念願のアカデミー賞主演男優賞を取り、壇上に立つレオナルド・ディカプリオ。会場はスタンディング・オベーションで祝福しました。授賞の挨拶の後半は、感謝してやまない両親への言葉も削って、彼が『タイタニック』 の成功直後から情熱を持ってやり続けている地球環境保護の事に触れました。
「崩壊が進む地球環境をこのままにしておくことはできない。僕たち一人一人の意識を高めて地球をまもっていくことで、私たちの子供、そのまた子供、子供の子供たちに安全で豊かな地球を残す。それは僕たちの責任ではないでしょうか?」 と心をこめて語ってました。
彼は地球環境保護を一生かけてやり通すつもりでいます。1998年、Leonardo Dicaprio Foundation (LDF)という地球保護のために基金を集める団体を、私財を投じて創立しました。この団体はすでに何百億円という寄付金を世界中の環境保護団体に寄付しています。
半年前にも17億円をいろいろな環境保護団体に提供しました。 毎年サントロペで基金集めの大パーティを主催しますが、2015年は4千万ドル(45億円)も集めて話題になりました。エルトン・ジョンなどの有名ミュージシャン達も協力してくれています。
地球保護には動物の保護も含まれていて、レオは2014年にアカデミー賞にノミネートされた、アフリカの激減しているマウンテンゴリラを命がけで救う男たちのドキュメンタリー「Virunga」のエグゼクティブ・プロデュースをしています。
アカデミー賞では両親に簡単にお礼の言葉を述べただけでしたが、BAFTA(英国アカデミー賞)で授賞した時には、母へ感動的なお礼を切々と述べてました。
「僕は経済的に恵まれた環境に生まれた訳ではありません。低収入エリアの荒れた環境の中に住んでいた子供の僕に、そんな世界以外に広く豊かな別世界があることを教えてくれたのは母でした。 毎日往復3時間以上かけて、住んでたエリアから遠く離れた裕福なエリアにある、違う家庭環境にいる子供たちが集まる学校に連れて行ってくれました。彼女なしには今の僕はありません。僕の両親はただただ役者になりたいと言って聞かない僕のために、お金と時間を作り、毎日のようにオーディションに連れて行ってくれました」と最大級のお礼を述べたレオ。
ドイツ人のお母さんに会った事は何回もあります。真っ青な目がレオにそっくりな小柄で、しっかりした女性です。彼が育った環境のことを、家の前にしょっちゅう麻薬でボロボロになった人が倒れて いるような環境だった、と本人から聞いた事があります。両親はレオが子供の頃に離婚していますが、彼が母親と父親の間を好きな時に行ったり来たりできるようにと、レオが歩ける距離に住んでたそうです。
彼はお父さんの事も大好きで両親を交互にゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞に同行します。長い夏休みが終わる頃、学校に戻るのがイヤで憂鬱になってしまうレオを励まし、元気づけてくれたのはお父さんだったと言ってました。経済的に豊かじゃなくても、愛情あふれる環境に育ったレオなのです。