【お話を伺った方】
美容業界で活躍して50年以上という、業界の重鎮。大手化粧品メーカーで商品開発、マーケティングなどを担当し、多くのヒット作を手がけたのち、独立。現在は美容コンサルタントとして講演やセミナー、商品開発・美容教育アドバイスなど多方面で活躍。化粧品の基礎から製品化までを研究してきた多くの経験をもとに、スキンケアを中心とした美容全般をわかりやすく解説し、正しい美容情報を発信している。
美容液をたった1日サボっただけで、肌のコンディション低下を実感したシマコ。
美容液を使い始める前はどんな状態の肌だったのか、考えるだけで恐ろしい! そして、美容液がいかに心強い存在か、55歳で気づいてよかったです。
翌日、再び美容液をしっかりなじませると、肌は「ふ~よかった」と安心したかのように、なんと潤いを取り戻したのです(これ、本当です‼)。
このことで美容液の底力、信じていいのだと実感したシマコでした。
さて、今回はいよいよ「新顔ブランド:後編」です。
男爵厳選のニューフェイス、今回はどんなものが登場するのか?
おすすめの理由にも納得です。
シマコ:男爵、こんにちは。前回、新しいブランドを知るには「作り手の思いが大事」とおっしゃっていましたが、それはどうやって見極めればいいのでしょうか。
男爵:確かに新しいブランドは次から次と出てきますので、良し悪しを見極めるのは難しいかもしれませんが、ひとつは「開発ストーリー」を読んでみること。
開発者の「技術に対する理解力」や「消費者のことをきちんと考えているか」。そういったことが透けて見えてくるはずです。商品のよい面だけを前面に出しているというよりも、ブランドに対するフィロソフィーや誇りがしっかりとあるはず。
そして、以前にもお伝えしましたが、化粧品は使う側の「気持ち」も重要ですから、作り手に共感できて、その美容液が魅力的だと思えるかどうかで見極めてみてください。
シマコ:そうですね。前回ご紹介いただいた3つの美容液も、どれも作り手の思いにワクワクしました。
大手メーカーから新ブランドが出たときは、それはそれで期待感がありますが、作り手の思いを感じられる新顔ブランドと使う側の共感性には「お互いに寄り添う感じ」すらありますよね。
本来、化粧品の存在ってそういうものかもしれませんね。
男爵:シマコさん、本当に成長しましたね!
化粧品はサイエンスですから、大手メーカーの開発力は化粧品業界の未来を切り開くのに重要ですが、そのメーカーも最初のスタートは創業者の思いでした。
これから紹介する美容液も、未来の一大ブランドを築く最初の一歩かもしれません。
化粧というものが日本に伝わったのは、7世紀後半ともいわれています。
大昔の女性たちがきっと初めて見る化粧品をワクワクして使ったように、新顔ブランドの記念すべき最初の美容液を使ってみてください。今回ご紹介するのは、この3つです。
〔上の写真左から:FAS ザ ブラック エーシーオイルセラム、iniks アドバンスバリア セラム(敏感肌用美容液)、mufu 生ビタミンⅭ10ウォーターベース美容液〕
◆発酵研究の第一人者が開発した渾身の美容液
FAS
ザ ブラック エーシーオイルセラム
古代米を復興させた京都府京丹後市の黒米と、発酵の職人との出逢いによって生まれたFAS。738種の成分を含む、FAS独自成分黒米発酵液*1を31%配合。2種のビタミンA誘導体*2を配合し、肌にハリ・ツヤを与える。さらに、水溶性と油溶性の2種のビタミンC誘導体*3を配合し、時間差でじっくり届けて毛穴*4とハリ不足にアプローチ。30ml ¥12,100(税込)
*1サッカロミセス/コメ発酵液(保湿成分) *2ビタミンA:パルミチン酸レチノール、水添レチノール(ともに保湿成分) *3ビタミンC:テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、イソステアリルアスコルビルリン酸2Na(ともに保湿成分) *4毛穴の多い肌を引き締めること
