オジサンだけではなく、若者や私たちOurAge世代の女性にも悩みを抱える人がいる「薄毛」。さまざまな対策が模索される中で、発毛効果が認められている成分と言えばミノキシジルがおなじみですよね。
「ミノキシジルは、もともとは血管拡張剤として1950年代後半に開発された成分です」
そう教えてくださったのは、日本医科大学付属病院形成外科 講師の高田弘弥先生。高血圧患者の飲み薬として使われていたものの、女性の顔の毛が濃くなるという副作用が報告され始めたのだそう。
「その副作用を効能であると捉え、後に“発毛剤”として転用されました」
1988年にFDA(アメリカ食品医薬品局)が発毛剤として認可。日本でも一般用医薬品として承認されています。しかし、何故発毛を促すのか、そのメカニズムの詳細はきちんと解明されていなかったんですって。
「予期せぬ効能だったこともあり、研究が進められていなかったのです」
それが今回、その解明が前進したそうなんです! 新たな視点から研究を進め「ミノキシジルに振動圧刺激を与えると発毛因子が活性化」すると細胞レベルで確認することに成功。上の写真は、その実験のために開発した世界初の研究機器だとか。
はて、【振動圧刺激】と聞くと何だか難しくてわかりにくいけれど、つまりはマッサージのような刺激ということ。
振動圧刺激による発毛促進は既に解明済み!
振動圧刺激は、言い換えれば物理的な刺激を与えるマッサージのこと。医学的な見地では力加減なども重要な要素になってくるそうですが、その効果について、日本医科大学形成外科教室 主任教授の小川令先生が説明してくださいました。
「皮膚に対する物理的刺激(マッサージ)は、新陳代謝や血行の促進、さらに遺伝子レベルにも作用するとあきらかになっています」
頭皮への刺激に関しても、血行促進だけでなく細胞レベルで毛周期を早める可能性があると示唆されているのだとか。
ということは、ミノキシジルとマッサージの合わせ技は、ようやく出合えた最強の組み合わせなのかもしれませんよ!
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ミノキシジル×振動圧刺激の発毛効果、悩んでいる人にとってまさに待ち望んでいたニュースですが、では、実際にはどうケアに役立てればいいのでしょう?
YouTubeで「川島式ヘアメディカルマッサージ」を配信中!
今回の研究の成果を受け、発毛治療を専門とする「ヘアメディカル」グループ総院長の川島眞先生監修のマッサージ法が完成! 日本コスメティック協会認定指導員として講座などで活躍する小田芙美子さんがその施術法を考案し、現在YouTubeで配信中です。
セミナー会場では、小田さん自身がデモンストレーションを行い、マッサージ法をレクチャーしてくださいました。
まずはミノキシジルを頭皮に塗布。頭皮が若干湿っている方が浸透しやすいため、実際は洗髪してタオルドライした後にマッサージを行います。
「指の腹に力が入るよう、ツボにじんわり圧をかけながら髪の毛だけでなく頭皮を動かしていきます」
YouTubeには男性、女性のバージョンがあり、上の写真はその1シーンです。ツボの位置もイラストで示され、どう刺激するのかもテロップで流れてくるのでとてもわかりやすい! この動画は4分弱。お風呂上がりの日課としても取り入れやすそうですね。
近い将来に薄毛治療の世界が変わる!?
実は今回の解明は、研究・臨床・開発の3つが連携した共同研究の一環。基礎研究を「日本医科大学」が担い、「ヘアメディカル」グループが臨床的に評価、それを「アンファー」が製品として開発するという今までにはなかった試みなのだそうです。
既に医療機器の開発はスタートしていて、2020年にはクリニックに低周波振動圧刺激による薄毛治療機器、その翌年にはホームケア用のデバイスが登場する予定とか。これは大きな話題になりそうです!