【お話を伺った方】

美容業界で活躍して50年以上という、業界の重鎮。大手化粧品メーカーで商品開発、マーケティングなどを担当し、多くのヒット作を手がけたのち、独立。現在は美容コンサルタントとして講演やセミナー、商品開発・美容教育アドバイスなど多方面で活躍。化粧品の基礎から製品化までを研究してきた多くの経験をもとに、スキンケアを中心とした美容全般をわかりやすく解説し、正しい美容情報を発信している。
リキッドファンデーションはツヤ感が出ていいのだけど、手が汚れるのがいや(スポンジorブラシを使えばいいのだけど…)。だからつい敬遠してしまう。そんなシマコに「ファンデーション選びはそんな感じでいいんです!」という男爵。とはいえ、男爵おすすめのファンデはどうしても使いたくなる…。
ファンデーションはTPOに合わせて選ぶのも楽しい
シマコ:男爵、こんにちは。今日はリキッドファンデーションについて教えてください。私がファンデーションを使い始めた頃は、リキッドファンデーションやクリームファンデーションってあんまりなかったような気がします。みんなパウダリーだったような…。
男爵:前回も少しお伝えしましたが、ファンデーションは粉体と油を混ぜたもの。舞台メイクなどで使われている「ドーラン」はまさに油性ファンデーションで、実はパウダリーファンデーションよりも歴史は古いんです。ただ、一般的なメイクアップアイテムとしてはマックスファクターの固形ファンデーションが登場して、以降「ケーキタイプ」というコンパクトのものが普及しましたので、シマコさんがメイクデビューした頃はパウダリータイプが主流だったかもしれませんね。
シマコ:結局、そのままパウダリー派でこの年齢まで来てしまいました(最近はクッションファンデ好き)。でも本当はリキッドファンデ、クリームファンデも使いこなしたいんです。
男爵:それぞれの特徴はありますが、基本的にファンデーション選びは「好み」でいいんですよ。
シマコさんのように「リキッドファンデは手が汚れるから嫌」という理由で別のものを使うのでも全然いいんです。今はどのファンデーションを選んでも仕上がりはかなりきれいになりますから。
とはいえ、それぞれの特徴は知っておいてもいいですね。
僕はファンデーションもTPOに応じて使い分けることをおすすめします。「今日はこんな肌になりたいな」という気分で、ツヤ感のあるリキッドを使ったり、カバー力の高いクリームタイプにしたり。なりたい肌になるのは難しいことじゃないんですよ。
パウダリーファンデーションは簡単に言うと粉体を油でコーティングして固めたもの。これは前回ご説明しましたね。
リキッドファンデーションは、粉体に水分と油分を混ぜたもので、のびがよく、ツヤ感があってみずみずしい仕上がりが人気です。
最近は美容液に粉体を混ぜる「美容液ファンデーション」と呼ばれるものも増えてきました。「ヨレやすい」と敬遠する人もいますが、最近のリキッドファンデーションのフィット感は目を見張るものがあります。
クリームファンデーションの原料は粉体と油分。カバー力があり、密着度が高いのが特徴ですが、こちらも最近は透明感のある自然な仕上がりになるクリームファンデーションも増えてきました。
昔は「色がくすみやすくなる」とクリームタイプを好まない人もいましたが、今はそんなことはほとんどありません。
記事が続きますどのタイプのファンデーションでも、素肌よりきれいに見えて、メイクもちもよくなっています。スティックタイプはクリームファンデを固めたものというカテゴリーでよいでしょう。
では。どれを選べばよいかというと、私がおすすめするポイントはカバー力と色。そして大人の肌ならツヤ感。そんな観点から、リキッドタイプはOurAge世代にぴったりなんですよ!
フィット感があり、肌色をきれいに見せる3点をご紹介します。
◆12種の美容成分を贅沢に配合
コスメデコルテ
ゼン ウェア グロウ
丁寧に時間をかけて磨った墨のように均一で、薄くならかにのび広がり、つややかで深みのある質感に。
ムラなくぴったりフィットする「ツヤポリマー」、ダイヤモンドのように光を取り込む「ツヤオイル」、そして強い膜を作り24時間の化粧もちを実現。
さらに、潤いと透明感を与えるスキンケア成分配合で、美しい仕上がりが続く。SPF20・PA++ 30ml ¥7,700
男爵:カバー力、メイクもち、スキンケア成分配合と、すべてを兼ね備えたリキッドファンデーションです。美容液ファンデと言っていいでしょう。トリートメント効果がありながら、カバー力が高いのがスゴイところ。コスメデコルテの「リポソーム アドバンスト リペアセラム」はいくつもベストコスメを受賞している名品ですが、そのブランドのリキッドファンデーションは使ってみる価値があると思います。別格のみずみずしさを体験してみてください。
記事が続きます
◆笑っても動いてもメイク直しを気にしない
SHISEIDO
シンクロスキン セルフリフレッシング ファンデーション
資生堂独自の「アクティブフォース™プラス テクノロジー」を搭載。素肌とシンクロし、皮脂や表情の動きが引き起こす化粧くずれを防ぎます。
肌を取り巻く環境*1に対応しながら、フレッシュで美しい仕上がりが24時間持続。SPF35・PA++++ 30g ¥6,600
*1 乾燥、紫外線、ブルーライト、花粉・ちり・ほこりなどの微粒子のこと
男爵:「シンクロ」という名前のとおり、肌とのフィット感を非常に重視した商品です。リキッドファンデーションは美容液の中に粉体を入れているものも多く、トリートメント効果をいちばん実感しやすいのですが、「シンクロスキン セルフリフレッシング ファンデーション」はそれに加えてメイクもちのよさがかなり優れています。さすが資生堂といったところ。やはり新製品は積極的に使ってみることをおすすめします。従来のものより進化して、よりきれいに仕上がるようになっていますので。
◆美容液ファンデーションの新常識
シュウ ウエムラ
アンリミテッド ケア ツヤ セラム ファンデーション
美容液成分のナイアシンアミド(保湿成分)をシュウ ウエムラの最高峰レベルで配合。洗顔後も潤い持続。
さらに、ファンデーションで使用する「白・赤・黄・黒」に加えて、ウルトラマリンブルー(青)を配合。この「ブルーテクノロジー」により、色ムラの統一、高いカバー力が実現しました。思い通りに肌を操り、上品なツヤ肌へ。35ml ¥7,480
男爵:シュウ ウエムラはメイクアップブランドですから、スキンケア主流のブランドと比べて色展開、肌色の出し方にかなりこだわりを持っています。このファンデーションも20色展開で、僕が試しても隣の色との違いがわからないくらい。でも、その微細な色の違いにはすべて意味があって、きちんと理論があるんです。さらに粉体にブルーを入れたのはさすがです。ぴったりの肌色を選んでくれる独自のカラーカウンセリングは楽しいしためになるので、ぜひ受けてみてください。
シマコ:今や「メイクくずれ」も都市伝説というくらい、フィット感やメイクもちが抜群によくなっているんですね。まずは長年染みついた「私はコレ」という固定観念や習慣を塗り替えたいと思います。
取材・文/島田ゆかり イラスト/カケハタリョウ
★コスメ男爵OKABEこと岡部美代治さんの著書『正しく知る・賢く選ぶ 美容成分大全』(ナツメ社)はこちら!