ルックスの良い男なら、たくさんいる。でもこの人は、どこか特別。
端正な顔立ち、身長180㎝と長身で、鍛え抜かれたそのボディ。
日本より先に海外で活躍し、英語・中国語も堪能。音楽活動も本格的。
そんなスペシャルな存在の彼が、『モンテ・クリスト伯 ~華麗なる復讐~』で、連続ドラマ単独初主演に挑戦中だ。
1話、2話を撮り終え、3話の撮影に突入したばかりの彼に、現時点で話せるすべてを、聞いてきた!
撮影/加藤孝 取材・文/岡本麻佑
ディーン・フジオカさん
Profile
ディーン・フジオカ●1980年8月19日、福島県生まれ。2004年に香港でスカウトされ、モデルとして活動を開始。映画『八月の物語』(05)の主演に抜擢され、俳優デビュー。その後台湾に拠点を移し、数々のドラマ、映画などに出演。日本ではNHK連続テレビ小説『あさが来た』(15~16)の五代友厚役で、大ブレイク。2016年には自ら作詞・作曲・プロデュースを手がけたアルバム『Cycle』をリリースし、初の全国ツアー『History In The Making 2018』では2万人を動員した。主演映画『海を駆ける』は5月26日、池井戸潤原作の映画『空飛ぶタイヤ』は6月15日に全国公開予定。6月に2nd Single『Echo』をリリース。
そのとき僕は、
素の自分に戻っていました
インタビューしたのは第1回がオンエアされる当日(4月19日)の、午前中。ディーン・フジオカさんは朝4時起きでフジテレビに入り、早朝から夕方まで生放送に出演して番組の宣伝をする、その合間を縫っての取材だった。
三つ揃いのスーツをバシッと着こなし、涼やかな顔でカメラの前に。とはいえドラマの内容に合わせて、その表情はクール&シビア。ドラマ撮影中でハードな日々が続いているはずなのに、疲れはどこにも見えない。いや、見せない。
「連続ドラマの撮影は、始まったら怒濤の日々です。しかも今回は、今までいろいろと仕事をしてきた中で、最もシビアだったかもしれない。自分の、人間としてのサヴァイヴァル能力をフルに使いました。今の段階まで、生き残れて良かったと(笑)。いや、オーバーに言ってるわけでも冗談でもない。本気でそう思っているんです」
『モンテ・クリスト伯 ~華麗なる復讐~』は、日本では『巌窟王』という翻訳で知られる、フランスの文豪アレクサンドル・デュマが1844年~1846年に発表した『モンテ・クリスト伯』を原作に、舞台を現代の日本に移して作られた物語。
ディーンさん演じる漁師の柴門暖(さいもん・だん)は、愛する女性(山本美月)と結婚直前、遠洋漁業に出て海難事故に遭い、ようやく日本に戻ってくる。ところが暖の出世を妬む同僚(新井浩文)、恋敵の友人(大倉忠義)、保身と出世を狙う警察官(高橋克典)らが、それぞれの思惑から彼に無実の罪を着せる。暖は結婚式の途中で連行され、異国の監獄に送られてしまうのだ。身に覚えのない罪状で拷問を受け、絶望的な状況に。と、監獄の床に横たわる暖の目の前に、思いがけないところから謎の老人が現れて・・・・。というのが、1話の展開。
悲劇が起こる前、幸せいっぱいのプロポーズシーンはミュージカル仕立て。かと思えば拷問の場面はリアルな残虐シーンが続いて、息を呑む展開。制作スタッフや演じるディーンさんの、本気が伝わってくる。盛り沢山の内容なのにテンポよく編集されていて、わかりやすい。かなりの意欲作だ。
「撮影が始まる前は僕、復讐なんてやめたほうがいい、というスタンスでした。”人を呪わば穴二つ”って言うじゃないですか。復讐する気持ちを乗り越えることこそ、人間を幸せにすると僕は思っている。でもこのドラマの1話、2話を撮影して、柴門暖の経験した裏切り、そしてその後に続く拷問を追体験したら・・・・。”これは復讐するのが当たり前だ!”と思った。とにかく味わったことのない経験でした」
拷問シーンは、演技、じゃ、なかった?
「ほとんど素でしたね(笑)。手のひらも足の裏も口の中も頭の中も、全部まっ黒。息もできないし、殴られたり海に投げ込まれたり、すれすれでやっていた。でもだからこそ、これから始まる復讐編が納得できる。面白くなると思うんです」
殴られて、血や汗や汚れでボロボロになったディーンさんは、確かに見たことの無い姿。それでもやっぱりセクシーで、美しかったけど。
原作の『モンテ・クリスト伯』では、この後、主人公は獄中で知り合った老神父から知識と学問を得、自分を陥れた者たちの真意を知り、復讐を決意する。さらに神父から莫大な財産を受け継ぎ、脱獄して故郷へ。謎の大富豪として復讐を果たしていく。
現代の日本を舞台にした本作が、どんな形の復讐を見せてくれるのか、かなり楽しみ。同時に、漁師の若者、悲運の囚人、そして復讐の鬼と化す主人公を、ディーンさんがどのように演じ分けていくのかも、とっても楽しみ。
「身体の使い方、声の使い方、表情の使い方も、はっきり区別して演じています。ひとりの男の一生を演じる、スケールの大きい大河ドラマみたいなものですよね。演じ甲斐があります」
(「今後の意気込み」を語った、インタビュー後編はコチラ)
『モンテ・クリスト伯 ~華麗なる復讐~』
(c)フジテレビ
毎週木曜・22時~22時54分オンエア