GW、半分はうちで溜まった片づけものをするとして、半分は2泊か3泊で近場の海外へでも。さてどこにしようと考えつつ書店の旅本コーナーをふらふらしていた時のこと。端正な表情をした一冊の本が目にとまりました。
『週末香港、いいもの探し』(160ページ 誠文堂新光社 ¥1,620)。
え、これ香港? なんだかイメージが違う。香港のお茶碗ってなんかこうもっとカラフルというか、中華街の入り口の柱っぽいというか。そう思って本を手に取り見ていくと、驚きました! 紹介されている雑貨が、欲しいものばかり、知らないものばかりだったんです。
ステンレスのポット、竹べら、魔法瓶、レンゲ、貝ボタン、ハサミ……。どれもクールでそれでいてかわいらしい、使ってみたい。なかでもこれは、とそそられたのが、豆腐花のスプーン。
食べる用ではなく、お店の人が鍋からひゃらっとすくうのに使うやつです。なるほど〜豆腐花の口当たりの良さは、この薄くて平たいスプーンですくってこそ、だったのかと、勝手に納得。そして大皿に盛ったサラダやクスクスに添えてみたいと思いました。
香港には何度か行っているのに、ざわざわした空気は大好きだし、厨房道具の店が集まる上海街も知っていたし、道路にはみ出さんばかりにものを並べている荒物屋さん(?)も気にはなっていたのに、私は何を見ていたんだろう?
でも、あの街には好きになる要素がまだまだあるということ。そして本の隅々からは、こんな魅力的な雑貨たちが消えつつあるという話も伝わってきます。
よしっ、今度の休暇は香港で宝探しだ。久しぶりにスターフェリーにも乗って海峡の風に当たりたい。
著者はインテリアや雑貨、料理などのベテランスタイリスト大原久美子さん。
さすがプロ、と思いきや、時々失敗談もあったりして読んでも楽しい本でした。博物館やローカルエリアの情報も紹介されています。
※本の中ページ掲載については、出版社の許可を得ています。