作家・林真理子さんが幹事長を務める
「エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議」の「オープンカレッジin大分」。
2日目は大学のキャンパスでイマドキのテーマで82もの講座が!
大分県出身・編集者Kが「男も女もアンチエイジング」講座をみっちりレポートします!!
さて、2日目。
朝から大分大学のキャンパスには大勢の人、人、人!!
私、編集者Kは1時限は「中高生のきみたちへ ハローワークin大分」へ。
漫画家、作家、料理家、アナウンサー、考古学者、グラフィックデザイナー、パイロット、シンガーソングライター・・・など32のお仕事について、エンジン01の会員であるプロが教えるプログラム。
私は編集者講座のゲストとして、編集者って何? 一体どんな仕事をしているの? 編集者に大事なこと・・・などの話を、元anan編集長、クリエイティブディレクター、ファッションエディターの堀木恵子さんと共にしたのでした。
中高生にきらきらした瞳で見つめられ、質問をされると緊張するけど、うれしい。夢に向かって頑張ってほしいなと思う。
ん十年前、高校生の時に、こんな講座があったら、行きたかったなあ。
大分では漫画家とか、編集者とか、考古学者とか普通には歩きよらんかったしなあ・・・。(歩いてなかったしなあ)
・・・ちなみに私、編集者Kは大学入学で大分から上京。集英社入社後は『non-no』編集部へ。ここで林真理子さんのコラムや小説連載『東京デザート物語』を担当。(主人公は大分の田舎から出てきた女子大生・・・。スイーツレシピつきの恋物語。集英社文庫でぜひ♡)。その後、文芸誌『小説すばる』でも『死ぬほど好き』『年下の女友だち』(こちらも集英社文庫で♪)など林さんの作品を担当。現在は、企画単行本や付録つきムックなど大人女子向けにいろいろな本を作っています。
そう、それが、今日はキャンパス内には、あれ、見たことがある人が!! と思うと吉村作治先生だったり、茂木健一郎先生だったり。
東村アキコさんだったり、奥田暎二さんだったり、姿月あさとさんだったり、ホリエモンさん、だったり。
いつもは本やテレビ、webの中の人がウロウロしています。
大分で、ありえないでしょ。この有名人密度!!!
ですが、今日一日で大人向け82の講座と中高校生向け32の講座を行うために、各界のスゴイ人たちが154名も集結しているのだから、
これはもう、磁場も狂うほどの「知と美のパワースポット」と言えよう!!
と、ひとりごちながら、
2時限は、OurAge世代は見逃せない「男も女もアンチエイジング」の講座へ。
広い教室はぎっしり!! 女性が9割。メモを用意して、真剣な面持ち。アンチエイジングへの関心の高さがうかがえます。
100歳時代は女も男もアンチエイジング!!
今、気をつけるべき6つのこととは!?
今、アンチエイジングに大切な6つのことを、10年ほど前に膠原病を患った漫画家・アーティストのさかもと未明さん、女性誌や、単行本でダイエットやアンチエイジングを取材してきたクリエイティブディレクター、ファッションエディターの堀木恵子さん、抗加齢学会にも参加している元JAL機長、航空評論家の小林宏之さん、脳卒中の予防と治療が専門の脳神経外科医、筑波大学教授の松丸祐司さんが、それぞれの立場からトークする形で進みます。
アンチエイジング6か条
その1 サビない
まず、“サビない”=酸化しないことが大事という話から。
「老化は酸化から・・・と言われてますね。体をサビさせないためには新鮮な野菜、果物に含まれるファイトケミカルが有効と聞いて、私はもう7年間、毎朝、野菜&果物のスムージーをバイタミックスで作って、飲んでいるんですよ」と南さん。
「毎日、大変じゃな~い?」とさかもとさん。
「もう習慣になりました。1日に必要とされる野菜は360g、果物は250gと言われていますが、工夫しなければ摂れないんです。
小松菜、ブロッコリー、パセリ、りんごとバナナに、柑橘系を入れると美味しくなります。ぜひやってみてください。大分は新鮮な野菜や果物に恵まれているので、とてもうらやましいです」と南さん。
透明感あふれる南さんの肌の秘密はそこに!?
“ああなるために、うちン畑の野菜とみかん、もっと食べんとなあ”と思った大分んビー(大分弁では女子のことを「ビー」といいます。男子は「ボン」)、多数!
かぼすを何にでもたっぷり絞り、みそ汁にも入れちゃう(←美味しいですよ、やってみてください)大分県民、坑酸化対策は頑張れそうだ。
その2 焦げない
次に大事なことは、「焦げない」=糖化しないこと、と南さん。
「お砂糖を焦がしたカルメラ焼きみたいなイメージですかね(笑)。糖分を摂りすぎると余分な糖がタンパク質と結びついて焦げたような状態になり、老化や病気のもとに。それを防ぐためには糖質制限と最近、話題なのですが・・・」と南さんは続けます。
「以前、男性タレントさんに炭水化物や甘いものを制限する低糖質ダイエットをしてもらいました。食事制限だけだとやせなくて。筋トレも同時にやって、3か月で15キロ痩せさせました」と、大ヒットしたダイエット本を手掛けたこともある堀木さん。
「一種の飢餓状態になることでやせるので、過度な糖質制限は脳に支障がでるのではないかともいわれています。TVを見ているだけでも1日400~500カロリーは脳が消費していますから。短期集中ならありかもしれませんが、長期間、糖を制限するのは気をつけたいですね」と松丸先生。
糖化はアンチエイジングの敵。摂り過ぎは注意。長期の糖質制限には気をつける・・・。メモ、メモ。
「そういえば、ある時、厳格な糖質制限をやっているお医者様が、お寿司のシャリは食べない、ふぐのおじやも食べないとおっしゃっていて・・・」と南さんが言うと、
「信じられな~い」とさかもとさん。
「大分で名物のふぐを食べても、おじやが食べられないなんて!! 考えただけで無理ですよね~」と南さん。
「おじや食べられないストレスが体に悪いと思います~」と堀木さん。
“糖質制限より、ふぐのおじや”という流れに、会場は大爆笑!!
その3 太らない
南さんが「もうこれはまめに体を動かすしかないですね。1日1万歩を目標に毎朝の散歩は欠かしません。階段があると一段飛びして上がったりしています」といえば、
さかもとさんが「すごいなあ・・・私なんか、ずっと家にいて86歩という時もある(笑)」。
「僕は一週間の平均で体重コントロールをしています。あまり厳密にやるとストレスになるので。プラスマイナス1キロならOKくらいな気持ちで」と小林さん。
「私、病気になる前はグラビア撮影とか、やってたんですよ。その時はブリジットバルドー風に、鏡のたくさんある部屋で、撮影前の2か月は裸で暮らしていました(笑)。お風呂に入る前とかは必ず鏡でチェックして。
嫌な部分を意識して生活していると体が本当に変わるんです。私は修行僧みたいにダイエットができないタイプなので、イメージを描いて、楽しみながら自分に魔法をかけていきます」とさかもとさん。
「それって大事ですよ。女性誌で男性タレントを脱がせる場合は、まず筋トレしてもらうんですが、どのトレーナーもタンクトップでトレーニングするように指示します。つまり自分の体がどんな筋肉かをチェックさせて、意識させているんですよね」と堀木さん。
「大人向け女性誌では、40歳すぎたら、同じ暮らし方、同じ食べ方していると年間1キロ体重増えるといってダイエット特集を組みます。それだけ考えて過ごさないと、普通にしてたら太ってきてしまう。食べ方を変えたり、動くことが大事なんです」。
ふ、ふ、ふつーにしてたら、太ってしまう・・・堀木さんの言葉がココロに刺さりますっ・・・。
堀木さんのドキッとする話に、松丸先生が体重増を告白・・・。
「いやぁ、僕も東京から筑波に引っ越したら、太ってしまって・・・。田舎の生活は太りますよね~」
周りの大分の人たち、「そーじゃ、そーじゃ」と深くうなずいている・・・。
「車移動の生活になって地下鉄の階段を歩くこともなくなり、体重が増えたら、車の乗り降りすらしんどくなって(苦笑)。ついにスクワットを始めました。
60歳から70歳の人に筋トレさせるとどうなるかという研究があるんですが、明らかに自分で歩ける時間が長くなるんです。歩くのがしんどいなあと思ってきた人ほど筋トレは必要です」
「ジムにいかなくても、自分の体で負荷をかける自重トレーニングでいいんですよね」と南さん。
「スクワットや、ストレッチからでいいと思います。足の筋肉がおちてくると、自分がイメージしているより足が上がらないんです。だから少しの段差でもつまづく。以前ならバランスをとって、なんとかなったのに、そのまま転んでしまって骨折する人も多いですね」
「折れないためにも、いくつになっても筋トレは遅くないということですね」と南さん。
ただ痩せるのではなく、鍛えるべし。スクワット&ストレッチから始めよう。
その4 しぼまない
体重は落としたいが、しぼんではダメ・・・。たるみやしわのもとにもなるから、やたらなダイエットが難しい大人女子世代には切実な話。
