愛犬「きらら」ちゃんを胸に明るく微笑む、女優・十朱幸代さん。その年齢を聞いてびっくり! お肌はツヤツヤ、会話もスマート。最近は自伝も出版して話題。そんな彼女の"輝き"のわけを、ズバリ! 伺いました。
いつも前だけ見てきました。過去は忘れて。
「孤独」で「自由」で「前向き」が、元気の秘訣です
どこから見ても、
「これが私!」です
明るくておおらかで、とってもかわいらしい。キャリア60年余の大御所女優さんで75歳! とは思えないほど十朱幸代さんは若々しいオーラに包まれています。
「そう言っていただけるのは、うれしいですね。たぶん、ストレスをためない、自由な生き方をしてきたからだと思います。嫌なことがたとえあったとしても、すぐに忘れてしまう。過去は振り返らず意識して楽観的に生きてきました」
そんな十朱幸代さんが一大決心をして過去を振り返り、一冊の本を出しました。『愛し続ける私』というその本には、自身の生い立ちから15歳での女優デビュー、テレビの世界や映画業界で頑張ってきた様子、舞台女優として花開くまでの詳細が鮮やかに描かれています。さらに"恋多き女"と呼ばれた彼女がどんな恋をしてどんな別れを経てきたのか、細やかな記憶をなぞり、切々と綴られて…!
「だって、こういう本を出すとなったら中途半端に隠し立てするのはよくないと思ったんです。一度忘却の彼方に捨ててしまった過去の恋を今になって振り返るのは、実はけっこう痛いこともありました。でも覚悟して取り組みました。これが私ですし、『ま、いっか』って(笑)」
十朱さんのスイートで女らしい魅力を支えているのは、このスパッと潔い芯の強さ。恋に心揺れながら結局、結婚より仕事を選んできた彼女のジレンマや痛みは、今の私たちにも共感できます。
さらに、華やかに見える生活の裏には、40代から始まった足の痛みとの闘い、8年ほど前の両足の大手術、完治までの長期リハビリなど壮絶な経験も。
「完全復活まで1年半くらいかかりました。その間露出が減ったので、ネットには〈十朱幸代死亡説〉まで流れたんです。今となっては笑い話ですけれど(笑)」
次ページでは、十朱幸代さんの私生活をちょっぴりのぞいてみました。
自宅の庭。春には自慢のバラが咲き誇ります。いただきもののつるバラの鉢から丹精して育てたそう。
愛犬きららと陽当たりのよい居間でくつろいで。以前から和犬が大好き。豆柴でメスのきららは〝おとなしくてとてもよい子〞。
Yukiyo Toake
十朱幸代さん
1942年生まれ。’58年ドラマ「バス通り裏」(NHK)でデビュー。以来、60年余、ドラマ、映画、舞台で幅広く活動し、ブルーリボン賞主演女優賞、日本アカデミー賞主演女優賞など受賞歴も多数。8年前の両足の手術を乗り越え、今もドラマや舞台など幅広く活躍中
大反響でたちまち3刷!
『愛し続ける私』
http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-333155-8
次回は、十朱幸代さんの若さを保つ秘訣に迫ります!
撮影/馬場道浩 取材・原文/岡本麻佑