マット・デイモンってどんな人?とよく聞かれます。答えはいつも同じ、「すっごく良い人」!
本当に“良い人”と言う言葉が含む、すべての意味合いを持ってる人格者です。 まっすぐな姿勢で前方を見つめて、人生を進む人だと思います。「ゴシップに縁がないのは、パパラッチは僕みたいな4人の娘の父で、妻との間に問題なし、の普通で退屈な人生を送ってる有名人に興味がないからだよ」 といつも笑ってます。
「ボーン」シリーズが大ヒットして以来、アメリカではマット・デイモンという名前を知らない人は居ないだろうと思うほど人気スターです。
普通の人が普通の生活をするのとは違って、有名であることが過大視され賛美され、キム・カーダシアンのように有名になるには何でもありのこの国で、彼ほどの立場の人が普通さを失わずに生きていくには、かなり強靭な意志と自制心と精神的な強さを持ってないとできないと思います。
「グッドウィル・ハンティング/旅立ち」 (1997)で幼なじみの親友ベン・アフレックと共に、アカデミー賞オリジナル脚本賞をもらってから、2人ともハリウッドのスター街道をすごい速さで駆け上りました。40代半ばの2人は(マット46歳、ベン44歳)今ではハリウッドをリードするスター、監督、プロデューサーの三冠王の地位を築いてます。
マットが11歳、ベンが9歳の時に近所に住んでいたことから仲良しになります。それ以来、ハリウッドで苦楽を共にしてきました。「アルゴ」 (2012)のインタビューの時、ベンは「NYに住んでたマットがロスに引っ越してくるんだ。僕の家のそばに良い家が見つかった。いつか、近所に住んで家族ぐるみの人生を楽しみたいという2人の夢が、ついに叶うんだ」と喜びを隠し切れないように話してくれました。
実際デイモン・ファミリーがスープの冷めない距離に引っ越して来て「僕の子供たちはいつもマットのところに行ってるよ」と、ベンは実にうれしそうに話してました。ところがちょうど1年前、ベンとジェニファー・ガーナー夫妻は別居を発表、まだ離婚には至ってないものの、彼らの豪邸は45億円で売りに出されてます。
空からじゃないと全体写真が取れないアフレック邸に比べて、デイモン邸は、もちろん豪邸ですが、正面からの写真で家の全体像が見えます。派手好きと地道という好対照が、お互いへの引力になっているのかもしれないですね。
トロント映画祭でマット・デイモンがプロデュースした“Manchester by the Sea” (ベン・アフレックの弟ケーシー・アフレックが名演技をみせています)のインタビューをしていたら、ひょっこり予定にはなかったマットが現れました。「中国から飛んできたんだよ」といつもながらのリラックスした空気に包まれて、にこやかに部屋に入って来ました。
プロデューサー、マット・デイモンの飛び入りに、みな大喜び。ほっといたら質問はマットに集中してしまうのをちゃんと見抜いていて、「僕は、挨拶に来ただけだから」と静かに脇に離れて座り、監督と新人のルーカス・ヘッジスを立ててました。「この映画(Manchester…)は僕がプロデュースした作品の中で、もっとも誇りに思ってる映画なんだ」とうれしそう。地味な作品ですが、もうすぐやって来る映画賞レースでは華やかに注目されるでしょう。
去年の「オデッセイ」の時にリドリー・スコット監督が「マットは実に良いヤツなんだ。物事を複雑にしないでまっすぐに考える。頭も良いし、才能もあるし、素晴らしい人間だよ」と言ってましたが、まさにその通り。物事の真髄をつかんで、ああだこうだと七面倒な事を言わない、さっぱり体質が彼なのです。
ミニー・ドライバーやウィノナ・ライダーとのおつき合いの後、芸能界とは関係ないアルゼンチン出身のルシアナ(マットはルーシーと呼んでます)と結婚したのも彼らしい選択だと思います。「僕と結婚したためにルーシーとアレクシア(彼女の娘、現在17歳)にいろいろ迷惑をかけている。パパラッチに追いかけられたり、雑誌に書かれたり。芸能人ではない彼女たちのプライバシーを守るのは僕の義務なんだ」といつも言ってます。
こんな素敵な男性、なかなか巡り会えないですよね。