健康や美容に深く関わっているとして注目され続けている腸内環境。腸内細菌のバランス(腸内フローラ)を整えるために私たちが心がけたいのは…。
「近頃では、腸内細菌をマイクロバイオータ(微生物叢・びせいぶつそう)、あるいはマイクロバイオーム(微生物叢およびそのゲノムや代謝物)と呼ぶようになっています」とは、腸内フローラ研究の第一人者である慶應義塾大学薬学部 教授の長谷耕二先生。
マイクロバイオームの菌の種類と数には大きな個人差があり、多い人では120兆個、少ない人だと20兆個と6倍もの差があるんだとか。“兆”という莫大な単位で6倍もの差があるとは驚きです。
「その個人差を生む原因のひとつが食習慣」と長谷先生。種類に関しても、西アフリカ・ブルキナファソの子どもたちの腸内には食べ物を分解して栄養やエネルギーに変える菌(通称痩せ菌)が多く、それに対してヨーロッパの子どもたちには消化されたものを体内に溜め込んでしまう菌(通称デブ菌)が多かったという有名な研究があり、実際にもイタリアには肥満の子どもが多いそう。
う〜む。この菌の個人差はどうにか改善出来ないのでしょうか?
「健康な人の腸には有益な細菌(善玉菌)が多くあることから、その人の糞便を移植して腸内細菌をリセット。体質改善を図るという研究が進められています」
まだまだメカニズムの研究が必要な段階で、欧米では便バンクが設立されたのだそう。
もうひとつ、私たちが日常に取り入れやすい策は「機能性食品と善玉菌の組み合わせ」による健康維持。フラクトオリゴ糖やイヌリンなど大腸の細菌の栄養源となる食品と、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を一緒に摂取。これがマイクロバイオーム改善に有効だとして研究され、体脂肪率の抑制や敗血症合併症の予防など、健康増進につながる可能性が次々とあきらかになってきているんですって。
さて、フラクトオリゴ糖は知っているけど「イヌリン」って? さまざまな植物に含まれている食物繊維の1種で、なかでもチコリ根に多く含まれています。
ビフィズス菌+イヌリンのヨーグルトが話題に!
この春より、そんなイヌリンを配合してリニューアルしたのがグリコの「BifiX(ビフィックス)ヨーグルト」。綾瀬はるかさんのCMでもおなじみですよね。
「1万菌株ものグリコ独自の乳酸菌・ビフィズス菌から選び出したビフィズス菌BifiX®は腸内に留まるだけではなく、平均10倍以上腸内で増殖するのが最大の特徴です」とは、江崎グリコ 健康科学研究所チーフの馬渡隆志さん。
毎日続けて食べると、3日で腸内のビフィズス菌が増えたという研究結果もあるのだとか。また、ビフィズス菌は短鎖脂肪酸を作り出すことでも知られています。短鎖脂肪酸は抗メタボ効果があることから、腸内のビフィズス菌が増えれば内臓脂肪が減る!ことも期待出来るというわけです。
チコリ根に多く含まれているという「イヌリン」を配合することで、腸内のビフィズス菌がより増えやすくなった「BifiX(ビフィックス)ヨーグルト」。ビフィズス菌は年齢やストレスでもその数が減少してしまいますから、食後のデザートにヨーグルトを選ぶのは賢い選択。さらにイヌリンでパワーアップとなれば、ますます頼もしいですよね!