【教えてくれた人】
化粧品成分スペシャリスト。自身の肌あれ経験から、「自分の目で化粧品を選べるようになる」ことを目的に化粧品成分について学ぶ。流行に流されず、主体的にスキンケアやメイクを選べるようになるためのサポートや、外見だけでなく心が軽くなる考え方についてTikTokを中心に提案・発信。一人でも多くの人が“今”に安心でき、“未来”に希望を持っていけるようになることを目標としている。
【教わった人】
ライター・イオちゃん
フリーランスで編集・ライター・出版プロデュースなどを行う50代。OurAgeでは主に、心と体の健康、更年期各テーマ、フェムケアテーマなどのインタビュー記事を担当。メイクへの興味関心度は「人が見て見苦しくなければ、まぁいいか」レベル。座右の銘は「楽ちん」。
〔上の写真:すっぴんの私。締切に追われている時期は、BBクリームのみで過ごすこともざら。「金髪にしているのは、増えゆく白髪を黒く染め続けるほうが大変だから」〕
●Before
↓これが50代のメイクでよく見かける「昭和の雰囲気を引きずったメイク」
〔上の写真:いつもはナチュラルメイクどまりの私ですが、かつて学んだフルメイクを頑張って再現してみました。やはり、こうして見ると、なんだかすべてが古い! the 昭和! しっかりメイクはしているのに、老け見えしてしまうのはナゼ? ちなみにこの写真を見た担当編集者からは「なんだかコワいです。モノを売りつけられそうな迫力も…」との感想が。いったい何が悪いのか、どこがどう間違っているのでしょうか…〕
●After
〔上の写真:初美さんに今どきのメイクテクを教わり、昭和から令和のメイクへと大変身した私です! メイクが新しくなっただけで、まるでタイムマシンに乗って若返ったかのよう(笑)。言葉で表現するならば、油絵(Before)と水彩画(After)の違い、とでも言うのでしょうか? 髪は担当編集が用意していたウィッグをかぶってみました〕
あなたのそのメイク、何年前のやり方ですか?
こんにちは。50代ライターのイオちゃんです。
普段からメイクにこだわらない私が女優のようにメイクで大変身するという企画を、OurAge編集部員ギリコさんのむちゃぶりからスタートしたこの連載。
当初はすっかり腰が引けておりました。でも、TikToker女子の初美メアリさんにあれこれテクを教わって、本当に大変身させていただいたことをキッカケに、なんだか急にメイクが楽しくなってきたのです!(ギリコさん、ありがとう)
同時に、メイクも時代に合わせてアップデートすることが重要なんだと痛感。
だって、毎日頑張ってやっているメイクが、周りからはただ老けて見えているだけだったら…悲しすぎると思いませんか?
〔上の写真:TikToker女子の初美メアリさんと。「40代、50代の方が、かつてのメイクのままでいるのは非常に危険なのです。なぜなら、あらゆるエイジングサインが、かえって際立ってしまうからです!」(初美さん)〕
40代50代がやりがちな「メイクの落とし穴」って?
イオ:初美先生、今回もよろしくお願いします。
家に眠っていたメイクアイテムを総動員して、自分でもフルメイクを再現してみたのですけど…。なぜだか昭和感が漂う仕上がりになってしまいました(涙)。
いったい何が原因なのでしょうか〜?
初美:ツッコミどころはいろいろあるのですが(笑)!
結論から言うと、「肌の欠点(シミ、シワ、毛穴、肌あれなど)を隠そうとして、すべてのコスメアイテムをまんべんなく厚塗りしている」ということに尽きるかと。
イオ:ははぁ。塗ることで隠す、という考え方自体が間違っているわけですね。
初美:そのとおりです。OurAge世代の方々がハマりがちな落とし穴のひとつに、「カバー力の高いファンデをまんべんなく塗りまくる」ということが挙げられますね。
肌のアラを隠そうとして塗りたくると、毛穴落ちして肌が汚く見えてしまったり、厚塗りでテカテカしたり…。
すべてのエイジングサインが露出しちゃうんです。
イオ:なんと! カバー力の高いファンデは、40代50代にとってはメイクのマストアイテムだと思い込んでいました。
その前提から間違っていたとは(ショック)。
初美:いえ、カバー力の高いファンデそのものが問題なのではなくて、要はその塗り方なのです。
まずは次の写真をよく見てください!
落とし穴その① まんべんなくファンデを塗っている
↑小鼻の脇に注目!
初美:ファンデを厚塗りしすぎて、塗ったそばから毛穴落ち、よれてしまっているのがわかりますか?
イオ:どうりで。肌呼吸できないような圧は感じていました…。
落とし穴その② おでこの上までファンデを塗ってしまう
初美:何も考えずに、顔全体に余すところなくファンデを塗りたくっていませんか?
おでこの上までファンデをつけると、メイクによるせっかくのメリハリ感も失われ、ただの白塗りに見えてしまいます。
イオ:ほんとだ〜。顔が白すぎる…!
