ミラクル免疫力をつけると、老けない!
この連載では、書籍『ミラクル免疫力をつけると、老けない!』(集英社刊)から、免疫力をアップしてアンチエイジングライフを叶える方法をお伝えしていきます。ミラクル免疫力をすぐに実践できるレシピも、続いてご紹介。ぜひお役立てください。
第2章
ミラクル免疫力! で老けない女性になる!
【ミラクル免疫力対談】
ミラクル免疫力で、いつまでも老けない!
医学博士 白澤卓二先生 VS 女優 杉田かおるさん
テレビ番組がきっかけで、オーガニックなライフスタイルを実践するようになり、健康な体と心を取り戻した杉田かおるさん。長寿研究の第一人者、白澤卓二先生とともに、免疫力を上げて老けずに生きる方法についてお話ししていただきました。
今回は対談の最終回。「ずっと若く生きる心の持ち方について」のお話です。
杉田かおる Kaoru Sugita
1964 年東京都生まれ。7歳でテレビドラマ 『パパと呼ばないで』に出演。天才子役として人気沸騰。その後も女優として映画、テレビ、舞台で活躍。2009 年テレビ番組のダイエット企画がきっかけで、オーガニックな食生活に目覚める。
近年は、自らの農業体験を活かした講演や執筆活動を。著書に『杉田かおるの毒だしダイエット』(アスコム)、『杉田かおるのオーガニックライフ』(武田ランダムハウスジャパン)、『この私が変われた理由』(アスコム)など。
●100歳までずっと若く生きる心の持ち方
杉田 私の母になんとか元気に100歳まで生きてほしいと思っているんです。で、実験を始めているんです。
白澤 親の状態というのは、自分の30年後、40年後のモデルケースなので、自分の親が健康でパフォーマンスが高いというのは、非常に勇気づけられますよね。
杉田 ええ、そうですね。いま、母は私と同じような食事をしていて、野菜中心で玄米を食べているんですけど、体重が13キロも減って。お酒は飲んでいるんですけど、麹も積極的に摂取しているので、どんどん肌が若返っています。
白澤 やはりお母さんは、杉田さんのモデルですか? 100歳までボケないというモデルにして、追いかけていけばいい(笑)、と。
杉田 そうです、確かにモデルですね(笑)。ボケないって大きいですよね。
白澤 僕はプロスキーヤーの三浦雄一郎さんの主治医をしているんですけど、雄一郎さんのお父さんの三浦敬三さんは100歳になってもスキーをしていた典型的な百寿者だったんです。三浦さん一家は、敬三さんを見ているから、普通の人と人生設計が違うんですよ。
杉田 100歳まで生きるイメージができているってことですか?
白澤 そう、敬三さんを見てるから、100歳でスキーができるパフォーマンスで当たり前、というね。それを超えるためには、105歳でどこかの山でスキー滑らなきゃいけない、みたいな(笑)。雄一郎さんの次男の豪太さんは、まだ40歳ぐらいだから、イメージからいくと人生の半分も生きていないってことになるんですよ。
だから、ここで無理しても仕方ない、と。雄一郎さんが80歳で、まさしく勝負の時期に入っているので、豪太さんはまだ自分の出番じゃない、と。まずは、お父さんの雄一郎さんの舞台があって、自分の出番はそのあとというイメージになっていますね。最初から。
杉田 それすごいですよね。気持ちの持ちようとか、どう考えるかって大事ですね。
白澤 日本人はもともと家族を大事にする国民性を持っているので、三浦家のモデルケースからもっともっと学ぶべきことがあると思っているんです。親父の背中を見て育つということもそうだし、こと健康長寿に関しては親を大事にして親から学ぶのが最もいいんです。
杉田 私の職業上、体力と気力勝負なんですけど、セリフを覚えなきゃいけないということもあるので、認知症だけは避けたいなと思っているんです。何歳までセリフを覚えてやっていけるか、っていう不安もあるんです。
白澤 この間ね、ある雑誌で女優の森光子さんと対談したんです。僕はすごくびっくりしたんだけど、森光子さんの食事っていうのは、完全に管理されているんですよ。どういうことかというと、管理栄養士さんが、森さんが食べるすべての食事の献立を立てているんです。
杉田 アスリートみたいですね。
白澤 で、森さんは文句ひとつ言わず、それを完璧に食べているんです。運動に関してはトレーナーがいて、スクワット何回というプログラムを立ててもらって、それを完璧にやっているんです。何も考えずに。
杉田 それがいちばんいいかもしれませんね(笑)。
白澤 僕は、森さんのような人は極めて少ないと思いますね。それをできる人が。できる人は非常に少ないんだけど、彼女はそれができる。それで、女優生命をここまで延ばしていますね。こういうやり方もあるんだなぁ、と感心しました。
杉田 徹底してますね。
白澤 食事とか運動も含めた決められた生活のペースっていうのが、長寿遺伝子を活性化させるのにダイレクトに効いてくるんですよね。本当に従えるんだったら、食事も運動も自分の生活のすべてをプロに管理してもらう。それで何も考えずにそれに従う。純粋に仕事とそれをくり返すのが、森光子さんのパターン。
ですから、森さんのように90歳になっても舞台に立つんだというイメージとプランを持ちながら、今のステージや活動をするということが、非常に重要ですよ。
杉田 それ、すごくいいですね。すばらしいです! 白澤先生にカウンセリングしていただいた気分(笑)。なんだか希望がわいてきました(笑)。
白澤 すごいですよね。森さんのケースは、多くの日本国民が勇気づけられますね。
もうひとつお話ししましょう。元首相の中曽根康弘さんの話です。90歳を超えられているんですが非常にお元気で、やはり対談したんですね。政治家はストレスフルだし食生活もよくないので、とにかく短命です。
その中で、中曽根さんは健康長寿で非常に珍しいわけです。ほかの首相がやっていないことをしなければ、そうはならないですよね。中曽根さんが健康長寿である決定的な要因は、首相官邸に入って、夜はほとんど赤坂に飲みに出かけなかったことです。お酒は嫌いじゃないんですよ。でも、出かけなかった。
杉田 なぜ出かけなかったんですか?
白澤 どこにも出かけないで何をしていたかというと、座禅を組んで瞑想していたそうなんですよ。「要するに呼吸なんです」と中曽根さんは言っていたんですが、呼吸というのは、脳や筋肉の細胞がどのくらい酸素を燃やしてエネルギーを作れるかということに関係していて、長寿遺伝子や免疫力ともつながりが深いんですね。
中曽根さんの側近の方たちに聞くと、中曽根さんは怒ったことがないそうですよ。完全に自分をコントロールできていたんですね。中曽根さんのケースにも学ぶべきことが多々あります。
杉田 本当にありますね。今日いろいろなお話を聞いてあらためて思ったのですが、私は長いこと乱れた食生活をして、乱れた環境の中で生活してきた人間なんですけど、意識を変えれば、こんなに健康的に楽しく生きられるんだっていうモデルケースに自分もなれれば、と思いました。
白澤 そうですね。杉田さん自身も、ぜひたくさんの女性たちのモデルケースになってください。
次回からは、第3章「ミラクル免疫力をつけて、老けない食べ方 」をご紹介していきます。
『ミラクル免疫力をつけると、老けない!』(集英社 本体1,100円+税)
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-333127-5&mode=1
撮影/奥谷 仁 編集・構成/遠藤励子