一、髪 二、肌 三、器量
髪は顔の一部です。
美髪は容姿も肌もカバーします。
だから輝く美髪をつくるのです
~書籍「十和子道」P34、37より~
<担当編集者からみたこの言葉の背景>
念願がかない十和子さんの連載を始められることになったのに、肝心のタイトルが一向に思いつかなかった。
一方で締め切りは迫ってくる。
焦っていた私に救世主が現れた。
その方とは、作家の林真理子さん。
林さんも私が何度も取材させていただいたおひとりだ。
その林さんがあるとき言った。
「美人は伝染するんです。
美人のまわりには美人がいる。
だから私は美人の友達をできるだけ持つようにしているんです。
その一人が君島十和子さん。
ときどき十和子さんとランチをしながら美容について教わっているんだけど、私はそれを『十和子塾』って呼んでるの」
それをきいたとき、これだ!と思った。
「先生、私今度、君島さんの連載をおこすんです。
その連載のタイトルに『十和子塾』を使わせていただけませんか」
こうして連載名は『十和子塾』となった。
快く使用をOKしてくれた林さんは、後に『十和子塾』が十和子さん40歳の誕生日に合わせて書籍化された際、帯に推薦文を寄せてくださった。
そしてその書籍『十和子塾』には付録としてDVDもつけることにしたのだが、そのときも読者を驚かせることがおきた。
なんとノーメイクでDVDに出演してもらったのだ。
それはご主人である誉幸さんの発案だった。
「どうせなら冒頭は素顔で登場し、家内がイチからメイクをしていく様子をお見せするというのはどうでしょう」
横にいた十和子さんの反応が一瞬気になったが、目を少し見開いて茶目っ気のある表情をしたあと「ふふっ」と笑っておしまいだった。
私はその「ふふっ」を「素顔で出演OK」と受け取った。
そしてこれは十和子さんを一番よく理解し、十和子さんが誰よりも信頼をおいている誉幸さんだからこそ提案できるのだと感服した。
誉幸さんが折々に出してくれる新鮮で大胆なアイデアや冷静なアドバイスがなければ『十和子塾』も『十和子道』ももっとぼんやりした内容になっていたかもしれない。
話は林真理子さんに戻るが、林さんはこうも言った。
「美は末端に表われるの。
本当の美人って髪も爪もきちんと手入れされているの」
そういえば、と私は十和子さんが撮影スタジオのメイクルームで支度をしながら言っていたことを思い返していた。
「夜の銀座の世界では、女性の美しさについて一、髪 二、肌 三、器量って言葉があるんですって。
若い人って、後ろ姿を見たとき髪がぴかぴかしてる。
でも年齢を重ねるとそうではなくなってきて、遠目から後ろ姿を見ても髪が(若い人とは)違うから、それで年代がわかるのよね……」
ところが。
さすがというかお見事というべきか……
あれから月日が経ち、50歳を迎えた十和子さんの髪は相変わらず艶やかだった。
そこで「十和子道」では、どういう風にこの美髪を育んでいるのかを紹介してもらうことにした。
(「十和子道」では「十和子流 美髪ブラッシング」も解説/書籍「十和子道」P38)
★この連載は毎週木曜日更新です。次回は2020年1月16日配信です。お楽しみに!
撮影/冨樫実和
*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点
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電子版には特典としてプライベートを含む計276点の写真とコメントを特別編集した「エブリディ十和子」がついています!