子供を見ると親が分かる、と言いますが、ハリウッドスターの子供たち、セカンド・ジェネレーションはなぜか皆、礼儀正しい若者たちです。
元祖セカンド・ジェネレーションのマイケル・ダグラスはすでに70歳を越してますが、シャロン・ストーンをスターにした『氷の微笑』(1992)の時のインタビューで「世間は“親の七光り”という色眼鏡をかけて見るから、スターの親を持つセカンド・ジェネレーションは大変なことも多い。『カーク・ダグラスの息子だから会ってみよう』というのがスタートで、普通なかなか開かないスタジオやプロデューサーへのドアが開いたあとは、何をやっても『親のおかげで 』と言われながら厳しいアラ探しにさらされ、自分なりの道を切り開くのは簡単ではなかった」と教えてくれました。
そんな理由から彼はあえてプロデュ−サーの道を進もうとします。アカデミー賞を5部門で受賞した『カッコーの巣の上で』(1972)は、彼がプロデュースをした最初の作品です。
その“親の七光り”と共に生きなければならないことを完璧に表現したのはメリル・ストリープの長女メイミー・ガナーです。
彼女は「メリル・ストリープの娘として俳優の道を進むのは、不治の病と共に生きるのと同じ。上手く共存するしかないのです」という名言を残しています。
メリルにはもう一人女優を目指してる次女のグレース・ガナーがいます。
「母は自分が超有名な女優だという立場から、むしろどんな時も私たちにヘルプの手を差し伸べません。彼女は私たちのキャリアを援助することが、私たちにとって有害だということを知ってるからです」と言います。
メリル自身も「相談をされればアドバイスはしますが、彼女たちのキャリアは自分たちの力で築くのがいちばんだと信じてます」と言ってます。
ふたりともなかなかの演技派です。
最近注目されているのが、甘い二枚目のパトリック・シュワルツェネッガーです。主演作『ミッドナイト・サン~タイヨウのうた~』(新宿ピカデリーほかで公開中)で初めて会いました。
とてもハンサム!そして上品です。父アーノルドのことを「彼は、自分の人生の夢を目標をすべて自分の努力で達成した人。今の僕なんか父の足元にも及ばないです」と、父親への敬意を惜しみなく表現します。
確かにアーノルド・シュワルツェネッガーは自分の道を自分で切り開き、努力に努力を重ねてカリフォルニア州知事にまでなった人。彼から「僕は物事を複雑にしないで生きる」という言葉を何回も聞きました。
いつも「僕はシンプルに考え、シンプルに物を見て生きる。人生努力するのみ。ガハハハ」とあっけらかんとしてました。
シュワちゃんの元妻はアメリカのロイヤルファミリーと揶揄されるケネディ家のひとり、ジョン・F・ケネディの妹、ユーニス・ケネディ・シュライバーの娘マリア・シュライバー。パトリックのお母さんです。
エリート政治家集団のケネディ家の血が半分入ってるパトリックですが、小さい時から俳優になりたかったそうです。子供の頃“良い子”でいると“お父さんの撮影現場”に連れて行ってもらって、父親がターミネーターとか、ミスター・フリーズの格好をしたまま、お父さんしてくれるのが楽しくてしょうがなかった、と笑ってました。
シュワちゃん良いお父さんなんですね。
トム・ハンクスの長男コリン・ハンクス(40歳)は年と共にお父さんに似てきてます。
「両親が離婚した後も(コリンは前妻サマンサ・ルイスの息子。トムの現在の妻リタ・ウィルソンとの子供ではない)父の撮影現場について行ったりして、寂しい思いをしたことはないです」と教えてくれます。
トム・ハンクス自身、「仕事で遠くに行ってる時以外は子供たちを歯医者にも連れて行くし、学校の送り迎えもするし、できる限り子供たちとの時間を作る」といつも言ってます。
コリンは父トム・ハンクスのことを話したがりません。
「小さい頃から『君のお父さんをテレビで見た、映画で見た。どんな役をしてた。ところで君のお父さんは実生活ではどんな人?』とかいう質問をさんざんされてて、今もさらにそれを聞かれるといい加減にして欲しいという感じがする。
まして最近は『お父さんが若い頃にそっくりですね』というのが加わってしまったからね」と笑ってます。