『みんなのレオ・レオーニ展』
かわいく、美しく、繊細なレオ・レオーニの世界に浸る
『スイミー』、『あおくんときいろちゃん』、『フレデリック』などの絵本の作者として広く知られているレオ・レオーニ。子どもの頃に読み、我が子と一緒に読み、今度は孫と…と、繰り返し手に取ってきた人も多いのではないでしょうか。そのレオ・レオーニの展覧会が東京にやってきました。
7月13日から開催される『みんなのレオ・レオーニ展』は、彼の絵本の原画を中心に、グラフィック・デザイナー時代の作品、アニメーション作品などが並び、レオーニの全画業を知ることができる内容。キャラクターのかわいらしさ、色彩の美しさにひかれてレオ・レオーニのファンになった人も多いと思いますが、原画は絵本の何倍も味わい深く、完成度が高くてびっくり! 例えば、貼り絵の部分はさまざまな紙の中から、選び抜いたものをはさみでシャープに切ったり、手でラフにちぎったり、繊細な作業を繰り返し、質感の表現にまでこだわっていたようです。
『マシューのゆめ』1991年
また、レオーニは絵本ごとにスタイルを変えましたが、いずれの原画にも楽しそうなオーラが漂っていて、彼が表現の実験を楽しんでいたことがうかがえます。前半生はグラフィック・デザイナーやアート・ディレクターとして活躍し、40歳代末から絵本制作をスタートしたレオーニ。「自分って何?」「多様性」「平和」などの普遍的なテーマが、美しくおしゃれな絵と平易な文章で表現されたレオ・レオーニの世界に、この夏はもう一度浸ってみませんか?
『アレクサンダとぜんまいねずみ』1969年
『ザ・ファミリー・オブ・マン(人間家族)』 表紙 1955年
『みんなのレオ・レオーニ展』
●7月13日(土)~ 9月29日(日)
東京・東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42F
10:00~18:00 ㊡月曜(7/15、8/12、9/16、23は開館)
問い合わせ先=☎03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式HP https://www.sjnk-museum.org/program/5876.html
『メアリー・エインズワース浮世絵コレクション 初期浮世絵から北斎・広重まで』
歌川国芳《大物浦平家の亡霊》
『メアリー・エインズワース浮世絵コレクション 初期浮世絵から北斎・広重まで』
明治39年に来日して浮世絵に魅せられ、その後1500点以上の浮世絵版画を収集した米国女性メアリー・エインズワース。そのコレクションには貴重な初期浮世絵も多く、鈴木春信のほか、歌川広重や葛飾北斎ら六大浮世絵師が勢ぞろい。浮世絵の歴史をたどることができる珠玉の200点。
●~7月28日(日)
静岡市美術館 静岡県静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー3F
10:00~19:00 ㊡月曜(7/15は開館)、7/16
問い合わせ先=☎054-273-1515
公式HP http://shizubi.jp/exhibition/future_190608.php
国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展』
ピエール=オーギュスト・ルノワール《帽子の女》
『国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展』
実業家・松方幸次郎が1910年半ばから約10年かけてパリやロンドンで収集した西洋美術の優品の数々。国立西洋美術館設立のもととなった松方コレクションを、散逸した名作ともども一挙公開。修復中だったモネの〝幻の睡蓮〞《睡蓮、柳の反映》も初公開。
●~9月23日(月)
国立西洋美術館 東京都台東区上野公園7-7
9:30~17:30(金・土曜~21:00) ㊡月曜(7/15、8/12、9/16、23は開館)、 7/16
問い合わせ先=☎03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式HP https://artexhibition.jp/matsukata2019/
原文/KAORU
星とエネルギーを読むカウンセラー兼アートライター。昔から運命と人間の可能性に興味があり、魂の輝きが感じられるアートや音楽が大好物