会議や打ち合わせ、飲み会も「オンライン」がすっかり定着しましたね。いつもの顔ぶれとも、初めましてのかたとも、オンラインで顔を合わせる時、つい相手の髪に目がいきませんか?
照明の具合や画面設定などでメイクはなんとなくごまかせている(かもしれない⁉︎)のですが、相手の髪がほんの少しでも乱れていると、自分の髪のことも大丈夫かな…と気になってしまいます。
多すぎる毛量と言うことを聞かないくせっ毛に、子どもの頃から強いコンプレックスを抱え続けている私。大人になってから、もうずいぶんと長い間繰り返しているパーマ・カラーリングでのダメージに加えて、ほぼエアコン環境内でしか過ごさないこの夏は、乾燥による髪のパサつきも毎日憂鬱です。
そんな私がこのたび、喜び勇んで参加してきたのが、大正製薬「毛髪最新研究発表会」「オンライン環境下での”老け髪”対策ミニ講座」(オンラインにて2021年7月に開催)。
家ですぐに実践できる〈オンラインで髪をイキイキ見せる簡単ワザ〉を、国際毛髪皮膚化学研究所 代表理事の本山典子先生に教わりました。
本山 典子先生
国際毛髪皮膚科学研究所 代表理事
Noriko Motoyama
短大卒業後、美容師免許を取得。美容学校教職員、美容室勤務を経て、ヘアケア商材を扱うメーカーに入社。12年間、ヘアケアメーカーの事業部長として企画開発、営業、販売などに携わりながら、漢方や五感の知識を活かした血流や神経に働きかける毛髪ケアの独自スキルを活かし、世界12か国でヘアケアの指導を行う。
オンラインで相手はあなたのここを見ている!
顔色を良く見えるようにしたいのはもちろん、久しく使う機会が減ってしまった分、オンライン会議の前には、口紅をしっかり塗って気分を上げています!というかたは多いかもしれません。
しかし、今回の講座で本山典子先生がおっしゃっていたのが、オンライン画面上で相手に与える印象は「姿勢や毛髪のツヤも大切」ということ。
目線が下がり、首の位置が正しい姿勢からずれていると、あまり見られたくない頭頂部分を相手に見せてしまうことに。薄毛の悩みはまだ…というかたでも、カラーリングした髪色との差が激しい、伸びかけた白髪も必要以上に目立ってしまう可能性が。
「姿勢が良くないと体が縮こまり、結果、血行不良になって、髪や頭皮に悪影響を及ぼすことにもつながる」というお話は、強く大きな字でしっかりとメモをとりました。
「老け髪」脱却のコツ
本山先生によると、30代後半から始まる「老け髪」とは加齢の変化によって白髪や薄毛が悪目立ちする状態のこと。パソコンと向き合う時間が増えて目を酷使すると頭皮が血行不良を起こして赤茶色くなり、頭皮も老けた印象になるのだそう。
そこで、今日からでもすぐ始められる対策を本山先生が解説!
●PCカメラは「見上げる」位置に
●レフ板代わりに白い紙を活用
●手ぐしで髪を即効ツヤ出し!=手や頭皮の皮脂は天然オイル
さっそく、ノートパソコンで仕事をするときに、専用スタンドを使ってこれまでより視線を少し上げてみたところ、自ずと姿勢が良くなり、カメラに映ったときのフェイスラインにもうれしい変化が。
顔の下に白い紙(ハンカチでもOK)を置いて光を反射させると、目線を上げたことと相まって、顔色も髪の写りも明るく! 電気スタンドを顔の横にセットするのも◎。ほんのちょっとしたことでも、やるとやらないとでは大違い。オンライン会議・飲み会の前に、3分早めにカメラを立ち上げて試してみてくださいね。
髪のパサつきが悩みの私は、普段、ヘアオイルを使っていますが、1日に何度も重ねてしまうとベタついてしまうのがネック。本山先生によると自分の手や頭皮の皮脂(天然オイル!)を利用して、手ぐしで髪を整えるのがおすすめだそう。頭皮に指を押し当てて髪に指を入れ、ふわっと軽やかに髪を整えるのがポイントです。
美しい髪は「育てる」
おこもり生活で運動不足が気になっているかたは多いと思いますが、「体と同様、頭皮も動かすことが大切」と本山先生。頭皮のツボを指圧するようにすると、血行が良くなり、髪のツヤも顔色もよくなります。座りながらでもすぐにできますし、目の疲れも和らいで、リフレッシュもできますね。
また、シャンプーをする際にも指先で頭皮を寄せてマッサージをするように意識すると、頭皮を動かすことができ、汚れ落ちもよくなります。
さらに、食生活も髪への影響大。体と同様、髪も頭皮も健康を保つために、本山先生が提唱されているのが、日々の食事に「赤・黒・緑・黄・白」の5色を意識して食材を取り入れること。
栄養素やその役割を覚えようとすると大変ですが、先生曰く、難しく考えずに「いろんな色の食材を取り入れるようにすると自然にバランスがよくなります」。
注目のキーワード「ミトコンドリア」
この日の発表会では、毛髪100年時代へ向けたトータルヘアケアを掲げ、20年以上行っている大正製薬のヘアケア研究についてもお話を伺いました。近年、世界中の研究者たちの間で脚光を浴びているのが「ミトコンドリア」。毛髪サイエンスにおける新発想のアプローチとして期待されており、これから私たちに届けられるヘアケア商品の開発に生かされるのだそう。
白髪や薄毛、パサつきなど、加齢とともに髪への悩みは増えてきましたが、サイエンスの力がエイジングケアにうれしい未来をもたらしてくれる!と期待が高まります。これからも、研究成果に注目していきたいですね。
構成・文/椎名智美