今年の4月には銀座にホテルをオープンさせて大きな話題を呼んだ無印良品が、また新たな試みです！
ん!？ 大型の路面店？ 何とこちらは、東京・市ヶ谷駅より徒歩3分の武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスの1階なんです。7月18日（木）、学生以外の人も利用出来る共創スペースにオープンしました。
実は無印良品は、生活雑貨などを販売するだけでなく、古民家や団地の再生、道の駅のデザイン・運営、公園や空港のデザインなどと、地域活性化にも力を注いでいます。新しくオープンしたこの「MUJI com 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス」も、そんな地域活性化も担う、人と地域が共に進化する社会活動の拠点を目指した新たなスタイルの店舗なのです。
入り口そばは、このオープニングイベントスペースになっています。天井や壁を埋め尽くしているのは、武蔵野美術大学や無印良品の関係者、近隣住民の方など計132名による言葉。「楽しい社会にするために、自分が楽しいことをやってみる」「世界の“むり”を少なくしたい」など、この場所での学びを通じての未来への宣言が展示されています。
「学ぶという事は、自身を客観的に無知であると知ること。エゴが出ないように、今でも無知であることを知るために学びたい」なんて言葉もあり、これはむしろ学生たちよりも我々大人たちこそが肝に銘じなくては、とハッとさせられました。ほかにも思わず頷きたくなる名言がいっぱい！ この展示は9月30日（月）までで、これらを読むだけでなく、自分でも書いて壁面に提示と参加することも出来ます。
このスペース周辺には日用品や食品などの厳選されたアイテムが陳列されています。ここから奥に進むと…
店舗の奥に位置するのが「com Studio」。こちらも参加型スペースで、誰でも利用出来る自習室のようなスタジオになっているんです。
ズラリと並べられているのは、キャップやクリップ、ウレタンなど。大型ごみや産業廃棄物を解体・分別した端材や廃材で、自由に加工できる空間も用意されています。これらを使って加工が楽しめるのは3種のアクリル商品（ペンスタンド￥150など）で、加工体験はプラス￥500。また、この素材から新たなものを作るワークショップも開催していく予定とか。※価格は税込、以下同
学生たちが作ったオブジェも展示されていました。モノ作りを楽しむワークショップは無印良品の他の店舗でも実施されていますが、端材や廃材を利用して新しい価値を見いだすというのは、この店舗らしい試みかも。
そして売り場よりも大きくスペースを取っているのは…。
広々としたカフェスペースも同店舗の大きな特徴で、イベントやワークショップを開催する場としても活用されます。
用意されたメニューは、日替わりのおかず3品（数量限定）とご飯の「日替わりセット」￥800に「日替わり丼」￥600、「バターチキン」￥600。そのほか、店内で販売されている日替わり弁当やサンドイッチ、設置されたマシンを使ってセルフで淹れるコーヒー（￥100〜）なども楽しめます。学食としても利用されるだけあって、とてもリーズナブル。
「Café」の横には、「Open Market」も。ここでは武蔵野美術大学の学生を中心に自治体や企業、地域と連携して作った食べ物やグッズなどを販売・紹介していくとのこと。定期的に内容は変わっていくそうなので、訪れるたびに新たな発見がありそう。
屋外のオープンデッキでは、不定期で屋台販売を実施。今後、ここで使用する屋台は武蔵野美術大学の学生から募集し、大賞に選ばれたデザインを使用する予定とか。
都心と言えども、週末になると人がいなくて閑散としていたり、隣の駅と比べるとお店が少ない、なんて場所は意外とあちこちにあるもの。「学び」や「コミュニティ」が用意され、地域と一緒に進化を目指す今までとはひと味違う無印良品。自分の家や勤め先の近くにあったらいいなぁ、と切に感じました。