「急にダイエットして体重を落とすと、ある年齢以上は、しぼんだみたいになるんですよ。たるんだり。それはまた問題ですから、筋トレやストレッチで筋力を維持することが大切です。そして、タンパク質はきちんと一日200gは摂ること。
40歳を過ぎると毎年1%ずつ筋肉が落ちていくといわれています。私は、ランチタイムがゆっくりとれない時、コンビニでヨーグルトと、チーズを買って食べるんです」と南さん。
なるほど、お腹すいたら、コンビニでヨーグルトやチーズ購入、ね。
「しぼまないためにも脂肪は摂らないわけにはいかないのですが、賢く、よい油を摂りたいですね。動脈硬化を防ぐ不飽和脂肪酸が含まれているオメガ3が話題ですが、これは青魚にたくさん含まれているといわれています。大分だと、名物の関あじ、関さばにはたくさん含まれていますから、うらやましい(笑)。逆に摂らないほうがいいのは、トランス脂肪酸。マーガリンや、お菓子にも入っているショートニングなどは注意したいですね」
ふむふむ。ただ、食べないのはダメ。タンパク質、よい油を摂ることを意識しないと。
周りの人も真剣にメモしています。
その5 ボケない
「もう最近人の名前が覚えられなくて・・・。認知症ではないかと思うくらいなんですけど・・・」と真剣な顔で松丸先生に聞く堀木さん。
松丸先生は「心配ならチェックもできますよ。アルツハイマーによる認知症は予防できないんですが、脳血管障害による認知症は予防できます。血管の動脈硬化を進める要因を除去すればいいんです。喫煙をやめたり、高血圧、脂質異常、糖尿病などは、食事療法や、薬でなおせば、防げます。いい薬もできてきていますから、あまり怖がらずに、自分でできることで、まずは血管の老化を防ぐことが大事ですよ」
「私なんか、もともとボケてるからわからない~(笑)。でもストレス耐性が低いから、あまり気にしないようにしてるし、いやなことは避けているかもしれない。みんな我慢しすぎでしょう。顔が悲しそうになったり、悪口ばっかり言ったり。文句あるなら別れればいいじゃん、て言うと、できないって言う。じゃあ仲良くしたらいいじゃん。もっとシンプルに生きればいいのに。自分の気持ちに素直に。ボケちゃっても、自分はわかんないから、いいんじゃないくらいで(笑)」とさかもとさん。
ボケたくはないけれど、確かに心配しすぎたり、我慢しすぎてのストレスは、脳や心に悪そう・・・。
そこに小林さんが「ボケないためには、ワクワクどきどきすることも大事ですよね。死ぬまでゴルフしたり、恋したり。好奇心を持って生きたいですね」。
「確かにいくつになっても元気な人って、欲がありますよね。色、お金、美貌・・・」と南さんが言うと、さかもとさんが立ち上がって南さんの方へ。
「みなさ~ん、南さんの脚、すっごく綺麗なんです。立って皆さんに見せてあげてくださいっ」
「アララ・・・、そんなお恥ずかしい。でも、欲望を持つのは大事ですよね。もっとキレイになりたい、とか元気でいたいという力になりますから」
「そ~ですよ~♪」とさかもとさん。
「前は異性好きでしたが、ちょっと離婚でこりまして。今は、お金好きです♡(笑)」と南さん。
皆さんの意見をまとめると、ボケない生き方は、血管を若く保ち、我慢しすぎず、欲望も大事に、ということに♪
そして・・・最後のひとつは・・・!?
その6 折れない
「”屋台骨”とはよく言ったもので、本当に骨は大事にしないと。折れることが心配な世代です。くしゃみしたら、肋骨が折れた友達もいます。特に女性は閉経すると女性ホルモンが少なくなり、骨にとっては大打撃ですから。母と祖母は、骨粗鬆症で寝たきりになったら、たちまち認知症になりまして・・・。なので、私は婦人科の主治医に骨密度などもチェックしてもらって気をつけています」と南さん。
「骨の健康はまず歩くことですね。よい刺激になります。でも今は骨を作るいい薬があって注射もできますから」と松丸先生。
歩いて頑張りたいとは思っているけれど、松丸先生にいい薬があると聞くと、ちよっとホッとしたりして。医学の進歩にも期待大。
「カルシウムが骨にはいいので、しらす、小魚、牛乳や青い野菜を摂りますが、その吸収を助けるビタミンDが必要。そのためには日光を浴びないといけないんですが、女性はシミも気になりますよね。特にUVA波による光老化は、たるみや深いシワの原因になるので、日傘やUVケアで防ぎつつ、朝の散歩をしています」と南さん。
「いや、もうそこはフォトフェイシャルとか、レーザーとかあるから」と、突っ込むさかもとさん。
「アンチエイジングの経済学、これはもう大きいテーマですが(笑)。どこにお金をかけるかですね」と南さん。
「回数券にするとお得ですよ(笑)」とさかもとさん。
二人の息の合った掛け合い?で、またまた笑いの渦に!!
