キツネスマイル』。
だらけていた頰の筋肉に刺激が入り、キュッと頰がリフトします」
メイク前はもちろん、顔写真を撮る前、鏡を見てダル~ンと下がった頰が気になったとき、いつでも「キツネスマイル」で頰をリフトアップさせましょう。
■プロセス2
クリームチークを
「母指球」でスタンプづけ
使用するのはリキッドタイプのチーク。
これを、手のひらの親指のつけ根の母指球に、少量出し、両手の母指球をこすり合わせると、両手に「母指球スタンプ」が完成。
右手の母指球を左の頰に、左手の母指球を右の頰に、数回押しあてます。
親指の脇が下まぶたに触れるくらい、高い位置に。
このとき鼻の下をグーッと伸ばして、頰を縦にストレッチするのがコツ。
手を離して顔を元に戻すと、より高い位置に丸みが出ます。
「リキッドチークを直接、頰に塗布したり、指の先でつけると、つけすぎてしまったり、下の方まで広がってしまいがち。
『母指球チーク』だとその失敗がなく、頰の丸みと高い位置を簡単につくり出せます。
しかも、母指球のクッション性と体温で、にじみ出たような自然な血色感に仕上がりますよ」
●ここで使用したコスメ
「丸みを帯びたツヤ頰に仕上がるリキッドチーク。
特に02799は、NARSのチークの定番『ORGASM』というカラー。
若々しさと生き生き感が間違いなく備わります」
ヒアルロン酸やビーガンコラーゲンを配合し、カサつきやすい頰に潤いもプラス。
● NARS アフターグロー リキッドブラッシュ 02799 ¥4,620/NARS JAPAN
──広瀬さんから、40代、50代のOurAge世代に向けてのメッセージです。
「『キツネスマイル』のプロセスに、これってメイクじゃないのでは?と思った方も多いはず。
でも、この連載で何度かお伝えしているように、40代、50代になったら『ちょっとだけズルいテク』を総動員して、理想の顔立ちに近づけることが『メイク』だと私は考えています。
常識にとらわれず、メイクコスメの力だけに頼ろうとせず、あれこれ工夫してみると、想像以上の若返り効果が!
人生100年時代といわれますから、まだまだ老けてなんていられない!
メイクをアップデートして、若見えを一緒に楽しみましょう」
撮影/藤澤由加(人物) ヘア&メイク・モデル/広瀬あつこ 取材・文/小田ユイコ
【教えていただいた方】
大物女優や人気モデル、著名美容家から指名が殺到するほどの人気。さまざまな女性向けメディアの美容企画で、誰でも簡単に真似できて美人になれるメイクテクニックを紹介していて好評。著書に『スマイルメイク』(世界文化社)。 撮影/天日恵美子