健康の維持にも、ストレス対策にも、とにかく「適度な運動」がよいといわれていますが、それっていったい、どんな運動!? 二人の人気スポーツドクターに、40代以降に最適な「適度な運動」のメリットについて、前編と後編に分けて解説していただきました。
答えてくれたのは
整形外科医
中村格子さん
Kakuko Nakamura
Dr.KAKUKOスポーツクリニック理事長。医学博士。スポーツドクター。日本オリンピック委員会(JOC)医学サポートスタッフ。日本体操協会専任メディカルスタッフ(新体操)。近著(共著)に『整形外科医がすすめる一生スタスタ歩けるフリフリ体操』(学研プラス)
運動を今から習慣にするかどうかで
未来の生活の質が変わります
(中村格子さん)
産婦人科医
高尾美穂さん
Miho Takao
イーク表参道副院長。医学博士。スポーツドクター。ヨガ指導者。診療の傍ら、アプリstand.fm「高尾美穂からのリアルボイス」でリスナーの多様な悩みに回答し、510万再生を超える人気に。著書に『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)など
運動習慣のメリットのデータは多数。
やらない手はありません
(高尾美穂さん)
適度な運動のメリット
●体の柔軟性を保つ
関節や筋肉は動かさないと硬くなりますが、運動をすると筋肉の伸縮性が高まって関節の可動域も広がり、体の柔軟性が保たれます
●痛み予防
筋肉のバランスや骨格のアライメント(骨の並び)が悪いと痛みが出やすくなりますが、運動をするとバランスが整って痛み予防に
●気分を明るくし、ストレスに対抗しやすくする
運動には、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの値を下げる効果があり、気分を明るくし、ストレスに対抗しやすくします
●血液の状態をよくする
運動をすると体内で一酸化窒素の放出量が増えて血流がよくなるほか、血中のコレステロール値の上昇も抑えられ生活習慣病の予防に
●骨を強くする
運動して骨に重力刺激が加わると、骨量が増え、加齢に伴う減少を防げて骨粗しょう症予防に。ウエイトトレーニングでも骨量が増加
●自律神経を整える
適度な運動をすると、程よく交感神経が活性化し、その後に副交感神経が優位になりやすくなって自律神経のバランスが整います
※次回は「適度な運動」のメリット後編をご紹介します。
イラスト/いいあい 取材・原文/和田美穂