エイジングやマスク着用の影響で
だらしなくのびてしまった鼻の下をキュッ!
「鼻の下短縮メイク」で老け見えを解消
MyAge、OurAgeをはじめ、数々のメディアのメイク特集で活躍する、ヘア&メイクアップアーティストの広瀬あつこさん。
広瀬さん自身が日々実践しているエイジングケアメイク術をご紹介する連載です。
広瀬あつこさんは、大人女性からも多くの指名を受ける人気のヘア&メイクアップアーティスト。
大人を生き生きと美しく変身させる天才です。
常識にとらわれない少し大胆なメイクテクニックで、エイジングが進んだパーツを修正し、無理なく若い印象に見せてくれます!
この連載では、「ちょっとだけズルい」目からウロコのメイクテクニックが炸裂。
顔立ちのエイジングでメイクに悩む大人女性の皆さんに「そんな手があったのか!」と大好評です。
今回のテーマは「鼻の下短縮メイク」。
年齢とともに鼻の下がのびたように感じるのは、鼻、口まわりの筋肉の衰えが原因。
小鼻や唇を引き上げる筋肉がダラ〜ンとハリを失い、頰の下垂に引きずられてしまうのです。
すると鼻の下がまのびし、口角が下がって「への字」口に。
人中(じんちゅう)という鼻の下の溝が平坦になり、上唇が内側に巻き込まれたように薄くなります。
まのびした鼻の下がキュッと短縮!
口角が上がり、上唇にプリッとした立体感が復活
広瀬さんも、鼻の下のまのびを実感しているひとり。
ヘアメイクという仕事柄、マスクをして仕事をする機会も多く、隠れた口元がどうしても緊張感を失い、ふと気づくと鼻の下が長くなっていたといいます。
「原因は、皮膚のたるみもありますが、鼻、口元の表情筋の衰えが大きいと思います。
衰えてしまった筋肉に効果的なのは、体同様、筋トレ。
鼻の下のまのびを感じたらエクササイズは欠かせません」と広瀬あつこさん。
「それと、鼻の下を短く見せるのに重要なのが、実はリップメイク。
鼻の下がまのびしているのに適当にリップを塗ると、色によっては唇が引き締まって薄く見え、かえって鼻の下の長さを強調してしまいます」
「大事なのは口角へのひと工夫と、輪郭の取り方!
ここに『ちょっとだけズルいテク』を仕込むことで、鼻の下はキュッと縮まり、上唇ふっくら。
驚くほど若見えしますよ」
口角に上向きの「影」を。
ハイライトペンシルで輪郭を取り、唇をふっくらさせて
鼻の下が短縮したように見せます
左の写真は、「鼻の下短縮メイク」をする前の広瀬さん。
右の写真は、鼻の下短縮エクササイズを行い(下で紹介します)、口角に上向きの影と、唇の輪郭にハイライトペンシルをこっそり仕込んだメイク後の顔。
鼻の下がキュッと短くなり、口角が上がって唇もふっくら。
頰の縦長感まで短縮して見え、フレッシュでかわいい印象に!
■プロセス1
鼻の下にペンをはさみ、
「ひょっとこ口」エクササイズ
鼻の下にペンをはさみ、ペンが落ちないよう、唇をひょっとこのようにグイッと前に突き出します。
そのまま10秒キープ。
初めのうちは、ペンを支えられずに落ちてしまうかもしれませんが、それは鼻から口元にかけての筋肉が衰えている証拠。
「私はこの『ひょっとこ口 エクササイズ』を、メイク前はもちろん、鼻の下のまのびを感じたら即行っています。
続けるうちに楽勝ではさめるようになり、すると口元の動きもよくなって、鼻の下のまのび感がなくなってきました。
皆さんもぜひ、やってみてくださいね」
■プロセス2
口角に淡いブラウンのシャドウを入れて
斜め上方向に「3mmの影」を
ベージュを少し濃くしたくらいの、淡いブラウンのアイシャドウを細いチップに取り、口角から斜め上方向に、3mmだけ影を入れます。
「こうすることで、鼻の下のまのびにともなって下がった口角が、上向きの印象に変わり、口角の上のあたりのもっさり感も解消します」
●ここで使用したコスメ
上のメイクで使用したのは、4色パレット右上の、肌より2トーンくらいダークで赤みの少ない、淡いブラウンシャドウ。
トレンドを問わず「素の肌を生かす」よう設計された、大人の女性必携のブラウン系パレットです。
通常のアイメイクでも大活躍します。
これ以外でも、手持ちのブラウンシャドウがあったら、それを利用してもOKです。
パール少なめのもの、またはマットなものを使うのがおすすめ。
●ナチュラグラッセ アイカラーズ 01 ¥4,290/ネイチャーズウェイ
■プロセス3
リップペンシルで
上唇にめくれたような輪郭を
ベージュのリップペンシルで、上唇の輪郭をなぞり、プロセス2で入れた「3mmの影」の上端とつなげます。
下唇も同じリップペンシルで輪郭をなぞり、「3mmの影」の下端(口角)とつなげて。
「ジャスト輪郭ではなく、輪郭の外側をなぞるようにすると、淡いベージュが膨張色のため、唇がふっくら、めくれたようになります。
鼻の下が短縮して見えるコツです」(広瀬さん)
●ここで使用したコスメ
淡いベージュなので、肌なじみがよく、輪郭をなぞることで自然とボリューミーな唇に。
密着力が高く、よれにくいリップペンシル。
するすると描け、ひと塗りで思い通りの輪郭に。
● b idol 1moreペンシルR 02 ¥1,430/かならぼ
──広瀬さんから、40代、50代のOurAge世代に向けてのメッセージです。
「第8回の『だんご鼻解消メイク』に続いて、今回は『鼻の下』にフォーカス。
私が鼻のメイクにこだわるのは、顔の中心に位置するから、どうしたって人の目に入り、エイジングが進めばそれが際立ってしまうからなんです。
鼻の下のまのびって、どうにもならないとあきらめてしまう人が多いようです。
でも、だからこそメイクのひと工夫で短くできれば、同世代の中でも大きな差がでるはず。
アイメイクやチークに負けず劣らずの若見え効果、ぜひ体験してみてください。
鼻の下がまのびしていると口角も下がり、不機嫌な顔に見られがち。
『鼻の下短縮メイク』を実践すると、いつも笑顔の印象になり、人から話しかけられやすくなるはず。
メイクはきれいになるだけでなく、コミュニケーションのツールにもなります。
今までやったことがないテクニックにチャレンジすれば、人づき合いの幅も広がりますよ」
撮影/藤澤由加(人物) ヘア&メイク・モデル/広瀬あつこ 取材・文/小田ユイコ
【教えていただいた方】
大物女優や人気モデル、著名美容家から指名が殺到するほどの人気。さまざまな女性向けメディアの美容企画で、誰でも簡単に真似できて美人になれるメイクテクニックを紹介していて好評。著書に『スマイルメイク』(世界文化社)。 撮影/天日恵美子