【お話を伺った方】
美容業界で活躍して50年以上という、業界の重鎮。大手化粧品メーカーで商品開発、マーケティングなどを担当し、多くのヒット作を手がけたのち、独立。現在は美容コンサルタントとして講演やセミナー、商品開発・美容教育アドバイスなど多方面で活躍。化粧品の基礎から製品化までを研究してきた多くの経験をもとに、スキンケアを中心とした美容全般をわかりやすく解説し、正しい美容情報を発信している。
太陽ギラギラの夏が過ぎ、たっぷり浴びてしまった紫外線は一日も早く美白ケアしたいところ。
気がつくとシミが増えていた今年の夏(手の甲に!!)。
エイジングが加速していると実感せざるを得ません。
でも落ち込んでいる場合じゃない。美白美容液の投入もいいけれど、スキンケア全体を美白ケアに変えたほうがよいのかしら。
肌が喜ぶ感じを体験して
シマコ:こんにちは、男爵。美白クリーム後編です。
今日は、ライン使いの是非について教えてください。
男爵:効果を最大限に引き出すには、やはりメーカー推奨の使い方、つまりライン使いがいちばんよいと言わざるを得ません。各社、ラインで効果設計をしていますから、美白も然りです。
しかし化粧品には組み合わせのNGはありませんので、スポット的に使ってみたいクリームを選んでいただいてもかまいませんよ。
シマコ:化粧水でお気に入りのものと、クリームでお気に入りのものが効果もメーカーも違ったりします。
そこにまた別ブランドの美容液を使ってみたくなって、お手入れに取り入れるわけですが、やっぱりそれでいいのか気になるというか…。
男爵:まずは気になるクリームを使ってみて、スキンケアの最後に肌が満足していればその組み合わせは合っていると判断できます。
逆に、スキンケアのあとにべたつきが気になったり、朝起きたときにつっぱるような感じがある、化粧ノリが悪いなど肌がいまひとつというコンディションの場合は、使っているスキンケアアイテムを見直したほうがよいというサインです。
そういうときは、いったんライン使いにしてみるというのも手。
シマコさんはべたつきが気になるなら、油分過剰なスキンケアになっている可能性があります。
美容上級者は組み合わせの妙を楽しめるのですが、初心者さんはメーカー推奨のケアで、まず“肌が喜ぶ感じ”を体験していただくのがよいかもしれませんね。
今回ご紹介する3点は、研究に研究を重ねた商品力の高いクリームです。
ライン使いも検討しながら、試してみてください。
〔上の写真:左からデルメッド ブライトニングクリーム、コーセー 薬用雪肌精 ブライトニング クリーム、エステダム ホワイト クリーム デイ &ナイト〕
◆医薬品と同じ方法で作られた美白化粧品
デルメッド
ブライトニング クリーム[医薬部外品]
顔に広がるシミ・黄ぐすみを、逃さず集中美白。大人の肌色を曇らせる大きなふたつの原因に根本からアプローチ。メラニンを作らせない「コウジ酸」に加え、シミが発生する前の炎症を防ぐ「キンギンカ抽出液」「ローズヒップエキス」を新たに配合。従来品より紅斑20%、色素沈着30%抑制。のびのよいクリームで小さなシミまで逃さずケア。
30g ¥7,700(税込)
男爵:デルメッドは「コウジ酸」の生みの親、三省製薬の化粧品ブランドです。
コウジ酸は厚生労働省に認可されている数少ない美白有効成分で、コーセーをはじめ、各メーカーの美白ラインで使われているのでご存じの方も多いかもしれませんが、こちらがいうなれば本家本元です。
成分開発力はいうまでもなく、医薬品の塗り薬として“シミ治療外用剤”を日本で最初に開発したのも三省製薬。
ブランド名のDERMED(デルメッド)は、「DERMATOLOGY(皮膚科学)」「MEDICAL(医療の)」「MEDICINE(医薬)」という3つの言葉から生まれたもので、医薬品と同じ方法で、化粧品を開発しています。美白ケアに期待できるクリームです。
◆自然科学研究40年の集大成
コーセー
薬用雪肌精 ブライトニング クリーム[医薬部外品]
日本で初めて承認されたコーセー独自の美白・肌あれ防止有効成分である、甘草由来有効成分W-グリチルレチン酸ステアリルを配合。メラニンの生成を抑え、シミと肌あれを同時にケア。さらに、新配合の「抱水パック成分」がたっぷりの水分を抱え、肌に潤いを閉じ込めて密封。ふっくらと柔らかく弾むハリのある明るい素肌へ。
40g ¥4,400(税込・編集部調べ)
男爵:雪肌精が誕生したのは1985年。和漢発想の化粧水はロングセラーとなり、以来、40年間不動の人気というブランドです。
薬用雪肌精シリーズは日本初、「美白」「肌あれ・あれ性」の効能を承認取得して話題になりました。
シミ、乾燥によるくすみ、肌あれが気になる肌のために作られたブライトニング クリームは、今年の化粧品業界における目玉商品といってもいいでしょう。
みずみずしい使用感から「大人肌には物足りないのかも?」と思っている人がいたら、ためらわずにぜひ使ってみてください。
できれば化粧水、乳液、クリームのライン使いで効果を実感していただきたい珠玉のブランドです。
◆美容のプロが支持するサロンコスメ
エステダム
ホワイト クリーム デイ &ナイト
薬学博士・生物学者ジャン=ノエル・トレルにより誕生したエステダム。人の手が生み出す美しさ”ESTHETIQUE(エステティック)”と皮膚科学”DERMATOLOGIE(ダーマトロジー)”の融合がブランド名の由来。ホワイト クリーム デイ &ナイトは日差しや乾燥などの環境ストレスから守り、ツヤのある明るい肌へ導く朝晩兼用クリーム。
50ml ¥15,400(税込)
男爵:エステダムの発表会は、いつもフランスから研究者が来日して、製品についてとても丁寧に説明されます。サイエンス研究は化粧品業界でもトップクラスといえるでしょう。
商品もマーケティングよりも専門性を重視している印象で、皮膚科学にこめた思いが商品から伝わってきます。
このクリームは、従来品のデイクリームとナイトクリームの“いいとこどり”をしたジェルタイプのクリームで、ブライトニングケアとエイジングケアが同時に可能に。美容賢者たちが注目しているのもうなずけます。
シマコ:今回の3点も、甲乙つけがたい魅力があります。
肌のために、こんなにも研究を重ねているコスメがたくさんあるんですねぇ。
ぜっかくの研究成果、ぜひ自分の肌で確認してみたくなります。
ところで男爵、めちゃめちゃ些細な質問ですが、私はスパチュラを使うのが面倒なのでジャータイプのクリームをあまり選ばないのですが、やはりスパチュラは使ったほうがいいのでしょうか?
男爵:清潔な手であればそのまますくっても大丈夫ですよ。
名品クリームはジャータイプが多いので、敬遠せずにどんどん使ってください。
次回はシワ、たるみ、ハリにおすすめのクリームをお届けします。Don’t miss it!
取材・文/島田ゆかり イラスト/カケハタリョウ
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