入ってなくていいものは、なるべく入れない。
そんな思いを追求して開発したという、ヘアケアシリーズの発表会の会場は、潔いほどシンプルなディスプレイ。
製品のボトルも全く装飾されていないデザインです。このシンプルさに、かえって力強さを感じました。
そもそも髪に必要なもの、不要なものって!?
写真左が今回のシリーズの発起人であり、監修をしたヘアスタイリストの高柳潤さん。代表を務めるサロン「omotesando atelier」を拠点にしつつ、豊かな自然の中で行う完全予約制のカットセッションも行っているんだとか。
写真右は、自然由来成分100%のコスメを開発製造している「美容薬理」の金井誠一さん。石油系化学物質などの防腐剤はもとより、薬事法で表示義務のない安定剤も不使用と〈真のナチュラル〉を追求し続けているのだそう。
「僕自身、頭皮が荒れやすいこともあってインポートのナチュラルヘアケアはほとんど試しています。そのなかで、お風呂に入って髪を洗い流すのは1度リセットして自分をきれいに整える時間であるべきなのに、最近のアイテムはいろいろなものを足しすぎていると感じていました」と高柳さん。また、欧米人と日本人の髪質は違うから合うものが異なる、とも。
「そこで最初に依頼を受けたのは、石けんシャンプーでの開発でした。しかし、それだと使用感に問題が出てしまいます」とは金井さん。
人工的な艶や香りは削ぎ落としつつも、頭皮や髪に必要なものだけを丁寧に生成する…。試作が出来るたびにサロンスタッフで試して検証を繰り返し、プロジェクト開始から4年もの月日がかかったと言います。
そうしてようやく完成したのが、髪をコーティングしてすぐに手触りの良さを実感するような即効性があるものではなく、使うごとに頭皮の環境を整えるようサポートするという、いわば遅効性のヘアケアシリーズです。
次のページで新製品をご紹介します!
新しく誕生するヘアケアシリーズの名前は「余[yo]」。命名したのは、このシリーズのコンセプトを担当した「BACH(バッハ)」のブックディレクター、幅允孝さんです。すべての製造工程と素材選びを日本国内で行った日本人にふさわしいシリーズとして、和のネーミングに。
潔くいろいろなものを省いて作られたことから、シリーズ名も潔くひと言で「余[yo]」。さらにシャンプーには「余白」、トリートメントには「余韻」と韻を踏んだネーミングを。漢文学者、白川静さんの本を参照に「余」という文字の隠れた意味なども踏まえているんですって。
ゴミを最小限にしながら長く使ってもらいたいという思いから、本体はアルミパウチ製の簡易パッケージに。シャンプー2種とトリートメント1種が登場します。各300ml ¥3,000(税別、以下同)
「余白1シャンプー素髪感」
髪にコシを与える石けんシャンプーの良さと、アミノ酸系洗浄剤の使い心地の良さを活かした、素髪にリセットするようなノンシリコンシャンプー。細い髪、ボリューム感が欲しい髪に。
「余白2シャンプー潤い感」
植物由来の洗浄成分が持つ、髪にしっとり感を残す特性を活かす配合比率にしたノンシリコンシャンプー。ダメージがある髪をまとまりやすく洗い上げます。
「余韻1トリートメント浸透感」
使うごとに髪に潤いと艶を与えるノンシリコンのトリートメント。軽い使い心地なので、使い初めは物足りなさを感じるかもしれませんが、このべったり感のなさこそ髪をコーティングしていない証拠。自然由来の美容液のような成分で作られています。
繰り返し使える3種の詰め替えボトル「余の箱」(各¥4,000)は、バスルームという空間に置いた時に余白が整う佇まいにこだわったそう。説明書きがなくてもわかるよう、シャンプーは角(濃炭・灰)、トリートメントは丸(白)に詰め替えて使います。哺乳瓶にも使われているトライタンという環境にも配慮した素材で作られているので、軽くて丈夫。※中身は入っていません
シャンプー2種とトリートメント1種各50mgずつの「トライアルセット」(¥2,500)も。
デザインは「Village®」を主宰するグラフィックデザイナーの長嶋りかこさん、容器を制作したのは洋食器メーカーである「佐藤金属興業」の佐藤孝徳さんと、普段はコスメとは違う分野で活躍するプロフェッショナルの方たちもこの製品の開発に携わっています。
一般発売は今秋予定ですが、伊勢丹新宿店ビューティアポセカリー、高柳さんのサロン「omotesando atelier」、下記の公式サイト(TAKAKURAオンラインストア)では5月25日(土)から先行発売が始まっています。