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加齢とともに目立ってきた首のシワ、改善できる? 防ぐ方法は?

年齢が表れやすい隠れたパーツが首。首にくっきりと横ジワがあったり、縦すじが目立っていたりすると、一気に老け感が増してしまいます。そこで、首のシワが深くなる原因や予防・改善法について、皮膚科専門医の渡邊千春先生に教えていただきました。

【教えていただいた方】

渡邊千春
渡邊千春さん
皮膚科専門医
公式サイトを見る

千春皮フ科クリニック総院長。 1997年、板橋中央病院皮膚科医長。1999年、東京医科大学皮膚科勤務。2000年、東京医科大学皮膚科助手。2003年、肌クリニック大宮院長。2008年、 肌クリニック大宮 ベルビー赤坂総院長。2012年、千春皮フ科クリニック開院。2019年 、千春皮フ科クリニック広尾院開院。 保険診療と自費診療、両方に力を入れ、肌のことをしっかりと学んだ医師が美容皮膚科もやることで、トラブルがあったときにもきちんと対応ができ、保険も自費もトータルで肌の悩みに対応できることを大切にしている。皮膚科専門医、レーザー専門医、注入指導医。ボトックスやヒアルロン酸注入などのコンビネーション治療も得意。

 

 

首の前側の広頸筋の衰えに、首を前に倒した姿勢などが加わり、シワができてしまう

年齢を重ねるにつれて気になり出すのが、首に入る横ジワ。

また、縦すじも目立ちやすくなるなど、実は年齢が表れやすいパーツです。そんな首の老化はどんな原因で加速してしまうのでしょうか。

 

「加齢による首のたるみの原因は皮膚と筋肉の老化があります。皮膚は年齢とともに皮膚のハリを保つコラーゲンやエラスチンの生成が減少し、皮膚が薄くなりこれによりハリを失いたるみやすくなります。

 

首の前側には、あごから鎖骨のあたりまでつながる広頸筋という筋肉がありますが、この筋肉は加齢とともに衰え、筋肉が皮膚を支えきれなくなり、首がたるみやすくなります。

それに加えて、私たちは普段の生活の中で、デスクワーク中や、スマホを見ているときなど、首を前に倒した姿勢を続けることが多く、首にシワを寄せた状態でいることが多いので、首に横ジワが入ってしまうのです。

 

急激に太ると首に段差ができてシワができやすくなりますし、逆に急激に痩せると首がすじばってしまい、これも首の老け感が増してしまう要因です。

もちろん、加齢や紫外線による光老化の影響で、皮膚の真皮のコラーゲンやエラスチンなどの減少や劣化によって、首のハリが失われることもシワができやすくなる原因。

 

そのほか、寝るときに高すぎる枕を使っていると、睡眠中に首が前屈した状態になり、これも首にシワができる原因なので要注意。

加齢に伴って肌の水分量が減少し、ただでさえ乾燥しやすくなりますが、顔と違って首は保湿を怠りがちな部分なので、より乾燥が進みやすく、するとシワも目立ってきます。

これらが首のシワの原因です」

 

できてしまった首のシワは、HIFU(ハイフ)やラジオ波、ボトックス注射などで改善可能

一度できてしまった首のシワは改善できるのでしょうか?

 

「美容医療では、超音波による熱エネルギーを皮下に送り込んで真皮層・SMAS層(筋膜層)を収縮させ、皮膚を引き締めるHIFU(ハイフ)で改善可能です。

また、ラジオ波(RF)での治療も効果的。ラジオ波を照射することでコラーゲン線維の再構築が促され、たるみが強力に引き締まって、シワ改善効果が期待できます。

 

それから、ボトックス注射も首のシワの改善に有効。口をイーッとすると首に縦すじが出ますが、これは広頸筋のすじで、ここにボトックス注射を打って緩めるとすじが目立ちにくくなります。

 

他にも、肌質改善のための新しいヒアルロン酸注入治療やアミノ酸、ポリヌクレオチドなどの有効成分を含んだ注入製剤をシワの部分や周囲に注入することで、首のハリの向上や小ジワの改善が期待できます」

 

【千春先生の千春皮フ科クリニックの首のシワ取り施術、ヒアルロン酸注入の参考事例】

BEFORE

 

AFTER

 

 

 

首までを顔と思ってスキンケア! 日焼け止めもしっかり塗ること

では、セルフケアで首のシワを予防・改善するには?

 

「やはりしっかりと保湿することです。首はスキンケアをし忘れがちですが、顔のスキンケアをするときに、首まで塗るのを習慣にするのがおすすめです。

コラーゲンの生成を促す効果のあるレチノールやレチノイン酸、ビタミンC、ペプチドなどの成分が配合された化粧品ならよりシワ改善効果が高くなります。

 

首は日焼け止めを塗るのも忘れがちですが、実は紫外線を浴びやすい部分なので、しっかり塗って紫外線からガードしましょう。

日常生活では、長時間スマホを見続けたりして下を向きっぱなしだとシワができやすいので、長く続けず、こまめに姿勢を正すよう心がけましょう。

広頸筋を鍛えるために、時々上を向くようにしたり、首を回したりするのもよいと思います。

そのほか、高すぎる枕を使っている人は、寝具ショップなどでフィッティングをしてもらって、高すぎず低すぎない自分に合う枕を選びましょう」

 

 

写真/Shutterstock 取材・文/和田美穂

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