落とし穴その③ ファンデを平行に塗っている
初美:上の写真のように、ファンデーションを平行に、顔全体にまんべんなく塗っていませんか?
イオ:最後の③は、なぜダメなんですか〜?
初美:パウダー、リキッド、クッションなど、どのタイプのファンデであっても、写真のように平行に塗ってしまうのは厚塗りのモト!
そうではなく、「優しくトントンのせる」という塗り方を覚えていただきたいのです。
そして、顔全体にファンデを均等に塗るのも今日から禁止!
鼻まわり、おでこ、あごなどは、パフに余っているファンデをのせる、くらいでいいんですよ。
イオ:そうなんですね。とりあえずファンデの厚塗りを避ければ、脱昭和メイクになりますか?
初美:それがです…ベースメイクについてはほかにもポイントがありますし、そもそもイオさんのメイクは、眉の描き方からアイライン、アイシャドウ、チーク、リップの色や入れ方などなど、すべてが古くさく見える原因になってしまっているんです。それらのアップデートについては、この連載ですべて、伝授させていただきます!
イオ:すべてが古いとは(涙)。初美先生、ちょっとスパルタになってきたような…。
一度に覚える自信がないので、まずは今日からできるコツを教えていただけないでしょうか。
初美:かしこまりました!
では、「長年の習慣で、つい力を入れて、均等にファンデーションなどのメイクアイテムを塗ってしまう」というOurAge世代の方に向けて、プチプラで入手可能な「今どきメイクへと導くツール」をご紹介しますね。
イオ:それは助かります〜。
ファンデの厚塗り、均等塗りを回避できるアイテム!
卵のような形のスポンジ(下の写真)とクッションファンデ用パフ
〔上の写真:近所のドラッグストアで購入したスポンジでロージーローザのもの。ロージーローザは手頃な価格のメイク用アイテムをたくさん出していますが、どれも使いやすい!〕
「ファンデはもちろんですが、チークやアイシャドウもつけすぎは要注意! そしてこすらない!
私はリキッドタイプのチークを使っているのですが、指でチークを適量とって、肌にのばした後あと、クッションファンデ用パフや卵のような形や円すい形のスポンジでトントンと優しくたたいて、肌に自然になじむようにしています。
すると薄づきになり、キレイな仕上がりになるんですよ。
すべて、ドラッグストアや100円ショップで購入可能。
ちなみにスポンジを使用する場合は水で濡らして絞ってから使うと、ファンデがとれにくくなり、おすすめです」(初美さん)
〔上の写真:卵のような形のスポンジ「ロージーローザ 3Dスポンジ<WET&DRY>BIG」は、水を含ませてもそのままでも使えるタイプ。さっそく水を含ませてみるとこんなに膨らんだ!(左側。右側は水を含ませてないもの)。水を含ませたスポンジのほうが、肌により密着し、ファンデーションがきれいにのるように感じます〕
【パウダータイプは粉浮きするので、チークはリキッドタイプがおすすめ!
そして塗り方にもコツが】
「OurAge世代の方のチークは、粉浮きしやすいパウダータイプより、リキッドタイプがおすすめです。
指でチークを上のイラストのように3カ所にのせます。
量は内側をいちばん多く、外側をいちばん少なくします。
大中小とのせてから、クッションファンデ用のパフや円すい形スポンジで、内側から外側へとなじませていきましょう」(初美さん)
【おすすめのリキッドチークはこちら】
今回、初美さんがすすめてくれたのは…
〔上の写真:SHEGLAMカラーブルーム リキッド ブラッシュ ハッシュハッシュ/¥880(税込み※)。チークだけではなく、アイシャドウや口紅としても使えるスグレモノ!〕
※価格は、キャンペーン状況、為替レートにより変動する場合があります
イオ:なんとこのチーク、スポンジでそのままつけられるタイプ。量の調整もしやすく、私にも使いやすいです!
白い紙に塗ってみたら、ちょっとテラコッタっぽい色で〝これ、色が濃いのでは?〟と思いましたが、実際に肌にのせてみたらふんわりとかわいい色になりました。
初美:チークも、すーっとシャープに入れるのはもう古いやり方で、昭和感が出る原因なんです。今どきのチークは、“ふんわり&そこはかとなく”入れて、血色よく見せるのがポイントなんですよ。
イオ:なるほど〜。今回も学びポイントがたくさんです(感心)。
ところでチークを塗る時ときに、クッションファンデのパフが便利なのはどういう理由ですか?
初美:私の個人的見解なのですが。クッションファンデのパフは、液体を吸い込みすぎない、密度のしっかりした素材なので、ムラなくつやっと仕上がるのです。使いこなすと便利ですよ!
イオ:今日も、ドラッグストアに寄って帰ります(笑)。
撮影/藤澤由加 取材・文/井尾淳子