スマホを使って美的レベルをぐんとアップする方法
前回のダイエットアプリに続き、今回も実用的なアプリの紹介をするつもりだったのだけど、その前にもっとモバイルの基本的な機能でよいものがあることを思い出したので、今回はその機能について紹介をしたい。
その機能とはカメラだ。
スマホにもタブレットにも必ずついているカメラ。モバイルの基本機能の中でも最もよく使われているものの一つだ。最近のカメラ機能は進化していて、専用機並にきれいに撮れるし、自動補正やフィルタ(色や雰囲気を変えられる機能)もついているので、誰でもそこそこカッコいい写真が撮れるようになっている。今日のランチや日常のきれいな風景、家族や友達との写真、メモがわりの記録など、毎日のように何かしら撮っている方も多いだろう。
FacebookやTwitterなどのSNSが普及してからは、「自撮り」つまり自分で自分を撮影して発信する人も増えてきた。ちなみに自撮りは英語でSelfee(セルフィー)といって、いま世界的なブームになっている。つい先日行われたアカデミー賞授賞式の会場でも、テレビの人気パーソナリティ「エレン」ことエレン・デジェネレスがブラピなどのセレブを集めた豪華なセルフィーをTwitterに流し、世界最高記録の300万リツイートとなって大きな話題を集めた。
これから私が紹介するのも「自撮り」の一種だが、こういう使い方をしている人はまだまだ少ないはずだ。特別なアプリもいらないし、使うのはカメラだけ。にもかかわらず、自分の美的レベルを上げてくれる。特に「あと5歳若く見られたい」と思っている方には抜群の効き目がある。
それは、スマホのカメラを動画モードにして自分の全身を撮るということ。言ってみれば「動く合わせ鏡」で、正面だけでなく、横、後ろ姿、そして自分の「動き方」をセルフチェックし、「人からどう見えているか」の現実を直視するのだ。
写真だとついつい、一番スタイルよく見える「決めポーズ」をしてしまうが、リアルで会う人の目線は360度。いくら正面が素敵でも、横とか後ろから見たら「あれ?案外お腹出てるな」とか「姿勢がよくないな」とか、そんなふうに日々見られているのである。自分では絶対に見えない後ろ姿や全体の印象を、セルフ動画は教えてくれる。年齢は背中に出るというのは本当だ。
いわばショック療法的な美容法と言えるかもしれない。実際、私も最初に自分の後ろ姿を見たときには墓石かと思ったぐらい四角くてびっくりした。
こんな(ウエストがない)背中じゃ、いくら化粧を入念にしても意味がない。「頭隠して尻隠さず」とはまさにこのこと。そこで私は、これから美容やファッションのどこに力とお金をかけたらいいのか、やっと気づいたのである。
背筋を伸ばす。背中とお尻の段差を意識する。髪のつや感を出す。スマホのセルフ動画によってそういうことを意識するようになった結果、「若返ったね」という言葉も頂戴するようになった。
やり方だが、家族の人に撮ってもらえるのであればそれがベスト。
でも、こんなことにつきあってもらえる家族がいない場合、そして家族にすら知られずに行いたい場合、自分で撮る必要がある。
用意するものは、スマホ、そしてスマホ用の三脚スタンド。「スマートフォン用三脚スタンド」で検索すると、1000円ちょっとでスマホを三脚に固定するアタッチメント類が出てくる。こういったものが便利だが、要は、スマホ目の高さぐらいのところに固定できればいいので、本棚の上に固定するなど、ほかに方法があるならそれでもかまわない。
スマホが固定できたら、カメラをこちら向きにして、ぐるりと回る。あくまで「普通の自分」を撮るわけなので、ポーズはとらなくてかまわない。
録画したらそれをチェック。最初は私みたいにショックを受けるかもしれないけれど、その場合も「今気づいてよかった」と前向きにとらえよう。
あとは、スマホを取り出して、時々動画を見る。自分の後ろ姿を目に焼き付ける。これだけで日常の意識が変わってくるから不思議だ。普通のカメラで撮ってもかまわないが、いつも持ち歩くスマホだからこそ「戒め効果」の意味があるのだ。
単純だけど効果的な美容法。最近背中が丸くなってきたなあ、と思っている方は、ぜひ試してみて欲しい。