ということで、ワイワイ楽しく、それぞれの体験からも語られた6つのことはコチラ。 心に刻んで実践しなくちゃ!
★南美希子のアンチエイジング6か条★
1 サビない
2 焦げない
3 太らない
4 しぼまない
5 ボケない
6 折れない
真剣に聞いていたら、あっという間に2時限終了の時間に・・・。
最後に、それぞれの方からの素敵なメッセージを!!
堀木恵子さん
「毎日の小さなこと、積み重ねがアンチエイジングには大切だと思います。
ずっと活躍している歌手や女優さんに話を聞くと、毎朝、白湯を飲んでいるとか、ストレッチをしているとか、体にいいことを毎日続けているんですよね。
私も最近、転びやすくなってきたので、月二回は筋トレ。スクワットや、手回しなど簡単なことは合間にやっています。まずは、いいと言われることはやってみる、そして続けることではないかなと思います」
松丸祐司さん
「人は血管と共に老いるといわれますが、血管の老化と体の老化はつながっています。血管の若さが全体を左右するのです。血管の老化を防ぐ食事や運動は大事だと思います。
また、医師の立場で言うと、アンチエイジングを金儲けと考えている人たちも多いので、科学的に証明されていること、いないことは明確に区別して考えて、お金をつぎこむ時には考えていただければと(笑)」
さかもと未明さん
「皆さん、こんなに頑張ってるんだと(笑)。今日は勉強になりました。私は病気を抱えているので、頑張れないんですね。40歳のころ、膠原病になったんですが、体幹の筋肉がとけていくんですよ。何もしなくても10キロやせてしまった。ベッドに横になっているしかない時、よく手を上に伸ばして、呼吸をして、気を巡らしていました。そうしているうちに回復期に、チャクラがあいたというのか、最後にポンと悪いものが抜けていったのがわかったんです。ヨガなどもそうだと思いますが、気や呼吸を整えることで元気になるという、自分の力を信じていたいですね。
芸能人みたいに写真を撮りっこするのもおススメ。イケてる笑顔の自分の写真を見ることで元気になれる。いい脳トレにもなりますよ。
睡眠もすごく大事。私は睡眠効率が悪いので、気をつけています。
そして、なにより、年齢や役割、こうあるべきという形に縛られないで、心を自由にして生きて欲しいな。そういう人はいつまでも若い気がします」
小林宏之さん
「戸籍年齢は変えられないけれど、ホルモン年齢、精神年齢・・・は自分の意志でコントロールできる、と思っています。長年、飛行機を操縦していたので(笑)、安全、健康、年齢は自分で決める!!
今までの自分の生活や習慣が年齢ですから、バランスよく、目的を持って、いきいきと。“いつだって今が旬”という生き方がアンチエイジングになるのではないかなと思っています」
南美希子さん
「今日はお話を聞いていただいて、皆さん、アンチエイジングのスイッチがONになったんじゃないかなと。ただ、なんでも年齢に抗おうというのではないんです。Withエイジング、Wellエイジングという言葉もあるように、年齢と上手につきあい、受けて入れて生きていくことも大事だと思います。ただ、みかけの若い人は健康度も高いという統計もあるので、意識した食事やトレーニングなどの努力は必要なことだと思っていますが。
それぞれ、人生で作る大切な作品はほかでもない自分です。あなたという作品を作り上げるのは他でもないあなたなのです。他人が何を言おうと少なくとも死ぬ時に、自分自身が満足して、まあ、よくできた作品だなと思えたらいいなと思って、私は頑張っております。
あ、欲望も大事ですね(笑)」
最後は、南さんが締めて、大きな拍手が沸き起こり、終了となりました・・・!!
・・・・次回は、作家・林真理子さんの3日間に密着!! 元気の秘密は一体!?・・・・
写真・協力/エンジン01 文化戦略会議 事務局