腸内で働く3つの食物繊維をご紹介した前回。今回は、具体的にどのような食材に食物繊維が含まれているのかをグラフにまとめてみました。こちらを参考に、バランスよく食材を使って効率よく食物繊維を取りましょう。
お話を伺ったのは
青江誠一郎さん
Seiichiro Aoe
大妻女子大学家政学部 食物学科教授。日本食物繊維学会理事長。雪印乳業技術研究所研究員などを経て現職。近著に『最強! 毒出しごはん』(河出書房新社)
茶色い食材に注目!
食物繊維をたっぷりとるために、効率のいい食材とはどんなものなのでしょうか? 不足しがちな水溶性食物繊維が豊富なのは穀類と海藻類。レジスタントスターチが豊富なのはいも類と豆類。不溶性食物繊維が多いのは、きのこ類や野菜です。
ちょっと地味な茶色い食材、昔の日本でよく食べられていた料理をイメージすると覚えやすいかもしれません。
水溶性食物繊維が豊富な食材
主食になる大麦(もち麦・押し麦)、ライ麦、オートミールなどの穀類に豊富です。昆布、わかめ、ひじき、もずくなどの海藻類はネバネバ成分が決め手となり、コレステロールを排出するなどの機能性も優秀です。りんごやキウイなどの果物も水溶性食物繊維が含まれるので、デザートにおすすめです。
不溶性食物繊維が豊富な食材
野菜やきのこ類、果物には不溶性食物繊維が多いのですが、なかでもごぼうや切り干し大根、ブロッコリー、芽キャベツ、ほうれん草、なめこ、アボカド、りんごなどは水溶性も含まれています。このほか、ナッツ類も不溶性食物繊維が豊富なので、おやつや料理のトッピングに取り入れるといいでしょう。
レジスタントスターチが豊富な食材
難消化性デンプンであるレジスタントスターチは、じゃがいも、さつまいも、長いもなどのいも類や、大豆、ひよこ豆、いんげん豆などの豆類に豊富。特にいも・穀類は加熱後に冷ますと増えるのが特徴です。これらは不溶性・水溶性も多く、3種が一度に摂取できる食物繊維の宝庫ともいえる食材なので、常備しておくと便利です。
イラスト/斎藤直樹(ベリーマッチデザイン) 取材・原文/山村浩子