シミ取り初心者がクリニックへ行くまでに知っておきたい知識や、直接、病院では聞きづらい疑問を皮膚科専門医の松浦佳奈先生に伺いました。
お話を伺ったのは
松浦佳奈さん
Kana Matsuura
自由が丘クリニック皮膚科部長。皮膚科専門医。シミや肝斑、そばかすなどの治療には定評が。ピコレーザーをはじめとする最新の治療マシンにも詳しく、臨床経験も豊か。先生ご自身もシミひとつない、つるつるの透明美肌の持ち主
Q 施術に必要な期間はどれくらい?
A
治療期間はシミの濃さや種類、治療方法によりケースバイケースです。最短でも、初日に診療とレーザーなどの治療、約10日後にチェックで再診と、計10日ほど。一般的には、レーザー照射前または照射後2週間~1カ月は内服薬と外用薬で肌状態を整えるので、合計1~2カ月はかかります。レーザートーニングなどを選ぶと、さらに長くなります。
Q 日焼けをする人はシミ取りできない?
A
シミができている部分の皮膚は、シミがない部分よりも機能が低下したウイークポイントです。そのため、せっかくシミを治療しても、そのあとに紫外線や摩擦などの刺激を受けると、またシミをつくってしまいます。ましてや治療後は肌が不安定なので、日焼けなんて厳禁。シミの再発を防ぐためには、今後一生日焼けしないくらいの覚悟が必要です。
Q かえって濃くなると聞きましたが?
A
レーザー照射の刺激で炎症が起こり、メラニン生成が促されることがあります。これをシミ再発と誤解されることがありますが、照射後のケアや処方薬の使用を厳守すれば、十分予防は可能です。ただ、いったんシミになった部分の皮膚はさまざまな刺激に過敏で、ほかの部分に比べてシミが再発しやすいのは確か。そのことを承知して予防に努め、濃くなってきたら早期治療するのが良策でしょう。
Q 治療が完了するまでの価格の目安は?
A
IPLやピコレーザーの登場以前は淡いシミだとレーザーが反応しにくく、治療効果が出にくいことがありましたが、治療機器も治療法も進化した現在は、早ければ早いほど短期間で効果的に改善できます。価格はシミの種類や量、治療法、目標とするゴールなどで変わり、一般的には3万~5万円程度。完璧を目指すなら、30万円近くかかることもあります。
Q マスク時代はシミ取りのチャンス?
A
マスク生活の今は、照射後の保護テープもマスクでカバーでき、紫外線防御にも効果的です。ただ、大きなシミは、こめかみなどマスクで覆えないエリアにある場合が多いことも確か。また、マスクの端がシミ部分に触れ、日焼け止めがこすれて取れることも。それでもメリットとリスクを天秤にかければメリットが優位。今はチャンスといえそうです。
撮影/小山志麻 イラスト/かくたりかこ 構成・原文/近藤須雅子