美しくなることの楽しさを知れば、きっと人生は変わるはず。
キレイをあきらめるには、人生は長すぎます
~書籍「十和子道」P47より~
<担当編集者からみたこの言葉の背景>
「そもそも十和子さんが美容に興味を持ったきっかけは何ですか」
こう尋ねたのは今を遡ること10数年前。
「コスモポリタン」という雑誌の取材でのことだった。
眉、チーク、髪というように毎回テーマを決め、メイクの心得やおすすめのコスメを十和子さんに紹介してもらう連載があり私はその担当編集者だった。
この連載のすごいところは撮影の際のメイクが毎回十和子さん自身によるセルフメイクということ。
そのときに使用したコスメはブランドと品番をすべて掲載した。
なぜかというと連載開始前、単発で十和子さんを取材したとき、その記事が掲載されている雑誌が発売されるたび
「この写真の口紅(チーク、アイシャドウ)はどこのものを使っているのか教えてほしい」
という読者からの問い合わせが多かったからだ。
ならばこの連載では最初から誌面に全部載せてしまおう、と考えた。
このスタンスは「十和子道」をつくる際にも踏襲し、「十和子道」の巻末では主な写真とその撮影のときに使用したコスメのブランドと品番を紹介する『本書の撮影で使用した十和子さんのポイントメイクコスメ』というページを用意してある。
現在は十和子さんのコスメブランドFTCのクリエイティブディレクターで美容家である十和子さん。
だが当時は夫・誉幸さんの仕事(服飾を扱っていた)を手伝い始めたとはいえ、二人の娘さんの子育て真っ最中の主婦。
意外だったのは通いのお手伝いさんもベビーシッターも君島家にいなかったこと。
睡眠時間も短かったのだろう、目がうっすら充血しているときもあった。
そんな中引き受けてくれたこの「コスモポリタン」の連載は十和子さんのメイクのポリシーだけではなく旬の情報も織り交ぜた人気連載となり、誌面で紹介した『十和子さんが撮影で使用したコスメ』が雑誌発売当日に売り切れることも。
ついには「発売日には在庫をそれなりに用意しておきたいので校正紙が出たら見せてほしい」と頼んでくるブランドもあったほどだった。
最初の頃は「それにしてもこれだけ忙しいのに、いつどうやってコスメの情報をアップデートしているんだろう」と不思議だったが、きいてみればそれは工夫と努力のたまものだった。
子どもたちがお昼寝をしている間などに雑誌などの美容情報を丹念に読んだり気になるものはネットで調べ、隙間時間にはコスメ売り場を回り、家事の合間に自分の肌でそのコスメを試す。
美容院だって長時間滞在していられないから、「カットだけ」「カラーリングだけ」と目的ごとに通い、家を留守にする時間を短縮するようにしているとも言っていた。
「エステに行く時間がないだろうから」と誉幸さんが発売されて間もないイオンスチーマーをさっそくプレゼントしたのもこの頃だったと思う。
……当時のことを書き始めると懐かしさもありキリがないのでここらへんで止めるが、十和子さんは家事や子育てで忙しいことを理由に美についてあきらめるどころか、立ち止まる気配すらなかった。
なんでキレイをあきらめないでいられるのか。
どうしてこれだけキレイでいたい、キレイであるということに強い思いを持っていられるのだろう。
そもそも美容に興味を持ったきっかけって何だったのか?
それでふときいてみたのが冒頭の質問だ。
それに対する十和子さんの答えは、次回ご紹介したい。
(『FTC AOYAMA』内に設置されている肌診断マシーンで肌の状態をこまめにチェック/「十和子道」P47)
(インナーケアも欠かさない。キッチンのカウンターに置かれた箱の中にはサプリメントが/「十和子道」p82)
撮影/本多佳子、冨樫実和
*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点
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電子版には特典としてプライベートを含む計276点の写真とコメントを特別編集した「エブリディ十和子」がついています!