男爵:FASの開発者は、美容業界では誰もが知る発酵研究の第一人者です。
その方が、京都の黒米に出会って生まれたのがこのFASというブランドです。
それだけでもすごい商品だとわかるのですが、京丹後の黒米を、美容のための特別な酵母で発酵し、丁寧に仕込んだ「黒米発酵液」で、新しい“発酵エイジングケア”を体験できるはず。
「ザ ブラック エーシーオイルセラム」は発酵科学×ビタミンの力でハリのある肌に整える美容液です。
◆大人世代の敏感肌に、角層バリアをアクティブ化
iniks
アドバンスバリア セラム(敏感肌用美容液)
「バリア皮膚科学」で、年齢敏感肌のためのバリアエイジングケア。年齢を感じ始めた敏感肌の角層バリア*1の乱れに着目。角層から肌の土台を整え、角層バリアをアクティブ*2に。敏感肌を考えた「よりそい設計」で肌を優しく整える。90ml ¥5,900(税込)
*1角層の潤いケア *2潤いに満ちた健やかな状態のこと
男爵:イニクスのメーカーである「マルホ」は皮膚疾患医療用の塗り薬、国内シェアNo.1の企業です。
皮膚科学についてはトップクラスの知見を持っているメーカー。
敏感肌のためのスキンケアには定評があります。アドバンスバリア セラムは「アップポリマー」という膜が肌表面に密着して、顔全体を支えるようなピンとしたハリ感をもたらします。
敏感肌処方でこの技術はさすがですね。
シマコ:敏感肌用の美容液は、そうではない美容液と違いがあるのでしょうか?
男爵:化粧品は薬ではないので基本的に肌にマイルドな処方になっていますが、あえて敏感肌用と謳っているものは敏感肌の方にパッチテストを行ったというものが多いです。
「効果の高い美容液は、逆をいえば肌に負担があるのでは?」と思う人もいるようですが、実際はそんなことはありません。
ただ、極度に敏感肌の人は、「敏感肌用」と謳っている商品を選んだほうが、不安なく気持ちよくスキンケアができると思いますよ。
◆業界が追随する「脱酸素製法®」技術でリード
mufu
生ビタミンⅭ10ウォーターベース美容液(mufu クリアC10セラム)
生ビタミンC*1を高濃度配合*2した弱酸性ウォーターベースの美容液。すべての製造工程で酸素を取り除く独自の「脱酸素製法®」で、ゆらぎやすい生ビタミンを生ビタミンCの鮮度に着目し、肌に届ける。サラッとした使用感で、透明感と弾力のある若々しい肌へ。50ml ¥4,400(税込)
*1アスコルビン酸/整肌成分 *2自社製品において
男爵:mufuはなんといっても「脱酸素製法」に注目です。
ビタミンCは酸化しやすく、多くのメーカーは安定化させるための研究開発を行っているほど。
脱酸素は本当に難しい技術ですが、美容成分の鮮度を保つことができるため、開発のハードルが下がれば追随するメーカーは増えてくるでしょう。
mufuは新しいブランドであっても高い技術力があることを証明したブランドで、注目ですね。
多くの美容液に使われているビタミンC誘導体はゆっくり時間をかけて効果を発揮するのに対し、生ビタミンCは即効性が期待できます。
mufuのビタミンCはアスコルビン酸ですが、これは加工されていないビタミンCのことです。
シマコ:ありがとうございました。美容初心者なので「ビタミンC系は肌にしみたりするのかな?」と素朴な疑問を感じていたのですが、そんなことはないんですね。生ビタミンCも使ってみたいです。
次回は、「憧れの国内ブランド美容液」です。
誰もが一度は使ってみたいと憧れたことがある(?)、あのブランドの美容液のどこがすごいのかを男爵が徹底解説!
お楽しみに。
取材・文/島田ゆかり イラスト/カケハタリョウ
★コスメ男爵OKABEこと岡部美代治さんの著書『正しく知る・賢く選ぶ 美容成分大全』(ナツメ社)はこちら!