カオルンです。
憧れの佐藤浩市さんは、インタビューの最初は、感性鋭い目で映画のことを語ってくださり、ちょっとドキドキ。でも、話すにつれて、すごく人なつっこい、気さくなお人柄が見えてきて、より大ファンに! 樋口可南子さんは、CMで見るよりも、きゃしゃでナイーブな印象。映画の役柄と同じように思いやりのある、素敵な女性だと感じました。
お二人の暮らしぶりがわかるような質問もさせていただきました。
映画『愛を積む人』で初の夫婦役を演じた佐藤浩市さんと樋口可南子さんにインタビュー
今回は自分のことや家族のことなど、プライベートに迫りました。
自分が余命宣告されても普通の生活を続けると思う。
佐藤浩市さん
Koichi Sato
Q 休日の過ごし方は?
A ひたすら体を休ませるか、余裕があるときはゴルフをしたり、トレーニングをしています。
Q 楽しいと思うことは?
A あえて「楽しい」と思わないことが楽しいことかな? 酒飲んで、ゴルフして、本を読んだり…、日々、普通に過ごせていること、特別だと思わないことが、かけがえのないことなのだと思う。あっ、時々、友人とのゴルフを計画しますが、穴場のゴルフ場で、ちょっとお得感のあるツアーにするのは楽しいな。
Q 家族との思い出、家族への思いは?
A 思い出は坊主(子ども)が生まれたことかな? 僕がこういう特殊な仕事をしているので、特別なことはしてあげてないけど。僕も親が同じ仕事でしたから、子どもの気持ちがよくわかる。この先、どんなことを乗り越えていくのか、見守るしかないですね。
Q 自分や妻が余命宣告されたら?
A 僕はきっと変わらず、仕事して普通に生活すると思います。よく「最後の晩餐に何を食べる?」なんて話題になるけど、僕は何もない。特別おいしいものを食べたいとも思わない。買ってきた惣菜をアテに、家で酒飲んでるほうが好きなタイプ(笑)。物欲もないし、世界中を旅したいなんて、微塵も思わない。
妻の場合は、彼女がやりたいことはなんでもやらせてあげます。この映画みたいに「石塀を積んでくれ」
と頼まれたら、やりますよ。きれいに完璧に積みます。
Q 老後はどこでどう生活したい?
A 僕は断然「海派」なので、海辺でボーッとして、ビールでも飲んで過ごすかな?
profile
1960年生まれ。TVドラマ「続・続 事件~月の景色~」でデビュー。『青春の門』で映画初出演し、日本アカデミー賞とブルーリボン賞新人俳優賞を受賞。その後、数々の賞を受賞し、アクションからコメディ、時代劇、善から悪までさまざまな役を演じ分ける、日本映画界を担う俳優の一人。実父は故・三國連太郎氏
夫と愛犬と田んぼのあぜ道を散歩するのが至福のとき。
樋口可南子さん
Kanako Higuchi
Q 休日の過ごし方は?
A 私は毎日が休日のようなものだから…(笑)、主婦業してます。
Q 楽しいと思うことは?
A 10年ほど前から、東京と京都を行ったり来たりする生活をしています。愛犬もケージに入れて新幹線で一緒に移動。京都の家はまわりに田園風景が広がる環境なので、そんな田んぼの中を、夫と犬と散歩しているときがいちばん幸せですね。
Q 家族との思い出、家族への思いは?
A 以前に飼っていた愛犬が亡くなったとき、オロオロする私のところへ、夫がわざわざ喪服を着てきて、一緒に悲しんでくれたときは感激しました。まだ結婚する前のことですが、犬のために喪服! なんて優しい人なんだろうと、今でも忘れられません。
Q 自分や夫が余命宣告されたら?
A この映画では、妻は自分の病気のことを夫には内緒にして過ごしますが、私だったら夫に言うでしょうね。秘密にせず、一緒に残された日々に何をするか考えると思います。夫の場合もやはり同じで、一緒に考えます。
Q 老後はどこでどう生活したい?
A 私は「山派」というよりは、田園風景が大好き。米どころの新潟で生まれ育ったせいで、DNAに組み込まれているのかしら? 蛙の声を聞きながら、稲が育っていくのを見て、お米の香りを嗅ぐと心が落ち着きます。ずっと今の京都にいるかどうかはわかりませんが、生活を小さくまとめて、自然の中でシンプルに生活したいですね。
profile
1958年生まれ。女子美術大学1年生のときにスカウトされ、20歳で「ポーラテレビ小説・こおろぎ橋」で主演デビュー。『戒厳令の夜』で映画初出演し、ゴールデン・アロー賞新人賞を受賞。その後、映画やドラマで活躍。現在はソフトバンクモバイルのCM、「白戸家」シリーズの母親役がお馴染み。夫は糸井重里氏
撮影/板野賢治 ヘア&メイク/及川久美(六本木美容室)〈佐藤さん〉 髙野雅子〈樋口さん〉
スタイリスト/喜多尾祥之〈佐藤さん〉 佐伯敦子〈樋口さん〉 取材・文/山村浩子