「主食は太るから」とか「何しろ野菜を!」などと穀類を控えている人が多い昨今。あなたや、あなたのまわりはどうですか?
「過去60年間で日本人の食物繊維摂取量は減少傾向にあり、特に、現代人は穀類からの食物繊維量が約7gも減っているというデータがあります」とは、大妻女子大学家政学部 教授の青江誠一郎先生。
栄養化学を専門とし、食物繊維の機能性、消化管機能、脂質栄養、メタボリックシンドロームなどを研究している青江先生は、穀類の食物繊維研究を牽引してきた第一人者でもあります。
特に穀類に含まれる水溶性食物繊維は難消化性糖質として大腸まで届き、腸内細菌の餌となって腸内環境を整える役割を担っているとか。穀類離れにより、私たちは腸内環境を悪化させていたのです。
「便秘に悩む女性やメタボリックシンドロームの男性が増えているのも、穀類離れが大きく関わっていると考えられます」とは聞き捨てならない問題です!
穀類を食べなくなり、食物繊維の摂取量が減ってしまった弊害は全身に影響を与え、高脂肪・低食物繊維食では、腸の中は毒素がいっぱいになってしまう、と青江先生。
「最近では、全粒穀物摂取で死亡率が低下するという論文も発表されています。医療費にしたらかなりの額が軽減されることにつながるのです。それだけに、海外では穀類の摂取を推奨する動きがありますが、日本ではそれがなされていないのが現状です」
穀類に関しての論文は数多くあり、なかでも朝食に穀類を食べることによる冠状動脈疾患への健康効果(総コレステロールやLDL-コレステロール値が減少)、消化管の健康効果(便秘解消)などは信頼できるエビデンスが確立しているのだとか。
穀類のうち、食物繊維含量が一番多いのが大麦。その中でも、主食として食べるなら水溶性の食物繊維「大麦βーグルカン」の含量が多い「もち麦」がオススメ、と青江先生。
「大麦βーグルカン」について、次のページでご紹介します。
「大麦βーグルカン」は水溶性食物繊維のひとつで、以下のような機能があります。
①糖質の吸収を抑える
②血中コレステロールを低下させる
③おなかの調子を整える
まさに、生活習慣病予防のために内臓脂肪を減らしたい人、ダイエットしたい人に嬉しい機能ですよね。ちなみに、野菜に含まれる食物繊維のほとんどは不溶性食物繊維が多いとのこと。野菜よりも穀類での食物繊維を摂取したほうが2型糖尿病の相対リスクが低下するという研究結果もあるそうです。
「もち麦ファースト」を新健康習慣に!
さらに注目したいのは、大麦βーグルカンには「食後の血糖値の上昇抑制」があるという研究結果や、朝食べると昼食まで血糖値の上昇が抑えられるという「セカンドミール効果」、また最新の研究成果では、1日の総カロリーや糖質もコントロールできることも認められているということ。
青江先生は、高βーグルカン大麦の摂取により、内臓脂肪型肥満の人の内臓脂肪、体重、BMI、腹囲を安全に有意に減らすことが出来たという論文をつい最近発表したばかりだそうです。
「もち麦を朝食(1日の初め)に食べて1日の代謝をコントロールしたり、食事の初め(インテイク)に食べて満腹感をコントロールすることをオススメします」
しっかり朝食を食べることは、ズレがちな時計遺伝子をリセットしてくれるそう。また、腹持ちが良く満腹感が持続するので、食べ過ぎ抑制にも。「食欲の秋だからつい…」なんて人も、もち麦ファーストが健康と体型維持に役立ちそうですよ。
もち麦は、大麦の中でも食べやすく、普通の白米と同じように美味しくいただけます。
そこで、「生活習慣病」「ダイエット」などを専門分野とする料理研究家の浜田陽子さんが、ストック食材を使って簡単に作れるオススメのレシピを2つ教えてくださいました。
レシピについては、次のページへ!
日本初! ごはんの機能性表示食品
レシピに使ったのはこちら、大麦の優れた機能性への研究から生まれ、ごはんとして初めて機能性表示食品と認可された大塚製薬の「大麦生活」です。
左から、昆布やカツオのだしが香る「 大麦ごはん 和風仕立て」、シンプルな味で白米のように楽しめる「大麦ごはん」。どちらも大麦βーグルカンたっぷりのもち麦を58%使用し、精白米に比べて食物繊維が約10倍含まれています。フタをあけて、レンジに箱ごと2分ですぐ食べられるのもお手軽で嬉しいですよね。
「寒くなってくるこれからの季節に、栄養バランスが取れ、低カロリーながらおなかいっぱいになるスープごはんがぴったり」と浜田さん。早速、「大麦ごはん」を使った朝食と夕食にオススメのレシピを2つ、ご紹介します。
朝食には、「海藻と豆の和風もち麦スープごはん」
時計遺伝子をリセットするためにも、セカンドミール効果のためにも、朝食は大事ですよね。「何となく食欲がない、という時でも、スープごはんならサラサラと食べられるのでは?」と浜田さん。
〈材料〉は、「大麦ごはん 和風だし仕立て」、ミックスビーンズ、海藻ミックス、卵、和風だしの素、小口ねぎ、すりごま、七味唐辛子。海藻類には水溶性食物繊維が多く含まれ、豆類や卵でタンパク質も取れる理想的なバランスです。鍋に水と和風だしの素、ミックスビーンズを入れて火にかけて煮立ったら、レンジで加熱した「大麦ごはん 和風だし仕立て」、水で戻した海藻を入れてほぐし混ぜ、溶き卵を流し入れて混ぜたら完成。器に盛って、小口ねぎ、すりごま、七味唐辛子をちらします。
海藻と豆類というファイバーづくしで、カロリーは363kcal(1人前)。海藻ミックスは、わかめや根菜類、ひじきにしても美味しいとか。早速作ってみましたが、慌ただしい朝でもパッと手軽に作れちゃうのがうれしいところ。しかも、これだけでお昼過ぎてもお腹が鳴らなかったことにビックリです。
夕食には、「海南(ハイナン)チキン風もち麦スープごはん」
「夕食は満腹感だけでなく、食事の楽しさという満足感も欲しいもの。そこで、帰宅が遅い日もパッと作れて、ソースで味を変えて楽しめるレシピを」。
〈材料〉は、「大麦ごはん」、鶏もも肉、鶏がらスープの素、水菜、プチトマト、塩こしょう、白髪ネギ。めんつゆとおろし生姜で作ったタレを添えます。鍋に半分に切った鶏肉と水、鶏がらスープの素を入れて煮込んだら、一旦鶏肉を取り出して食べやすい大きさにカット。水菜とレンジで加熱した「大麦ごはん」を入れ、塩・こしょうで味を調えます。器に盛り、鶏肉とプチトマト、白髪ネギを添えたら完成です。
カロリーは435kcal(1人前)で、そのままで食べると優しい味わい。添えたタレをかけると、生姜がピリリと効いてまた違った美味しさです。さらにお好みでパクチーやナンプラー、スイートチリソースがあれば、本格的な味が楽しめるそう。
「もち麦を自分で美味しく炊くとなると、白米に対して2〜3割が限度。それが、この『大麦ごはん』には58%も配合されていて、こんなに美味しいのは衝撃的」と、浜田さんも絶賛。「大麦生活」は、下記のLOHACOで購入できます。もち麦の健康効果、美容効果に興味を持った人は、早速チェックを!