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不自然な“ビニール肌”になってませんか? 毛穴レスやツヤ肌を目指すあまりの落とし穴に要注意!

むいたゆで卵のようなつるんとした肌は女性の永遠の憧れ。でも、それを目指すあまりきめが一切ない不自然な“ビニール肌”になってしまっている人がいます。“確かに肌はきれいなんだけど、違和感がある…”という印象を抱かせるこんな肌になる原因は? ビニール肌にならずにきれいな肌を作るには? 皮膚科専門医の慶田朋子先生に伺いました。

 

ピーリングなど過度な角質ケアによって角質を落としすぎるとビニール肌に

近年、韓国のアイドルや女優などの影響からか、毛穴がひとつもないような、つるんとした肌に憧れる女性が急増。SNSの流行で、写真を撮ったときや動画に映ったときに、キラッと光るようなツヤ肌に見せたいという願望から、毛穴レスな肌を目指す人が増えているようです。

でも、毛穴レスを目指すあまり、肌に凹凸が一切ない“ビニール肌”になっている人も…。
まずは、なぜビニール肌になってしまうのか、その原因を慶田先生に伺いました。

 

「そもそも皮膚は本来、適度にでこぼこしています。それは何のためかというと、伸び縮みするための面積分の皮膚を格納しているのです。
皮膚表面の角層には三角形のきめがたくさん連なっていますが、それを伸ばすと1.5〜3倍以上の面積になります。
それを凹凸の中に格納しているから、人は笑ったり表情を変えられたりするのです。

 

きめがきれいにある肌は光が乱反射するので、フォグがかかったように、ふわっとした光り方をします。
わかりやすく言えば、赤ちゃんのような肌です。これは、表面がツルツルしているかというと、ちょっと違いますよね?
このようなフォグがかかったような光り方をしているのが、最も美しい肌。

角層には水分がしっかりあるので、みずみずしく見えます。大人の場合も、このような肌だと自然に美しく見えます。

 

ところが昨今、特に若い女性の間で、毛穴の目立ちをなくしたいと思うあまり角層を悪者扱いし、邪魔に感じてしまう人が増えているように思います。
そして、ピーリングのような角質ケアをやりすぎてしまい、本来あるべききめを失ってしまっているのです。

特に最近は、市販のコスメでも、フルーツ酸のようなピーリング成分の配合濃度が医療機関で扱うものと同等レベルのものもあり、手軽に買えるようになっていてトラブルも増えています。
そのようなコスメを毎日使っていると、バリア力と美しいきめのもとでもある角層を落としすぎてしまいます。
角質ケアをすると、直後に肌がつるんとするため、その快感がやみつきになり、頻繁に行ってしまう人もいるようです。

 

また、美容医療でも、ハイドラフェイシャルのような薬理作用と物理的作用の両方が強めのピーリングケアを頻繁に行うと、角層が薄くなりすぎてしまい、ビニール肌になる可能性もあります。
そのほか、顔剃りを習慣にしていることでも角層が削られてしまいます。
このような過剰な角質ケアをすると、一見、肌がツルツルしているように見えますが、実際には角層が薄くなって凸凹がなくなっているだけという場合もあるのです。

 

見た人に違和感を与えるのはこのような状態になっていることが原因と思われます。
角層はバリア機能を保つうえで重要で、薄くなってしまうと、肌が弱い人の場合は、赤みやひりつきなどのトラブルが起きてしまいます。
ただ、皮膚がそれなりに丈夫な人だと、角層が薄くなっていても炎症が起きないので気づきにくく、気づかぬうちにビニール肌になりやすいのです」

 

 

 

ピーリングは頻繁に行うのはNG。適度なペースで行えば、くすみ改善や保湿効果が

では、ビニール肌を防ぐには、どうしたらよいのでしょうか?

「本来、角層のターンオーバーは10〜14日間なので、医療機関でのニキビ治療のケミカルピーリングは2週間に1回程度を6~8回行うのが基本です。

その後は月1回程度でメンテナンスしていきます。

 

肌のターンオーバーは老化によって遅くなっていくので、それをリバイタライズ(活性化)する目的なら初めから月1回くらいを推奨しています。
自宅で角質ケアをする場合も1週間に1回程度にとどめましょう。強い製剤を使う場合は、2~3週間あけたほうが無難です。

これくらいのペースで行えば、代謝が促進して、バリア機能も失われず、角層の水分量も上がります。

ピーリングは古い角質を除去してくすみを改善するだけでなく、実は水分保持力が高い角層に生まれ変わらせるという保湿効果もあるので、定期的に行うことはおすすめです。
やりすぎないように行って美肌を保ちましょう」

【教えていただいた方】

慶田朋子
慶田朋子さん
皮膚科医
公式サイトを見る

銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。2001年、東京女子医科大学皮膚科助手、聖母会聖母病院皮膚科医員、美容クリニック勤務(兼務)。2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、 銀座ケイスキンクリニック開設。最新の照射治療と注入治療を組み合わせ、メスを使わずに肌質を高め、バランスのとれた若々しい顔立ちに変える治療が人気。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)などがある。

写真/Shutterstock 取材・文/和田美穂

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