「老け」は自分には見えにくく、他人には目につきやすい細部に宿ります。
そこで自撮りのススメです。
写真を撮って確認したからといって、ほうれい線がなくなり、(首や顎の)ラインが変わるわけではないのですが、その変化を理解することで意識は確実に変わります。
意識が変われば「老け」はその歩みを緩めるはず。
自分が思うよりもうひとつ大きく笑う、背筋をピンと伸ばして歩く、座る、立つ。
それだけでどれだけ若返って見えることか。
そんなちょっとした意識が老けないコツ。
~書籍「十和子道」P50、51より~
<担当編集者からみたこの言葉の背景>
「十和子さんのスマホの中に保存している写真で、本に掲載してもいいものってどれくらいありますか。
たとえば家族の記念日に撮ったもの、旅行先で撮ったお気に入りの風景写真とか」
これは「十和子道」のコンセプトを考えているときに私が尋ねたことのひとつだ。
本をつくる際、スマホに保存されている個人的な写真も可能な限り掲載したいと考えていた。
なぜかというと……
この連載ではすでに何度も書いているように「十和子道」は十和子さんの暮らしを通してその生き方を紹介する本だから。
そしてスマホに保存されている写真ほどその人の本当のふだんの生活の様子を見せてくれるものはない、と常々思っていたからだ。
すると十和子さんは保存していたたくさんの写真をひとまず私のメールに転送してくれた。
その数ざっと200点以上。
夫婦で海外出張に行き、現地でパーティに出席したときのドレスアップした写真、
福岡の空港で名物のとんこつラーメンを前にうれしそうに「いただきます」と手を合わせている写真、
日差しを避けるためパーカーのフードを深く被り、長い手袋と真っ黒なサングラスを着け、自宅テラスで洗濯物を干しているちょっと怪しげな姿
……ご主人や娘さんが撮影したのであろう数々の写真は、素顔の十和子さんの毎日を記録した写真日記のようなものに思えた。
(夫婦のツーショットでは誉幸さんがおどけたポーズをとっていることが多い/「十和子道」電子版特典「エブリディ十和子」より)
(家族で過ごす休日、何の構えもない素顔の十和子さん。お気に入りの「虎屋茶寮」で/「十和子道」電子版特典「エブリディ十和子」より)
写真の中でもひときわ多かったのが〝自撮り〟写真である。
家の玄関ホール、車の中、駅のホームやメイクルーム。
さまざまな場所で撮られた自撮り写真があった。
「どれだけ自分が好きなの?って思われちゃうかな。
でもね、私たちの年代にこそ自撮りをおすすめしたいんです。
その理由は……」
そう言って語られたのが今回ご紹介している『格言』だ。
十和子さんのスマホから編集部の私のパソコンに転送されてきたたくさんのプライベート写真。
見ている人が十和子さんに親近感を持ってくれるのでは、と思えるものばかりだった。
本来なら全部掲載したいところである。
が、ページ数には限りがある。
そこで紙の「十和子道」に掲載できなかったものは、電子版「十和子道」の購入特典とすることにした。
電子版は文字通りデジタルデータなので紙に印刷する必要はない。
ページ数が増えたからといって紙代、印刷代が増える心配がないからだ。
紙代、印刷代が増えれば、その分本の値段も上がってしまう。
特典は「エブリディ十和子」というタイトルにし、すべての写真に短い説明をつけた。
取材の際にせっかく撮ったのにスペースがなくて紙の「十和子道」には掲載できなかった写真のいくつかも、もったいないので「エブリディ十和子」に収録することにした。
(君島家でスイカを切るのは誉幸さんの役目。スイカを買ったら四角に切り、タッパーに詰めて冷蔵庫へ。「これなら食べたいときに手軽に食べられるでしょ」/「十和子道」電子版特典「エブリディ十和子」より)
「これは掲載しないともったいない写真」「これも収録したいね」と言っているうちに……
結果、「エブリディ十和子」に収録された写真は、総計276点にもなってしまった。
撮影/本多佳子、冨樫実和
★この連載は毎週木曜日に更新していますが、次回は2020年4月下旬配信予定です。お楽しみに!
*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点
書籍「十和子道」大好評発売中!
電子版には特典としてプライベートを含む計276点の写真とコメントを特別編集した「エブリディ十和子」がついています!