【お話を伺った方】
美容業界で活躍して50年以上という、業界の重鎮。大手化粧品メーカーで商品開発、マーケティングなどを担当し、多くのヒット作を手がけたのち、独立。現在は美容コンサルタントとして講演やセミナー、商品開発・美容教育アドバイスなど多方面で活躍。化粧品の基礎から製品化までを研究してきた多くの経験をもとに、スキンケアを中心とした美容全般をわかりやすく解説し、正しい美容情報を発信している。
「スキンケアのあと、べたつきが気になるなら、肌に合っていないかもしれませんよ」と、この連載の1回目で男爵に指摘されたシマコ。だからクリームを替えてみたんです。そしたら…
べたつきは改善したのですが、今度はなんだかくすみが気になるような。
こうした微妙な変化に気づいた自分を褒めつつも、クリームひとつでこんなに肌が変わる!とびっくり(替えたクリームも、私の肌にはいまいちだったってことかも)。
やっぱり男爵おすすめのクリームを投入しよう!と誓ったシマコなのでした。
まずはブランドの哲学に注目すべし!
シマコ:男爵、こんにちは。クリーム連載も4回目となり、いろんなクリームが登場して面白くなってきました。
今日は“自然由来系、植物系”や“皮膚科学理論”にまつわるクリームについて教えてください。
なんとなく「保存は大丈夫なのかな」「効くのかな?」という勝手なイメージがあるのですが。
男爵:保存に関しては、今は本当に技術が進んでいますので、自然由来系だからとすぐに悪くなるようなことはありません。
手作り化粧品となるとわかりませんが。
効果に関しても、パワフルな植物のエキスもあって、自然由来系もなかなか面白いんですよ。
オーガニックや自然由来を謳っているブランドは、効果というよりも考え方に賛同できるかどうかで選んでみてください。
ブランドが持っている哲学に共感できたり、使うことで気持ちが上がるようならぜひ使っていただきたいですね。
シマコ:オーガニック系だと防腐剤フリーというブランドもありますが、保存は大丈夫なのですか?
男爵:防腐剤の定義もいろいろあり、できるだけ自然由来で安定的に保存できるものもあります。
僕は〇〇フリーということに注目するよりも、商品特性や開発の意図などに注目してほしいですね。
では、たるみ、シワ、ハリ対策クリームの後編、3点をご紹介しましょう。
〔上の写真:左からハウトシールド 美容EQクリーム、メルヴィータ アルガン ビオアクティブ クリーム、クリニーク スマート リペア アップ クリーム〕
◆皮膚科学の最先端技術で高純度濃密クリームが完成
ハウトシールド
美容EQクリーム
セラミドを配合するのではなく、細胞間脂質のラメラ構造を整えることに着目した独自のOLT(オーソ・ラメラ・テクノロジー)製法で作られたクリームは、化粧水不要でお手入れはクリームひとつで完了。複数の機能をひとつにまとめたオールインワンとは異なり、肌構造を模倣したクリーム。メイク下地としても。
50g ¥9,350(税込)
男爵:ハウトシールドは非常に面白いブランドです。
メーカーは福岡県糸島市にありますが、研究者はドイツの皮膚科学者。ドイツで技術特許を取得している独自の配合製法「OLT(オーソ・ラメラ・テクノロジー)」が特徴です。
私もハウトシールドの新製品発表会に登壇させていただきましたが、このOLTは肌のラメラ構造に極めて類似した形状を人工的に作る皮膚科学の最先端技術。美容EQクリームは美肌へのマルチな効果を発揮する「ナイアシンアミド」や保湿力の高い「モリンガオイル」を高濃度配合で、これひとつでお手入れが完了するというユニークなスキンケア。ぜひ試してみてください。
◆自然由来成分99%のとろけるクリーム
メルヴィータ
アルガン ビオアクティブ クリーム
数年間、一滴の雨が降らなくても枯れることがないといわれる、驚異的な生命力と保水力を持つアルガンの木。メルヴィータの30年のアルガン研究から誕生した「発酵アルガン*」とハリを与えるアルガンの果肉エキス、美容成分を豊富に含むアルガンオイル配合のクリーム。自然由来成分99%、オーガニック由来成分24%配合。肌になめらかに密着するテクスチャーで、使うたびシャープな印象へ。
50mL ¥7,700(税込)
*アルガニアスピノサ核油、カンジダボンビコラ/(グルコース/ナタネ油脂肪酸メチル)発酵物(すべて整肌成分)
男爵:メルヴィータは1983年に生物学者で養蜂家のベルナー・シュビリア氏が創業したオーガニック認証コスメブランドです。
オイルというのはどのように組み合わせ、どんな感触を作るかというレシピがありますが、メルヴィータは30年近くアルガンオイルの研究を行っているだけあり、そのこだわりがすごい。
クリームのなめらかなテクスチャーをぜひ体感していただきたいです。
また、アルガンオイルは美容成分を多く含むので、肌を保護して柔らかくする効果も。
スキンケアを充実させるアイテムとして、取り入れてみてはいかがでしょうか。
◆フェイスラインの肌の緩みに皮膚科学発想のアプローチ
クリニーク
スマート リペア アップ クリーム
フェイスラインの肌を引き締め、たるみ毛穴*¹をケアする4種のペプチドを厳選した「引き締めペプチド*²ブレンド」を配合。首元から顔に引き上げるようになじませることで、すっきり理想のラインを形状記憶するような肌印象に。
50mL ¥13,420(税込)
*¹ 年齢とともに気になりやすい毛穴のこと *² アセチルヘキサペプチド-8・パルミトイルトリペプチド-1・パルミトイルテトラペプチド-7:肌にハリを与える成分 /パルミトイルヘキサペプチド-12:引き締め成分
男爵:クリニークが誕生したのは1968年のニューヨーク。
「VOGUE」の編集者キャロル・フィリップスと皮膚科医のノーマン・オラントラックの対談で、キャロルの「美しい肌をつくり出すことはできるか」という質問に、ノーマン氏が「YES」と答えたことから立ち上げたブランドです。
初代の社長は「VOGUE」のキャロル・フィリップスなんですよ。
ですから、ブランドには「美しい肌はつくり出すことができる」というDNAが流れているわけです。エイジングラインが登場したのは1977年。
皮膚科学に基づくスキンケア理論は当時から変わらず、2024年に登場した「引き締めペプチドブレンド」という発想はドクターズブランドのパイオニアともいえるクリニークならではだと思います。
次回は、この季節に気になる保湿クリームです。男爵ならではのラインナップにご期待ください。
取材・文/島田ゆかり イラスト/カケハタリョウ
★コスメ男爵OKABEこと岡部美代治さんの著書『正しく知る・賢く選ぶ 美容成分大全』(ナツメ社)はこちら!