笑って、共感して、元気になる、
黒田知永子さん×地曳いく子さんの
トークショーに行ってきました!
ただ今発売中の「MyAge」の表紙キャラクター黒田知永子さんと、
スタイリスト&作家の地曳いく子さんのトークショーが開催されました。
二人は集英社の雑誌『eclat』で出会い、仕事でもプライベートでも旧知の仲。
その後、黒田さんが『eclat』を卒業したことで会う機会が減ることを惜しんで“魔女会”と名付けた女子会を結成。その会で地曳さんが「一緒に本を出さない?」と黒田さんに声をかけたことから誕生したのが、共著「おしゃれ自由宣言!」。
もっと自由に、もっと自分らしく、今を楽しみたい女性にむけて、等身大のおしゃれを教えてくれるスタイルブックです。
今回、本の発売を記念して行われたNHK文化センター青山教室でのセミナー「これからの、大人のおしゃれ」には、二人のファン約140名が参加。
黒いワンピース姿の黒田さんとグレーのワンピースに黒のスパッツをレイヤードした地曳さんが拍手で迎えられ、いよいよトークショーの始まりです。
(あとでおふたりの全身のスタイルもお見せします)
開口一番、地曳さんが
「モデルとスタイリトの共著であれば私がスタイリングをして知永子さんに着ていただくのですが、この本に出てくるものはすべて彼女の私物でセルフプロデュース。私は手も口も出させてもらえなかったんですよ」と言うと、すかさず黒田さんが「違うんですよ! お互いのお洋服をスタジオに持ち込み、それぞれ着替えてはカメラマンに撮影してもらうのですが、本人、自分のことで手いっぱい(笑)。しかも決めのカットで履こうと思ったスカートが入らなかったというアクシデントもあったしね…」と。
二人の歯に衣着せぬやり取りに一同、グイグイと引き込まれていきます。
地曳「私たち、こんなに歳を取るつもりじゃなかったですよね。もうすぐいろいろな割引も利いて怖いんですけど」
黒田「映画も安く観られるようになるから、それは楽しみ(笑)。でも自分が思い描いていた60代はもっと大人で、いろいろなことをきちんと考えていて、と思っていたけど…」
地曳「それって、お着物着て歌舞伎に行ってケンザンを使ってお花を活けて、みたいなことでしょ? でも私はライダース着てライブに行ってますよ」
黒田「きっと母世代の女性は、お出かけするときはきちんとおしゃれをしたいし、いろいろな決まり事や社会的な風潮があったと思うの。でも私たち世代はデニムがファッションのステイタスを確立したし、運動や犬の散歩以外にスニーカーを履くことがおしゃれな時代。大きく変わってきた時代の先頭にいるのが私たちなのかな」
地曳「そう私たち、未開の地を切り開く屯田兵なのよ。予想していたことと違う時代に生きることになったからお手本もない、21世紀ババア(笑)」
黒田「また出ましたね、新しい格言(笑)。私たち、いろいろな意味でラクになったし自由になったものね」
この考え方がもとになり、共著にはさまざまなファッションセオリーが紹介されています。
なかでも心惹かれるのは、“好きで似合うものって、実はそれほど多くない”ということ。
地曳「今の時代、デザインバランス的に1つのトップスにパーフェクトに合うボトムってせいぜい2~3枚」
黒田「私も同感。素敵なコーディネートがあるなら頻繁に登場させた方がいい。仕事のある方だって、トップスは変えてもパンツがお気に入りなら毎日はいたって構わないと思うの。もっと柔軟な考え方をしてもいいと思っています」
地曳「何かをモノにするなら、週3回は着たり持ったりつけたりしないとね」
そしてトークは、発売中の「MyAge」でも特集しているニットの話に。
黒田「暑いのが苦手だから、冬のおしゃれが大好き。やっと涼しくなってきてセーターが着られるな、と嬉しく思っています。ショートカットにしてからハイネックが着やすくなりましたね。モコモコニットも大好きだし、いろいろ楽しみたいと思って」
地曳「知永子さん、モコモコニット好きだよね」
黒田「大好き。今日みたいなワンピースの上に羽織ったり、太めのパンツに合わせたりね」
地曳「私もニットは好きだけど、選ぶのは単色で編地がフラットでシンプルなもの。なんでだと思う? 知永子さんはお胸がお上品だけど、私がモコモコニットを着たらおっぱいお化けになってしまうんで(笑)。
そういえば、ホットフラッシュがあった頃はタートルニットの首の部分を今すぐ切りたい思ったことがあったけど、それも落ち着いた今年はまた着てみたい」
黒田「私も一時、冬でも扇子を持ち歩いてパタパタしていたけど(笑)。今年はまたモコモコやタートルを着たいな」
話は途切れることなく、ふだんのお肌の手入れと運動の話へとさらに話がはずみます。
黒田さん57歳、地曳さん59歳。二人の美しさと元気の源は?
黒田「手をかけなくてはと思っているのが肌。たまにエステにも行きますが、日々のお手入れでクリームを丁寧に塗ったり、部分用のシートパックを目元やほうれい線にピタピタと貼ってみたり。簡単にできるのものがいい」
地曳「私もドラッグストアで手軽に買える目元用のシートパックを使っています。たっぷり入っているから惜しげなく毎晩使えるのがいいのよね」
黒田「何かやらなきゃキレイにならないし、明日になったらびっくりするほどキレイになる訳じゃないけれど、大切なのは「小さく心がける」ことかな。運動も同じ。ヨガの先生に「最後まで自分で歩きたいですよね」と言われて、筋肉の大切さを意識するようになりました。背筋を鍛えるたり、歩き方を見直したり、月に2.3回ヨガにも通っています。
地曳「私たちってまるでビンテージカーね。手入れしないとエンストしたり錆びついたり。新車にするのは無理だけど、きちんとお手入れすれば素敵なビンテージカーになれる!!」
黒田「また名言が飛び出した(笑)。年上の素敵な女性は、生き生きとしていて笑顔がとってもチャーミング。だから私も楽しそうで幸せそうで、ちょっと手入れされたおばあさんが目標。」
地曳「今回のトークショーで皆さんとお会いしたことや、知永子さんといろいろおしゃべりを通じて “私たちがやらないと!”という使命感みたいなものが湧いてきました。心も体も健康で屯田兵として、21世紀ババアの為に石を退けたり耕していきたいと思います」
トークショーでは座っていて見えなったこの日のお二人のファッション。最後に参加者から全身を見たい、というリクエストが。OurAgeの取材でも、あらためて全身を撮影させていただきました。
黒田さんの今日のワンピースは、デザイナー存命時代のあALAIA。エナメルのチビヒールに黒レースのソックスあわせが黒田さんらしいですね。
いく子さんは、エンフォルドのワンピースにアレキサンダーワン×ユニクロのスパッツをレイヤード。足元はフェラガモのフラット靴でコンサバ仕上げに。
トークショーは、仲よしならではの笑いが絶えない掛け合いで、書籍の裏話や書ききれなかったおしゃれへの熱い思いが溢れる充実の90分。
この時代にこの年齢でいることを心から楽しもう、というメッセージが伝わってきました。
逆にここで語られなかったおふたりそれぞれの私服の話は本の中に。プライベート感たっぷりの写真も豊富です。ぜひ手に取ってご覧ください。
取材・文/向井真樹