【お話を伺った方】
美容業界で活躍して50年以上という、業界の重鎮。大手化粧品メーカーで商品開発、マーケティングなどを担当し、多くのヒット作を手がけたのち、独立。現在は美容コンサルタントとして講演やセミナー、商品開発・美容教育アドバイスなど多方面で活躍。化粧品の基礎から製品化までを研究してきた多くの経験をもとに、スキンケアを中心とした美容全般をわかりやすく解説し、正しい美容情報を発信している。
美容液編、クリーム編を経て男爵にいろいろ教えていただき、劇的に肌のコンディションが整ってきたシマコ。「スキンケアは応えてくれる！」と55歳にして人生最高のモチベーションに。しかし、ファンデーションまでは手薄（手抜き⁉）。ベースメイクをしてもシミはうっすら見えてるし、色もくすんでいるような。もっと正しくファンデーションを知りたくなりました。これは男爵に聞いてみなければ。
どんなにきれいな素肌よりきれいに見えるのがファンデーション
シマコ：男爵、こんにちは。またまたお世話になります。今回はファンデーション連載です。手抜きメイクのシマコにご指南ください。まず、ファンデーションの役割を教えていただきたいのですが。
男爵：ファンデーションは本当に進化していますから、シマコさんもメイクが楽しくなるはずですよ。OurAge世代の皆さんがファンデーションを使い始めたのはおそらく20年、30年くらい前だと思います。その頃のファンデーションと今のファンデーションは別物というくらい、使い心地や仕上がりのよさが違いますので、ぜひアップデートしてください。
まずファンデーションの役割ですが、肌色をきれいに見せること。これに尽きます。
シマコ：最近、50代でも素肌自慢！ みたいな人もいますが、やはりファンデーションをつけたほうがきれいに見えるのでしょうか。
男爵：はい。絶対にきれいに見えます。素肌よりも、さらにきれいに見えます。
ファンデーションは色の粉からできていて、基本的には鉱物の微粒子です。それをつけることで地肌にベールをかぶせたようになる。昔は白い粉で地肌を隠していたりしましたが、今のファンデーションは肌色を生かしながらその上に色を重ねてきれいに見せます。その色の組み合わせと技術がかなり進化しています。
シマコ：素肌派の人はファンデーションが肌に負担になると考えている人もいるようですが…。
男爵：それは30年くらい前の話で、今どき肌の負担になるファンデーションはありません。
昔は今よりも粉体の粒子が荒かったので肌あたりをストレスに感じることがありましたが、今は微粒子。きめ細かいので肌あたりがよく、きれいに見えるんです。安全性も十分にクリアされているので、肌に悪いなんてことはありませんよ。むしろ美容液ファンデなど、スキンケア効果の高いものもありますから。情報もアップデートしてくださいね。
シマコ：すみません（汗）。それと、ファンデーションはUVケアのために使っているという人も多いと思います。何を隠そう、私もその一人です。
男爵：確かに今のファンデーションはほぼ、SPF（Sun Protection Factor：紫外線防御効果）がありますが、UVケアはファンデーションの前の下地で行うのが基本です。ファンデーションの役割はあくまでも肌をきれいに見せること。UVケアは健康肌のためのお守りのようなものです。
シマコ：なるほど、そうだったんですね。今回は、パウダリーファンデーション3点を選んでいただきましたが、OurAge世代は「乾燥が気になるのでパウダーは使わない」という人もいます。これも都市伝説ですか？
男爵：都市伝説です。この時代、顔に塗って乾燥するようなファンデーションはありませんよ！
もし乾燥すると感じるなら、それはスキンケアに問題ありです。パウダリーファンデーションは粉体を油分でコーティングして、ギュッと固めたもの。このコーティング技術が進化して、パウダリーでもしっとりつややかな仕上がりが可能になったんです。
今回おすすめする3点も、OurAge世代におすすめのパウダリーファンデーションです。
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◆湿度感のある美肌へ
アルビオン
アルビオン スタジオ ビューティアス ファンデーション
パウダーが溶け込むように密着して肌に均一な膜を形成。美容成分のトリートメント効果により、しっとり潤いのある肌に。また“調光パウダー”が光の量をコントロール。塗るだけで陰影を際立たせ、立体感引き立つ仕上がりに。SPF15・ PA＋＋＋ 9g セット価格￥5,500
男爵：アルビオンの中にもブランドはいくつかありますが、この「アルビオン スタジオ」は2年前にデビューして愛されているブランド。僕は昔、アルビオンにいましたから、このメーカーのよさは僕のお墨付きです。そして、お客さまに丁寧に商品を説明するメーカーの姿勢も信頼できます。スキンケアに強いメーカーですが、だからこそ肌を美しく見せるファンデーション作りにも定評がある。ぜひカウンターに足を運んでみてください。とても丁寧に教えてくれるはずです。
◆クリーム生まれのパウダーでしっとり
インウイ
パウダーファンデーション
光と影の技術を集結させた「高機能複合粉末体」で自身の骨格や血色感、肌の質感まで引き立て、つややかな透明感をかなえる。自分の肌と一体化したようになめらかに密着し、均一で自然なツヤ肌に。「個」の価値観を大切にしたい人へ。SPF30・PA+++ 13ｇ ￥5,500
※4月17日より新価格（¥6,050）／資生堂
男爵：資生堂らしい赤のブランドカラーが気分を高揚させ、メイクアップを意識させますよね。ブランド名のＩＮＯＵＩ（インウイ）はフランス語で「比類ない」という意味。自分が生まれ持つものを生かして「自分美」をつくるブランドです。資生堂の中でもメイクアップに特化したブランドと見ていいでしょう。研究開発力の高さは言うまでもありませんから“資生堂のメイク”の実力を試してみたい人におすすめです。
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◆しっとり密着して13時間化粧もち
エスプリーク
シンクロフィット パクト ＥＸ
すべての粉体をしっとりフィット成分でコーティング。どんなコンディションの肌にもしっとり密着するため、しっかりカバーするのに自然な仕上がりと化粧もちを実現。表情の動きに合わせて形を変える柔軟性と、汗や皮脂をはじきやすくする「スーパー化粧のり成分EX」配合。さらに、厚塗り感のない「ピュア肌カバーパウダー」と高いソフトフォーカス効果のある「毛穴ぼかしパウダー」Wの効果で毛穴、色ムラをしっかりカバー。SPF26・ PA++ 9ｇ ￥4,180（編集部調べ）／コーセー
男爵：エスプリークはコーセーグループですが、僕は昔、コーセーの研究所でコーセーの研究所でファンデーションも作っていました。コーセーは何がスゴイって、粉体のコーティング技術に優れているんです。このシンクロフィットもその技術で自然なカバー力と化粧もちのよさをかなえてくれます。今は本当に技術力が向上して、パウダリーだから乾燥しやすいなんてことはありません。ぜひ仕上がりの美しさを体験してください。
シマコ：ファンデーション連載第1回目、今回も気づきが満載でした。OurAge世代の肌でも、パウダリーでしっとり肌がつくれる！ もし今使っているファンデーションの仕上がりに不満があったら、男爵おすすめのファンデを使ってみると、きっと目からウロコですね。ありがとうございました。
取材・文／島田ゆかり イラスト／カケハタリョウ
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