美しい声、肌が健在! しかも足元はピンヒール♡
美女に目がないワタシ、オトナ美女ハンターのアラフィフ・ライターふ~みんです。
先日は、
歌手生活50年
を記念して本を出版され、コンサートツアー『感謝』をスタートされた由紀さおりさんの合同記者会見に行ってきました。
というのも実は『MyAge』夏号で由紀さんの自伝本、『明日へのスキャット』の広告を見かけて、ググっと惹かれたからです。
何と言ってもカバー写真の由紀さんがステキすぎる♪
70代を迎えられたという由紀さんですが、透明感のある白いお肌に、フワフワの黒いフェザーの衣装というコントラストが効いていて、思わず見惚れる美しさ・・・。
絶対にお姿と生の歌を拝見してみたい! と、さっそくコンサートをチェックするも、すでに東京は満席。なんと残念(涙)、と悔しがっていたら取材の機会が到来しました。
あの美しい由紀さんを、近くで拝見できるチャンスとあれば見逃すわけにはいきません。しかもその日は、なんと同日開催のコンサートの公開リハーサルがあり、由紀さんの生歌が聴けるというので、ますますドキドキしつつ会場へ・・・・・・。
中野サンプラザホールの広い客席の中央に用意された取材陣スペース。もちろん私、このときとばかり位置取りは迅速に、バッチリかぶりつきました。ステージから2列目ど真ん中です(取材陣の中では一番前・笑)。
ご登場されたのは、真紅のドレスをまとった由紀さん、「あでやか」の言葉がピッタリのお姿で登場です。ひゃ~~、お肌もピカピカです!
ステージ上の優雅な姿。美しくて、チャーミング。こんな70代(!)になりたい!
そして、一声歌い始めたときの衝撃といったら・・・!
往年の美声、あのハイトーンボイスがま~~ったく衰えていない! のびやかに、時に優しく、時に涼やかに、表情に満ちた歌声。
生で聞くその迫力といったら。
美しく伸びる! 広がる! 豊かな彩りを感じる! 圧巻の歌声です
当日歌われたのは今年3月に出た、歌手生活50年を記念する最新アルバム『Beginning(ビギニング)』からの3曲。このアルバムには「いきものがかり」の水野良樹さんやアンジェラ・アキさんなど、若手のソングライターさんが参加。大ベテランでありながら、守りに入らず、新しいものにチャレンジする由紀さん。攻めている感じもさすがです。
実はワタクシごとですが、確か高校1年の時に、今でいう夏フェス的なライブで、由紀さんのステージを拝見したことがあるんです。
子どもながらも、由紀さんの透き通る声の美しさにビックリ! なおかつ、握手もしてもらって間近に拝見したときに、お肌の白さにまたビックリ! したものでした。
ところがそこから40年超!! 由紀さん70代にして、あのときの美声&美肌が健在なのですから! それって本当にすごいことだと、歌声を聞きながらしみじみ感激しました。
歌を終えて合同取材が始まると、代表インタビュアーの方も
「さきほど歌を聞かせていただきましたが、全然声量も落ちていないし・・・・・・。何か特別なことをなさっているのでしょうか?」
と、驚きを隠せない様子。取材陣一同が「うんうん」と、首を振ります。すると由紀さん、
「声帯は筋肉なので、疲れさせないように気遣ったり、鍛えたりする必要があります。
長く歌ってくる中で、歌は身体全体で歌うものだという思いが、より強まっています。だから今は腹筋、背筋など全身を鍛えています」
と涼しい顔でおっしゃいました。
「生涯現役宣言、ということでしょうか?」との質問には笑顔を見せて、
「いつかは立ち止まる日が来るかもしれませんけど、そのときはそのとき。それまでできるだけ長く、お客様の前に立っていたいと願ってがんばっています。
いつまでこんなヒールで歌っていられるかしら、なんて、思うんですけどね」
と、チラリとのぞかせた足元には、少なくとも7センチはあろうという、美しいピンヒールが!
「50年、第一線で歌い続けて来たのは聞いてくださったお客様のおかげ。音楽界のみなさまのご協力やスタッフにも恵まれました」と、コンサートツアーのタイトルを、「感謝」にした理由を語られた
経験も痛みも、音への真摯な取り組みも、『歌う』瞬間に凝縮
帰宅後、購入した本を熟読。美声の秘密も書かれています。
声帯を守るため、乾燥防止の工夫あれこれや、スケジュール管理、身体のメンテナンス、さらには毎週、耳鼻咽喉科に通いコンディションを確認しているなどなど、徹底したケアぶり。
さらにさらに! 「おしゃべりは意外にも喉に悪い」とのことで、普段話す声も、喉に負担をかけない発声法に変えられたそうです。「頭声発声」と言って、頭から抜けるように声を出すらしいのですが、確かに由紀さんの話す声って、やや高めの、女の子のような可憐な声なんです。これは声楽を専門に学ばれたお姉さん(安田祥子さん)と一緒に童謡を歌ってきた中で、教えてもらったことのひとつだそうです。
そのほか、喉を守るための工夫や、美容のためにされていることなどが具体的に書かれていて、とっても参考になります。
それにしても・・・・・・。
「毎日が、“明日も歌うため”にあるんです」
という由紀さんの姿勢、突き抜けています!
由紀さんの自伝、『明日へのスキャット』。『夜明けのスキャット』から50年。さらにその前の童謡歌手としての活躍など、60年以上歌と歩んできた由紀さんの歴史と歌への思いが描かれています
今回の本では、これまであまり語られることのなかったプライベートライフにも触れられています。2度の結婚をこんなに詳細にオープンにされたのは、これまでになかったかも。その結婚に自ら幕を下ろされた由紀さんですが、そのことが歌うことに真摯に向き合うことにつながっている、と書かれているくだりには、胸が熱くなりました。
また、音や音楽に対する「骨太」な姿勢も読みごたえがあります。
会見でも話していらっしゃいましたが、今どきのデジタルなテクノロジーに頼る音楽への疑問と、時代の表現を模索する真摯な姿勢。レジェンド由紀さんだからこそ書ける、率直な指摘の数々は必読。音楽を愛する由紀さんの思いに、あらためて感銘を受けました。
さまざまな経験と、その時々の思いや痛み、女性としての生き方、長い時代を経て大切に守って来た「歌い手」としての音&音楽への愛も、
すべて「歌う」瞬間に凝縮されているのだ、とこの本を読んで実感。
自分の決めた道を追い求め、ずっと第一線で活躍してきた由紀さんならではのお話には説得力があり、読んでいると、なんだかアラフィフの私も、「まだまだ人生これからよね。がんばらなくては!」、という気がしてきます。
そうそう、文中にはあの懐かしのお笑い番組「8時だョ! 全員集合」のお話と写真や、伊東四朗さんが主演していた「コメディーお江戸でござる」などの裏話も登場。
ほかにもいずみたくさんをはじめ、松田優作さん、美空ひばりさん、今陽子さん、佐良直美さんなど、懐かしいみなさんと昭和のエピソードが盛り込まれていて、当時の光景が次々頭に浮かび、随所でほっこりします。
時代を超えて、世代を超えて、輝き続ける由紀さおりさんは、まさに「歌うレジェンド」。美しさとかわいらしさ、上品さとお茶目さが入り交じり、かつ真摯な姿勢の芯が通っていて。
あふれる魅力に、「オトナ美女ハンター」のワタクシ、あらためてトリコになりました!
取材当日の帰り路は、まもなく開演の会場に向かう華やいだ老若男女の方々とすれ違い。私も「明日へ」むかって家路につきました。もちろん、心の中で「スキャット」しながら。
「ルー、ルールルル~~~♪」
〈オマケ〉
コンサート会場には、新刊のパネルも。
そこでつい、お約束の「表紙のポーズ」! ……って、ほとんどどこも近づけていないんですが(汗!)
取材・文/高橋扶美、撮影/山下みどり