いし こんにちは、ぐうたらライターのいしまるこです。
前回より、ハーバード大学医学部教授・根来秀行ドクターが指南する最先端医学に基づくカラダ年齢若返りプロジェクトが始動しました。今回は「血管と老化」について、さらに突っ込んでうかがっていきますよ。
根来 血管年齢と健康寿命は見事にリンクしているんですよ。
いし 「人は血管から老化する」というのは本当だったんですね。
根来 年を重ねても若々しい人は、血管年齢を調べても若いんですよ。
実際、100歳を超えて元気な女性の血管を検査したら、とても弾力のある若々しい血管でした。
いし じゃあ、実年齢より老けて見える人は、血管年齢も高い?
根来 その傾向はありますね。
いし じゃあ、血管年齢が老けているのに、見た目はめちゃめちゃ若いってことはあり得ない?
根来 あり得ません(キッパリ)。
いし …ですよね。毛細血管が老化するとどんな影響があるの?
根来 毛細血管が衰えると、酸素や栄養が皮膚の末端にまで届かなくなり、
シミ、シワ、たるみ、くすみなど、肌の劣化が進むんです。
目や口の粘膜には毛細血管が集中しているので、ドライアイやドライマウス、口内炎になりやすくなります。頭皮の毛細血管に影響すれば、抜け毛や薄毛を招くこともあります。
いし とほほ…。毛細血管は体中に張り巡らされているだけに、毛細血管の老化は全身に影響を及ぼすんですねぇ。
根来 そうなんですよ。子宮や卵巣の毛細血管が衰えれば、更年期障害の原因になるし、脳の毛細血管が詰まってくれば、微小な脳梗塞が起こり、認知症を招くことも。糖尿病はまさに毛細血管レベルの代謝障害で、腎障害、網膜症、神経障害を引き起こします。
いし 血管といえば動脈がメインで、毛細血管はマイナーなイメージだったけど、侮れないなぁ。
根来 毛細血管は細胞レベルで体に必要なもの、不要なものを受け渡ししている、血液循環の主役。毛細血管の健康を保たなければ、いずれ動脈に負担をかけてしまうことにもなるんです。
いし なるほど〜。ところで老化した毛細血管ってどんな状態?
根来 動脈や静脈と同様、血管の内壁に汚れがたまって詰まりやすくなり、しなやかさが失われます。違うのは、動脈・静脈の数は変わらないけれど、毛細血管は老化とともに減ってしまうということ。
40代くらいからどんどん減って、
60代では4割も減るという説も
あります。
いし そんなに減るの!?
根来 ただ、毛細血管は、筋肉をつけることによって、何歳からでも増やせるんですよ。
いし それは朗報! 適度な運動をしたり、血管を詰まらせないように食事に気をつけたりすることで、血管を若く保つことができる?
根来 その通り。また、毛細血管には自律神経が並走しており、血流は自律神経によって調節されています。緊張状態や睡眠不足が続くと、交感神経が優位になって血管が収縮し血流が悪化するので、ストレスケアやよい睡眠習慣をつけることも大切ですよ。
いし 心します!
〈次回は根来教授が血管若返りケアについてレクチャー! お楽しみに。〉
それでは皆さん、今日も素敵な1日を!
取材・文/石丸久美子 撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン