4月3日(月)に集英社から発売された『ずっと美しい人のインテリア』。
OurAge世代やその先輩達の、家や暮らしを描いた新刊です。担当編集者が、中でもこだわりの詰まった岩里祐穂さんの家づくりをご紹介する第2弾。今回は収納のこだわりをたっぷり。
ディテールにこだわり続けて実現した理想の家
「私、収納が大好きなんです」
取材当日、岩里さんが開口一番に言った言葉が印象的だった。
その通り、1階も2階も見事に収納が多い。
例えば、ご夫婦それぞれの仕事場がある2階。
仕事柄、膨大な数のCDやレコードを所有しているが、部屋の中から廊下まで、寸法通りにつくられた棚に見事に整然と収まっている様は圧巻のひとこと。寝室の奧のクロゼットやキッチンの引き出し、バスルームの棚など、どこを覗いても考え抜かれてスペースがつくられ、仕舞われていることがわかる。しかも、日常生活での出し入れのしやすさまで完璧に。
当たり前だが、ものが片付いていると大きな面積を占める床や壁面、インテリアとして配置されているテーブルや椅子、壁面を飾る絵や照明、ドアなどが、クローズアップされて目に飛び込んでくる。
岩里さんはそのディテールひとつひとつにもこだわり抜いた。
「たまたま主人が見ていたメンズ誌の小さな広告に目が止まったんです。名古屋のファクトリーツールという、その会社にすぐ飛んでいきました」
インテリア好きの勘? それとも運命の出会い? ファクトリー・ツールのテイストは、まさに岩里さん夫妻が探し求めていたそのものだった。
「昭和に建てられた画家のアトリエをリノベーションした住まい」、という岩里夫婦のストーリーを理解して面白がって、一緒に考えてくれる、そんなプロとの出会いがあったからこそ、思い描いた家が実現できた。
「大変だったけれども、取っ手ひとつ、スイッチ板ひとつにもこだわり抜いたプロセスはとても楽しいものでした。家族が力を合わせてつくり上げる、そこに家族の歴史が刻まれ、人生が息づいている、と実感する瞬間でした。でも、できればもう一軒つくってみたいな(笑)」
作詞家はもう別のストーリーを紡ぎ始めているのであった。
『ずっと美しい人のインテリア』
¥1500+税(集英社)