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更年期に急増する「足の悩み」解消⑨「巻き爪」治療、セルフケアと最新技術は?

山口健一

山口健一

「爪と皮膚の診療所 形成外科・皮膚科」院長。形成外科の専門医の資格を取得した後、「爪」を突き詰めるために皮膚科・整形外科を学び、さらに靴学・フスフレーゲの専門学校で学ぶという異色の経歴。2016年、満を持して爪に特化した医療を提供すべくクリニックをオープン。自称「爪職人」

見た目が悪いだけでなく、痛みも伴う「巻き爪」。自称「爪職人」の山口先生に自分でできる予防法と治療の選択肢についてお話を聞きました。

 

 

爪トラブルは何科へ行くべき?

爪の異常は、皮膚科、形成外科、整形外科と各科にまたがる領域。アーチが崩れたことが原因の巻き爪なら、皮膚科では対応ができないこともあります。逆にうっかり深爪をして陥入爪になってしまっただけなら、クリニックではなくフットケアサロンで対応できることもあります。

 

山口先生によれば、きちんと爪を診ることができるドクターを探すなら、目安として、「フットケア」でネット検索して出てくるクリニックがよいでしょう、とのこと。何度も繰り返す巻き爪なら、医療用インソールが必要かもしれません。症状がなぜ起きているか、それを知るために、一度は足爪に詳しいクリニックで受診することをおすすめします。

 

 

自分でできる予防法は?

よく爪が食い込んで痛みが出そうな人は、まず歩き方を見直して。また、深爪は食い込む原因になるので、爪は指先ギリギリで真っすぐに切ること。そして痛みが出そうなときは、テーピングで腫れたり膿んだりするのを防ぎましょう。巻き爪、陥入爪で痛みが強いときは、食い込んだ爪を皮膚から離すように引っ張りながらテープを巻きます。これだけでも炎症は最小限に

 

巻き爪治療の決め手

巻き爪の治療といえば、全国的にワイヤー矯正が平均的。ですが、再発率がとても高く、治療後も巻きが戻ってしまう人がほとんど。指に対して爪の幅がもともと広い人、爪が厚く強くてワイヤーが効かない人、ワイヤー矯正を繰り返して治療費が高額になっている人…こんな人は手術も視野に入れて。

 

最新の巻き爪治療に注目

インソールなどでアーチの崩れを矯正することで巻き爪が治る人がいる一方、ワイヤー治療も進化しているので試す価値はありそう。出血しやすい肉芽ができて痛みが強い場合は、根本的な治療である手術の選択肢も。

 

●従来と違う「VHOワイヤー」

従来のワイヤー矯正の欠点を補うVHOワイヤー。短い爪でもでき、矯
正力が強く、長期間はずれないなど、メリットが多い方法です

まず、爪にVHOワイヤーをかけて器具で巻き上げます。約2カ月後に爪を切り、必要に応じてつけ直し。結び目はガードするので日常生活にも支障はなし。

 

●短時間で痛みも少ない「NaOH」で根本治療

NaOHとは薬品の名前。爪の端を根元まで切除し、そこから爪が伸びてこないようにする新しい治療法です。1カ所10~15分で終わり、手術直後に歩いて帰れます!

まず、皮膚に食い込んでいる爪の両端を切り取ります。NaOHをつけ、爪を作る細胞を焼灼(しょうしゃく)。最後はガーゼと絆創膏で保護して終了です。

 

※「爪と皮膚の診療所」では、「NaOH」は保険が適用され、「VHOワイヤー」は自費診療になります。受診する際は各クリニックにお問い合わせを。

 

 

爪と皮膚の診療所形成外科・皮膚科

神奈川県横浜市青葉区青葉台2-11-14SGビル2F

045-532-6278
診療内容:形成外科・皮膚科(保険診療あり)

診療受付時間:9:00~12:30(月火木金土) 14:30~17:30(月火木金)

予約優先  休診日:水曜、日曜、祝日、土曜午後

http://www.tumehifu.com

 

次回は山口先生に、タコ・ウオノメ・イボといった皮膚トラブルについてうかがいます。

 

イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子

 

 

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