アカデミー賞が近づきました。
レオナルド・ディカプリオが、念願のアカデミー主演男優賞を取ると確信してます。たぶん本人も、いよいよ今年は…と期待していると思います。「アカデミー賞を欲しいと思わない、などと言う人は嘘つきだよ。僕も含めて欲しいと思わない役者はいないよ」と告白しています。
彼が受賞すると思う理由はいくつかあります。まず彼が熱演した愛と復讐の物語『レヴェナント:蘇えりし者』が作品として素晴らしいこと。過酷で壮大で、大自然の永遠の美しさをこれほど見事にとらえた映画は思いあたりません。すべて自然光だけを使って撮影したため、撮影自体、冬の大自然に振り回され、それこそ撮影隊もキャストも大変過酷な体験をしたそうです。でもその結果が画面にパワーを持って映しだされています。
ストーリーはむしろ簡単です。容赦ない大自然の中で必死でサバイバルする人間の強さです。 「死の影の中ですべてを奪い取った者への復讐が生きることへの執念だったのに、最後は愛の為に生きることを目指した男の話なんだ」とディカプリオは教えてくれます。
レオが演じるヒュー・グラス は熊に襲われながら生きながらえた実在した人物です。その熊と戦う話題のシーンはまともに見てられないくらい強烈です。自然も含めて彼を囲む共演者は素晴らしいです。長いセリフがあるわけではないので、それぞれのキャラクターの表現が、言葉ではなくて表情や体を使っての表現にかかってます。ディカプリオの演技の深さは一際目立っていて、 彼が下手だったらこの映画は成り立ちません。
今年のゴールデングローブ賞で、主演男優賞を取ったレオが壇上に上がったとき、会場を埋めていたセレブ達が一斉に立ち上がって、スタンディング・オベーションで彼の受賞を暖かく祝福しました。何年もゴールデングローブ賞の授賞式に出席していますが、俳優仲間がこれほどまでにひとりの役者の演技を称えた姿は見たことがなかったです。
この時、オスカーも取る!と思いました。たぶん候補に上がっている他の4人の俳優達も「今年はレオだ」と思って、気楽にアカデミー賞に行くのではないでしょうか?
次ページではあの名監督も太鼓判!?
レオが一気に注目を浴びた作品は18歳の時の『ボーイズ・ライフ』です。このとき、継父を演じた名優ロバート・デ・ニーロを相手に、互角に演技の勝負をして注目されたのです。
この映画の後、デ・ニーロはさっそく、その頃一緒に仕事をしていたスコセッシ監督に「まだ18歳だけど凄い役者が出たよ。いずれ仕事を一緒にしたくなると思うから注意しとくといいよ」と教えてくれた、と『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のインタビュー時に、監督自身が教えてくれました。
レオはスコセッシ監督とすでに5本の映画を作っていて、そのうち2回、主演男優賞にノミネートされてます。インタビューで「レオは『タイタニック』で一気に世界のアイドルになりました。ハリウッドがアイドルは可愛いだけで演技はできないと言う方程式に縛られてるせいで、彼はアカデミー賞にノミネートされても授賞出来ないのでしょうか?」と聞いたら、 監督は「その可能性は大いにある。すべてを兼ね備えている彼への嫉妬心かもしれない。でも彼は近いうちに必ずもらうよ」と答えました。
アイドルも演技ができる!とついに認めさせる時期到来、ということでしょうか?