手洗いや消毒の回数が増えるとともに、寒さと乾燥にさらされ、手のトラブルが急増中! 老化が目立つパーツだからこそ、「50代に有効なハンドケア」を習慣にしましょう。
お話を伺ったのは
小野澤久輔さん
Hisasuke Onozawa
手の外科医。日本形成外科学会専門医・医学博士。福岡大学医学部医学科卒業。日本手外科学会所属。「四谷メディカルキューブ」勤務
爪のトラブル
二枚爪や割れ、変形などが起きやすい。力が入れにくいなどの問題も発生しがちに。
指のシワ
真っすぐ伸ばすとくっきりシワが! 関節部分のシワも加齢とともに目立ってきます。
しみ
紫外線の影響で、甲にしみが増えたり濃くなったり。人に見せたくない老化サイン!
血管や筋の浮き
手の甲の血管や筋が目立ってくるのも、「手老化」の代表的症状のひとつ。
ゴツゴツ関節
ほっそりしていた指の関節も、加齢とともに太くなったり、ゴツゴツしたりしがち。
ささくれ
指先の皮膚や爪の生え際の皮がむけたり、ひび割れたり。水がしみて痛い!
いろいろな物に直接触れるので、刺激を防ぐために皮膚の角層が厚いのが手。皮脂腺や汗腺も少ないため、乾燥するとガサガサに…。
手は基本的に衣服に包まれることがなく、つねに外的刺激にさらされているため、紫外線や乾燥ダメージもダイレクトに受けています。
日常の中で頻繁に曲げ伸ばしするため、手には負担がかかりぎみ。関節のトラブルや、皮膚のシワなどの引き金になりがちです。
ウィズコロナの今は、水やお湯、洗浄料や消毒用アルコールが肌から必要な潤いを奪ってしまうため、肌乾燥がどんどん進行中!
手あれ以外も要注意! 50代前後の手の不調は更年期症状のひとつ
「手の不調は、女性ホルモンと深く関係しています。朝起きたときに感じる手のこわばりは、エストロゲンの減少による更年期障害の初期症状である場合が多いのです」(小野澤久輔先生)
朝、指が動きにくい、関節が痛い、しびれがあると感じても、しばらくするとなんともなくなることが多いので、病気という意識がない人がほとんど。ところが放っておくとへバーデン結節やブシャール結節、ばね指などの手の病気へつながる心配も。
手の不調は“年のせい”だから治らないと思い込みがちですが、病院に行くことで、進行を予防することもできるのです。
「エストロゲンの減少との関連があるので、エクオールのサプリメントを摂取することをおすすめしています。朝のこわばりだけでなく、痛みやしびれ、変形などの病状が出てからでも、改善が期待できることがわかっています」
朝起きたときの手指のこわばりは、手を温めたり、ゆっくり手指を動かすと少し緩和することも可能です。
「手は顔同様、衣服で隠れないので、見た目が気になるパーツです。変形など外見が気になる場合は、手術などの治療もあるので専門医に相談を」
撮影/天日恵美子<モデル> 手モデル/有田菜穂子 取材・原文/近内明子